* 興味深い [#m140e1a4] |~ページ|[[査読/フラウンホーファー回折の物質波の位相一致の原因とは?(masaban著)]]| |~投稿者|[[クロメル]]| |~状態|#listbox3(質問,査読2,state)| |~投稿日|2019-12-30 (月) 15:48:43| ** メッセージ [#jdafac87] ご執筆お疲れ様です。 なるほど、大体のご主張は理解できたと思います。 僕の認識とはズレがあったので、ちょっと気になる点を書かせていただきます。 (僕が間違っていると言う事も十分にあるので、詳しい読者の方から 何らかのフィードバックがあるかもしれませんし、公開はするべきだと思います。) Q1.「干渉の起きていない一粒がこの世界に存在できなくなります」 とありますが、電子は自己と干渉を起こすと思います。 経路積分で考えているのは正にその自己との干渉ではないですか? つまり、現実の電子は単純に進むのではなく、 無限に間隔の狭い無限個のスリットを無限枚通過するような動きを するものだと思っていました。 Q2.フラウンホーファー回折は、単色光の「平面波」 (つまりコヒーレントな光)でないと起きないのではないですか? ただの単色光では回折は起きないと思います。 実際、高校の物理教科書では、まず電球光源などのインコヒーレント光 をまず、単スリットを通して位相をコヒーレントなものにし、 そこで改めて、単スリット、二重スリット、回折格子などに、 照射しています。 ** 返答 [#jd9cbd8e] - Q1.「干渉の起きていない一粒がこの世界に存在できなくなります」 とありますが、電子は自己と干渉を起こす・・現実の電子は単純に進むのではなく、 無限に間隔の狭い無限個のスリットを無限枚通過するような動き masaban返答1 「現実の電子は単純に進むのではなく、 無限に間隔の狭い無限個のスリットを無限枚通過するような動き」とのこと、いままで習った事も、読んだこともない説です.まず再度クロメル様に尋ねたいのですが、クロメル様の独創的なお考えですか?それとも根拠となる引用文が存在するなら教えて下さい. 現在のわたしの意見では同じ位置を電子が通り直す現象は無いと考えます. Q1のなかの最初の問題「「干渉の起きていない一粒がこの世界に存在できなくなります」」はすなわち、もし干渉するならそれは量子や剛体という実在の性質に反したどんなときにも波の性質しか現れない波動にすぎないと言いたいのです.そしていつも波動であって剛体の粒の性質は持たないと言いたいのです. たとえば直線運動する量子はその軌道上正面に障壁があれば衝突し、ゴムボールが床にはねたかのように反射されます.例えば平らな床でなく金属球に衝突したような実例が、ラザフォード散乱です.剛体同士の衝突の事例がラザフォード散乱でしょう. ところが波動としての性質から自身の半身どうしでも重ね合せ演算しているとすると、波動の回折として、波の進行方向正面の金属球という障壁の真裏の陰にも波動が表れることになってしまいます.現実にそんな量子の現象はありません. Q2.フラウンホーファー回折は、単色光の「平面波」 (つまりコヒーレントな光)でないと起きないのではないですか? ただの単色光では回折は起きないと思います。 masaban返答2 この答えは簡単です.現象を発見したフラウンホーファーが生存する時代にはコヒーレントな光源はありません.それでも発見された現象です. だから位相が揃っていないと表れぬ現象ではありません. 現代の数学理論を用いてフーリエ変換の双対となる関数について考えるともう少し面白い答えに達します. フラウンホーファー回折の単孔部には孤立矩形波形の関数のように明るく照らされた平面部分があります.その関数をフーリエ変換してスクリーンに照明の関数を送り付ける現象がフラウンホーファー回折です. スクリーンには孤立矩形波をフーリエ変換した結果、sinc関数(別名cardinal sine)の明暗縞模様が表れます. そしてsinc関数を数学演算によりフーリエ変換すると孤立矩形波になります. すなわち演算結果に同じ演算を繰り返す(2度演算する)と元に戻る性質が孤立矩形波と、sinc波形のふたつの関数にだけあります. 一般にフーリエ変換を重ねてできた歪み波には演算の度に位相が異なるので、同じ形の波に戻れません.ところが孤立矩形波と、sinc波形のふたつの関数にだけは位相を特徴的に固定する性質があるのです. -- [[masaban]] &new{2020-01-03 (金) 20:12:20}; ** [#hd876991] - Q1の返答.自分との干渉とは、経路積分と言うものです。場の理論などの本には大抵載っています。比較的分かりやすいと思う参考文献として、『量子力学と経路積分』R.P.ファインマン A.R.ヒッブス 北原和夫訳(みすず書房)の第一章に平易な解説があります。 Q2の返答.僕の主張は「フラウンホーファー回折は位相の揃った光を必要とする」と言う事です。光学はあまり詳しくないので、少し調べてみました。フラウンホーファー回折の要点は開口部に「平面波」を入射すると、スクリーンに二次元フーリエ変換された像が生じると言う事みたいですね。平面波を作る為に点光源からの光に対して無限遠を作り出すためレンズを大抵は入れる。なるほど、確かにそうならばおっしゃる通り、sinc関数が出てきますね。 http://wondephysics.web.fc2.com/physicsdefraction.html の図を見ると、白色光(スペクトルが広がっていても)でも平面波の重ね合わせとして波長ごとにフーリエ変換を行った像が映し出されると言う事のようです。ここで分からないのが何をもって「コヒーレントな光」と言うかです。どうやらWikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B9 によると、フラウンホーファー回折を起こすためには「空間的コヒーレンス」を平面波は持っていないといけないのですね。「時間的コヒーレンスと空間的コヒーレンス」の段落に「点光源からの光がP1、P2にやってきている場合は、P1とP2の距離とは無関係に観測点付近では干渉縞が見える」とあります。ということは、点光源ならば空間的コヒーレンスを持った光ができるのではないですか?フラウンホーファー回折で二次元フーリエ変換を起こすためには、開口部の各点で位相がそろっていなければならないですよね?つまり、この現象は「位相の揃った光を必要とする位相の揃った光を必要とする」のです。 なお、ご主張のもう一点、「光子の分割は実際に起きているか」に関しては、波動関数の収縮など現在解決されていないようですね。 -- [[クロメル]] &new{2020-01-03 (金) 20:36:52}; #comment #br #topicpath