物理のかぎしっぽ 記事ソース/ガウスの定理は本当に常に成り立っているの?

記事ソース/ガウスの定理は本当に常に成り立っているの?

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記事ソースの内容

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ガウスの定理は本当に常に成り立っているの?
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ガウスの定理は本当に常にどんな条件でもなりたっているのか。
結論を言うと成り立っています。
理解の助けになると思います。
ガウスの定理とはつまり、次の式です。

<tex>
\int_V \mathrm{div} \bm{E} dV = \int_{\partial V} \bm{E} \cdot \bm{n} dS \tag{##}
</tex>

ちなみに、 $\partial V$ という書き方は、三次元領域 $V$ の境界、つまり表面を表します。

この記事を書いた動機
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ガウスの定理って、表面の様子が分かれば中身の様子が分かる。みたいな定理 [*]_ ですよね。
中身がぐちゃぐちゃなどんな変な関数でも言えるのかな?というのが、この記事を書いた動機です。

.. [*] これは正確には誤りです。中身のすべてが分かるわけではありません。
中身のある特性(div)の収支が分かるだけです。

難しい問題での定石
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こういうときはとにかく次元を落として簡単化して考えるのが一番です。
一番簡単な一次元の時を考えてみましょう。

<tex>
\int_a^b \dfrac{dF}{dx} dx = F(b) - F(a) \tag{##}
</tex>

これは微積分学の基本定理というやつです。
これに変な関数 $G$ を足してみます。
へんな関数といっても、積分とは曲線の下の面積を求める操作ですから、
式 $(2)$ は成立します。

<tex>
\int_a^b \dfrac{dG}{dx} dx = G(b) - G(a) \tag{##}
</tex>

よって、両者を足せば、

<tex>
\int_a^b \dfrac{d(F+G)}{dx} dx = F(b)+G(b)-F(a)-G(a) \tag{##}
</tex>

となり、表面(端点)の値だけで積分値が決まってしまいます。
これが成り立たない反例はちょっと思いつかないです。

三次元に拡張
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三次元のガウスの定理は、この拡張です。

つまり、例えば $\bm{E}$ のz成分 $E_z$ について書くと、

<tex>
\iint dx dy \int_{a}^{b} \dfrac{d E_z}{dz} dz = \iint_{\partial V} dx dy E_z \tag{##}
</tex>

なので [*]_ 、これは、左辺が

.. [*] この式の意味するところは、少し長くなるので、高木貞治の「解析概論」をご覧ください。p379の102.Gaussの定理です。

<tex>
\int_a^b  \dfrac{d E_z}{dz} dz = E_z(b) - E_z(a) \tag{##}
</tex>

より、式 $(5)$ の左辺は、領域 $V$ をz軸の正の方向から見た面を $S_1$ 、負の方向から見た面を $S_2$ として、

<tex>
\iint dx dy \int_{a}^{b} \dfrac{d E_z}{dz} dz &= \iint dx dy E_z(b) - \iint dx dy E_z(a) \\
&= \iint_{S_1} dx dy E_z - \iint_{S_2} dx dy E_z \\
&= \iint_{\partial V} dx dy E_z
</tex>

と、この様に等号が成立することが示せます。
どういうことなのか、自分なりに考えてみました。
もし、原点の電荷から電気力線の様なものが伸びていて、
途中で消えたりしたら(ラプラス方程式ではないので
そんなこともありです。)、そこでは負の発散が存在していて、
結局、その減った分はしっかりと体積積分に勘定され、
表面積分にも連動して振る舞うということのようです。だって、
外に出る電気力線が消えているのだから、
表面積分の値は当然減るでしょう?

今日はこの辺で、お疲れ様でした。

@@author:クロメル@@
@@accept:2013-07-31@@
@@category:ベクトル解析@@
@@id:gaussReallyTrue@@
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