物理のかぎしっぽ 記事ソース/微分幾何学における流れの具体例

記事ソース/微分幾何学における流れの具体例

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記事ソースの内容

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微分幾何学における流れの具体例
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この記事では、リー微分を理解するのに必要な流れの具体例をいくつか見ます。
記法としては、中原幹夫先生の理論物理学のための幾何学とトポロジーIのものを採用します。
以下では二次元平面上の事を考え、ベクトル場を $X^\mu$ で、積分曲線を $\sigma^\mu$ とします。

すると、

<tex>
\dfrac{d}{dt} \sigma^\mu = X^\mu(\sigma^1,\sigma^2) \tag{##}
</tex>

を満たします。

例1
===========================

ベクトル場

<tex>
X = -y \dfrac{\partial}{\partial x} + x \dfrac{\partial}{\partial y} \tag{##}
</tex>

あるいは、同じことですが、

<tex>
\begin{pmatrix}
X^1 \\
X^2
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
-y \\
x
\end{pmatrix} \tag{##}
</tex>


に対して、積分曲線は

<tex>
\sigma &= \begin{pmatrix}
\sigma^1 \\
\sigma^2
\end{pmatrix} \\
&=
\begin{pmatrix}
x \cos t - y \sin t \\
x \sin t + y \cos t 
\end{pmatrix} \tag{##}
</tex>

と書けます。

すると、

<tex>
\dfrac{d}{dt}\sigma 
&=
\begin{pmatrix}
- x \sin t - y \cos t \\
x \cos t - y \sin t 
\end{pmatrix} \tag{##}
</tex>

であり、一方、

<tex>
X(\sigma) &= \left( -y \dfrac{\partial}{\partial x} + x \dfrac{\partial}{\partial y} \right) 
\begin{pmatrix}
x \cos t - y \sin t \\
x \sin t + y \cos t 
\end{pmatrix} \\
&=
\begin{pmatrix}
-y \cos t - x \sin t \\
-y \sin t + x \cos t 
\end{pmatrix}
\tag{##}
</tex>

だから、

<tex>
\dfrac{d}{dt}\sigma^\mu &= X^\mu (\sigma^1,\sigma^2) \tag{##}
</tex>

が確かに成り立っています。 与えられた $X^\mu$ に対する
$\sigma$ を求めるには、式 $(7)$ を具体的に書いて、

<tex>
\dfrac{d}{dt}\sigma^1 &= \left( -y \dfrac{\partial}{\partial x} + x \dfrac{\partial}{\partial y} \right)\sigma^1 \\ 
\dfrac{d}{dt}\sigma^2 &= \left( -y \dfrac{\partial}{\partial x} + x \dfrac{\partial}{\partial y} \right)\sigma^2 
\tag{##}
</tex>

で、 $\sigma^1 = x, \sigma^2=y$ 
つまり、 $\dfrac{\partial \sigma^1}{\partial x} = \dfrac{\partial \sigma^2}{\partial y} = 1$ 
と、 $\dfrac{\partial \sigma^1}{\partial y} = \dfrac{\partial \sigma^2}{\partial x} = 0$ に気が付けば簡単で、

<tex>
\dfrac{d}{dt}
\begin{pmatrix}
x \\
y
\end{pmatrix}
&=
\begin{pmatrix}
-y \\
x
\end{pmatrix} \\
&=
\begin{pmatrix}
0 & -1 \\
1 &  0
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
x \\
y
\end{pmatrix}
\tag{##}
</tex>

を解けば良いです。
積分曲線は、式 $(4)$ から $t$ を消去して、初期位置 $(x,y)$ として、

<tex>
(\sigma^1)^2 + (\sigma^2)^2 = x^2 + y^2 = const. \tag{##}
</tex>

となります。つまり、積分曲線は同心円となります。

例2
==================

例1と同様なので、要点だけ書きます。

<tex>
X = y \dfrac{\partial}{\partial x} + x \dfrac{\partial}{\partial y} \tag{##}
</tex>

<tex>
\sigma 
=
\begin{pmatrix}
x \cosh t + y \sinh t \\
x \sinh t + y \cosh t 
\end{pmatrix} \tag{##}
</tex>

<tex>
(\sigma^1)^2 - (\sigma^2)^2 = x^2 - y^2 = const. \tag{##}
</tex>

これは双曲線です。

例3
==================

<tex>
X = x \dfrac{\partial}{\partial x} + y \dfrac{\partial}{\partial y} \tag{##}
</tex>

<tex>
\sigma
=
\begin{pmatrix}
x e^{t} \\
y e^{t}
\end{pmatrix} \tag{##}
</tex>

<tex>
\sigma^2/\sigma^1 = y/x = const. \tag{##}
</tex>

または、

<tex>
\sigma^1 = 0 \tag{##}
</tex>

これは原点を通る直線です。

例4
==================

<tex>
X = -x \dfrac{\partial}{\partial x} + y \dfrac{\partial}{\partial y} \tag{##}
</tex>

<tex>
\sigma
=
\begin{pmatrix}
x e^{-t} \\
y e^{t}
\end{pmatrix} \tag{##}
</tex>

<tex>
\sigma^1\sigma^2 = xy = const. \tag{##}
</tex>

これは双曲線です。

例5
==================

<tex>
X = \dfrac{\partial}{\partial x} + x \dfrac{\partial}{\partial y} \tag{##}
</tex>

<tex>
\sigma
=
\begin{pmatrix}
x + t \\
xt +\dfrac{t^2}{2} - y
\end{pmatrix} \tag{##}
</tex>

<tex>
\sigma^2 - (1/2)(\sigma^1)^2 = y - (1/2)x^2 = const. \tag{##}
</tex>

この例は今までのやり方と少し異なる工夫が必要です。

解くべき方程式は、

<tex>
\dfrac{d}{dt}
\begin{pmatrix}
x \\
y \\
1
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 
\end{pmatrix}
\begin{pmatrix}
x \\
y \\
1
\end{pmatrix}
</tex>

です。ここで、

<tex>
N=
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 
\end{pmatrix}
</tex>

と置きます。
すると、解は

<tex>
\begin{pmatrix}
\sigma^1 \\
\sigma^2 \\
1
\end{pmatrix}
&= \exp \left(
N t \right)
\begin{pmatrix}
x \\
y \\
1
\end{pmatrix} \\
&= 
\left(
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 \\
0 & 1 & 0 \\
0 & 0 & 1 
\end{pmatrix}
+
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 1 \\
1 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 0 
\end{pmatrix}t
+
\begin{pmatrix}
0 & 0 & 0 \\
0 & 0 & 1 \\
0 & 0 & 0 
\end{pmatrix}t^2/2
\right)
\begin{pmatrix}
x \\
y \\
1
\end{pmatrix}
</tex>

となります。ここで、 $N^k = O (k \geq 3)$ を用いました。
これは放物線です。

この記事の内容を踏まえて、次回、リー微分について書こうと思います。
今日はここまで。お疲れさまでした。

@@reference: 中原幹夫 佐久間一浩,理論物理学のための幾何学とトポロジーI,ピアソン・エデュケーション社,2000,p145-p148,4894711656@@
@@reference: 中原幹夫 佐久間一浩,理論物理学のための幾何学とトポロジーI(第二版),ピアソン・エデュケーション社,2018,p----,4535788065@@



@@author:クロメル@@
@@accept:2019-07-31@@
@@category:微分・位相幾何学@@
@@id:flow@@
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