物理のかぎしっぽ 記事ソース/クラインゴルドン演算子のグリーン関数

記事ソース/クラインゴルドン演算子のグリーン関数

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記事ソースの内容


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クラインゴルドン演算子のグリーン関数
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この記事では、相対論的量子力学(西島和彦著)に出てくるクラインゴルドン方程式についてグリーン関数を導きます。

この本に於いて、グリーン関数はいきなり出てきます。グリーン関数の知識は常識の様なので、その辺の事情を確認の意味で辿ってみれば、何かの役に立つと思い、ここに書きます。


クラインゴルドン方程式
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クラインゴルドン方程式とは以下の様な式です。

<tex>
(\Box - m^2)\phi = (\triangle - \partial_t^2 -m^2)\phi = 0 \tag{##}
</tex>

ここで $\Box$ はダランベルシアンと言い、ラプラシアンと時間の二階微分から成ります。

この本同様にグリーン関数(遅延グリーン関数) $\Delta_{ret}(x)$ を先に示しておくと、

<tex>
\Delta_{ret}(x) = \dfrac{1}{(2 \pi)^4} \lim_{\varepsilon \to +0} \int d^4p \dfrac{e^{ipx}}{p^2 + m^2 - i \varepsilon} \tag{##}
</tex>

の様になります。ここで、  $x = (\bm{x},t)$  であり、  $px = \bm{p}\cdot\bm{x}-p_0 t$  であり、
   $d^4p = dp_1 dp_2 dp_3  dp_0$ であり、太字体の量は三次元ベクトルです。

ここでフーリエ変換を書いておきます。ここで $\Delta(x)$ と $\Delta(p)$ はフーリエ変換で互いに移り変わります。

<tex>
\Delta(p) &= \dfrac{1}{(2 \pi)^4} \int \Delta(x) e^{-ipx} d^4x \tag{##} \\
\Delta(x) &= \int \Delta(p) e^{ipx} d^4p \tag{##}
</tex>

となります。


クラインゴルドン方程式のグリーン関数
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クラインゴルドン方程式のグリーン関数が満たす式を書くと、

<tex>
(\Box - m^2)\Delta(x) = -\delta^4(x-x^\prime) \tag{##}
</tex>

ここでデルタ関数は、 $x-x^\prime = (x + y + z - t)-(x^\prime + y^\prime + z^\prime - t^\prime)$ とすると、

<tex>
\int d^4p e^{ip(x-x^\prime)}=(2 \pi)^4 \delta(x-x^\prime) \delta(y-y^\prime) \delta(z-z^\prime) \delta(-t+t^\prime) \tag{##}
</tex>

となります。式(5)に式(4)を代入して、p積分の中身を比較すると、

<tex>
(\Box - m^2)\int \Delta(p) e^{ipx} d^4p &= -\delta^4(x-x^\prime) \\
\int ((ip)^2 - m^2)\Delta(p) e^{ipx} d^4p &= -\dfrac{1}{(2 \pi)^4} \int d^4p e^{ip(x-x^\prime)}  \\
\int (p^2 + m^2)\Delta(p) e^{ipx} d^4p &= \dfrac{1}{(2 \pi)^4} \int e^{ip(x-x^\prime)} d^4p \tag{##}
</tex>

より、積分の中身を比較して、

<tex>
(p^2 + m^2)\Delta(p) e^{ipx} &= \dfrac{1}{(2 \pi)^4} e^{ip(x-x^\prime)} \\
\Delta(p) &= \dfrac{1}{(2 \pi)^4} \dfrac{e^{-ipx^\prime}}{(p^2 + m^2)} \tag{##}
</tex>

となり、なんとか $\Delta(p)$ が求まりました。最後に式(4)に求まった $\Delta(p)$ を代入して、

<tex>
\Delta(x) = \dfrac{1}{(2 \pi)^4} \int d^4p \dfrac{e^{ipx}}{p^2 + m^2} \tag{##}
</tex>

ここで、 $p^2 + m^2 = \bm{p}^2 + m^2 - p_0^2$ となり、 $p_0$ での積分に於いて、 $p_0 = \pm \sqrt{\bm{p}^2 + m^2}$ が特異点となってしまいます。これを避けるために、分母に無限小の因子 $i \varepsilon$ を引きます。ようやく、

<tex>
\Delta_{ret}(x) = \dfrac{1}{(2 \pi)^4} \lim_{\varepsilon \to +0} \int d^4p \dfrac{e^{ipx}}{p^2 + m^2 - i \varepsilon} \tag{##}
</tex>

という形になったわけです。これが遅延グリーン関数 $\Delta_{ret}(x)$ です。余談ですが、ここで分母に引くのではなく足すと、先進グリーン関数 $\Delta_{adv}(x)$ となります。

<tex>
\Delta_{adv}(x) = \dfrac{1}{(2 \pi)^4} \lim_{\varepsilon \to +0} \int d^4p \dfrac{e^{ipx}}{p^2 + m^2 + i \varepsilon} \tag{##}
</tex>

今日はここまで。お疲れ様でした。
@@author:クロメル@@
@@accept:2016-06-20@@
@@category:量子力学@@
@@id:greenFunctionOfKG@@
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