物理のかぎしっぽ 記事ソース/湯川ポテンシャルのフーリエ変換

記事ソース/湯川ポテンシャルのフーリエ変換

これはrst2hooktailの記事ソース保存・変換用です(詳細).

コンバート

最近コンバートされた結果: HTMLPDFTeX

公開・更新メニュー ▼▲

記事ソースの内容

============================================================
湯川ポテンシャルのフーリエ変換
============================================================

波数 $k$ として、 $\dfrac{1}{k^2+m^2}$ のフーリエ変換ってなんだっけ?
という所からスタートし、湯川ポテンシャルにたどり着きました。
拙記事、 クーロンポテンシャルのフーリエ変換_ と比べると面白いかもしれません。

グリーン関数の満たす式
========================

さて、 $k=|\bm{k}|$ , $r=|\bm{r}|$ とします。

<tex>
\hat{G}(k) = \dfrac{1}{k^2+m^2}      \tag{##}
</tex>

のフーリエ変換という事ですから、

<tex>
(\nabla^2 -m^2) G(r) = -\delta(r)      \tag{##}
</tex>

を満たすグリーン関数 $G(r)$ が求めたい関数だと分かります。
これから使うフーリエ変換は次とします。

<tex>
\hat{f}(\bm{k}) &= \int d \bm{r} f(\bm{r}) e^{-i \bm{k} \cdot \bm{r}}                       \tag{##} \\
f(\bm{r}) &= \dfrac{1}{(2 \pi)^3}\int d \bm{k} \hat{f}(\bm{k}) e^{i \bm{k} \cdot \bm{r}}    \tag{##}
</tex>

デルタ関数の積分表示は、

<tex>
\delta(x) = \dfrac{1}{2 \pi}\int_{-\infty}^{\infty} e^{ik_x x} dk_x   \tag{##}
</tex>

より、 $k$ 空間の全領域の積分で、

<tex>
\delta(\bm{r}) &= \delta(x)\delta(y)\delta(z) \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^3}\int d \bm{k}^3 e^{i (k_x x + k_y y + k_z z)}  \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^3}\int d \bm{k}^3 e^{i \bm{k} \cdot \bm{r}}  \tag{##}
</tex>

となりますから、式 $(2)$ は、

<tex>
\dfrac{1}{(2 \pi)^3} &\int d \bm{k}^3 (k^2+m^2) \hat{G}(\bm{k})e^{i \bm{k} \cdot \bm{r}} \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^3}\int d \bm{k}^3 e^{i \bm{k} \cdot \bm{r}}                         \tag{##}
</tex>

よって、

<tex>
\hat{G}(\bm{k}) = \dfrac{1}{k^2+m^2}      \tag{##}
</tex>

となり、これがスタートです。

フーリエ変換の実行
===========================

さて、 $\int d\bm{k} = \int_0^\infty dk \int_0^{2 \pi} d \phi \int_0^\pi d\theta k^2 \sin \theta $ より、

<tex>
G(\bm{r}) &= \dfrac{1}{(2 \pi)^3} \int d \bm{k}^3 \dfrac{e^{i \bm{k} \cdot \bm{r}}}{k^2+m^2} \\
         &= \dfrac{1}{(2 \pi)^3} \int_0^\infty k^2 dk \int_0^{2 \pi} d \phi \int_0^\pi d\theta \dfrac{e^{ikr \cos \theta}}{k^2+m^2} \sin \theta \\
&= \dfrac{2 \pi}{(2 \pi)^3} \int_0^\infty k^2 dk \int_0^\pi d\theta \dfrac{e^{ikr \cos \theta}}{k^2+m^2} \sin \theta \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^2} \int_0^\infty k^2 dk \int_{-1}^{1} dt \dfrac{e^{ikrt}}{k^2+m^2} \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^2} \int_0^\infty k^2 dk \dfrac{e^{ikr}-e^{-ikr}}{ikr(k^2+m^2)} \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^2} \int_0^\infty dk \dfrac{2k}{r(k^2+m^2)}\dfrac{e^{ikr}-e^{-ikr}}{2i}   \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^2} \dfrac{2}{r} \int_0^\infty dk \dfrac{k \sin (kr)}{k^2+m^2}           \\
&= \dfrac{1}{(2 \pi)^2} \dfrac{1}{ir} \int_0^\infty dk \dfrac{k(e^{ikr}-e^{-ikr})}{k^2+m^2}           \tag{##}
</tex>

ここで、 次の $k$ 積分を求めるのに複素積分の留数定理を用います。

<tex>
\int_0^\infty dk \dfrac{k}{k^2+m^2}(e^{ikr}-e^{-ikr})  \tag{##}
</tex>

の第二項は、 $k = - K$ と置いて、

<tex>
\int_0^\infty &dk \dfrac{-ke^{-ikr}}{k^2+m^2}    \\
&= - \int_0^{-\infty} d(-K) \dfrac{-Ke^{iKr}}{K^2+m^2}  \\
&=  \int_{-\infty}^0 dK \dfrac{Ke^{iKr}}{K^2+m^2}       \\
&=  \int_{-\infty}^0 dk \dfrac{ke^{ikr}}{k^2+m^2}             \tag{##}
</tex>

ですから、式 $(10)$ の値は

<tex>
\int_0^\infty &dk \dfrac{k}{k^2+m^2}(e^{ikr}-e^{-ikr})  \\
&= \int_{-\infty}^\infty dk \dfrac{ke^{ikr}}{k^2+m^2}  \tag{##}
</tex>

と等しくなります。

複素積分の実行
=============================

<tex>
G(\bm{r}) = \dfrac{1}{(2 \pi)^2} \dfrac{1}{ir} \int_{-\infty}^\infty dk \dfrac{ke^{ikr}}{k^2+m^2} \tag{##}
</tex>

まで分かりました。これから複素積分で $k$ 積分を実行します。 $F(k)=\dfrac{ke^{ikr}}{k^2+m^2}$ として、

.. image :: chromel-yukawaFourier-01.png

<tex>
\left( \int_{-\infty}^\infty + \int_{C_R} \right) F(k) dk = (2 \pi i) \mathrm{Res}_{k=im} F(k) \tag{##}
</tex>

であり、ジョルダンの補題より

<tex>
\lim_{R \to \infty} \int_{C_R} F(k) dk = 0 \tag{##}
</tex>

であり、留数は、

<tex>
\mathrm{Res}_{k=im} F(k) &= \lim_{k \to im} (k-im) \dfrac{k e^{ikr}}{(k-im)(k+im)} \\
&= \dfrac{im e^{-mr}}{2im} \\
&= \dfrac{e^{-mr}}{2}
</tex>

よって、

<tex>
\int_{-\infty}^\infty \dfrac{ke^{ikr}}{k^2+m^2} dk = 2 \pi i \dfrac{e^{-mr}}{2}  \tag{##}
</tex>

となります。これを式 $(13)$ に代入して、

<tex>
G(\bm{r}) &= \dfrac{1}{(2 \pi)^2} \dfrac{1}{ir} 2 \pi i \dfrac{e^{-mr}}{2} \\
&= \dfrac{e^{-mr}}{4 \pi r} \tag{##}
</tex>

です。この指数関数的減衰をするポテンシャルは湯川ポテンシャルと言います。
この計算はかなり略式ですが、以下のサイトにも導出が載っています。 場の量子論で頻出の計算英語_ 

今回のフーリエ変換は場の量子論では知っていて当たり前の様な言い方をされることが多い気がします。
覚えておくと良いでしょう。

今日はここまで、お疲れ様でした。

.. _クーロンポテンシャルのフーリエ変換: http://hooktail.sub.jp/fourieralysis/coulombFourier/
.. _場の量子論で頻出の計算英語: https://en.wikipedia.org/wiki/Common_integrals_in_quantum_field_theory

@@reference: 今村勤,物理と数学シリーズ4 物理とグリーン関数,岩波書店,1994,p49,400007900X@@

@@author:クロメル@@
@@accept:2017-05-28@@
@@category:フーリエ解析@@
@@id:yukawaFourier@@
トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Modified by 物理のかぎプロジェクト PukiWiki 1.4.6 Copyright © 2001-2005 PukiWiki Developers Team. License is GPL.
Based on "PukiWiki" 1.3 by yu-ji Powered by PHP 5.2.17 HTML convert time to 0.040 sec.