物理のかぎしっぽ 査読/ガウスの法則-積分形(篠原著)/4 のバックアップ(No.9)

目指している読者は?

メッセージ

丁度,自分も始めての査読記事の準備中でしたのでコメントをつける暇がありませんでした.

改めて拝見しましたが,やはり「読者層を何処に置いていらっしゃるか」が判りかねる,と言うのが正直な感想です.

説明の方針

最初は,マクスウェルの方程式のガウスの法則「電束密度の発散が電荷密度に等しい」から説明を開始するのだから,中級以上の読者を対象にするのかと思いました.

ところが,ベクトルの発散の体積分を,そのベクトルの面積分に置き換える,いわゆるガウスの積分定理の説明は省き,積分形のガウスの法則に話が入りました.当然,積分形と微分形の関係の考察が出るだろうと思っているうちに終わってしまう.

これでは,クーロンの話は判って,マクスウェルの方程式中のガウスの法則がわかっても,其々の関係が判らないような初学者にとっては一体なんだろう?,となるように感じます.

さらに,電束密度の説明はかなり誘電体モデルのイメージの無いまま持ち込まれても,その物理的な意味が判らなければ,理解し難いと思います.

元に戻ると,次の2つの考え方:

  1. 中級者向け
    • マクスウェルの式や物性物理学の意味での問題意識を元に説明するのか,
  1. 初級者向け
    • 電場の遠隔論的なクーロンの式と近接論的なマクスウェルの式の電場と電荷密度の式(電場の発散が電荷密度/真空中の誘電率)との橋渡しをするのか

のどちらを目指した説明をするのかが,不明瞭な気がします.

場の強度の表し方

また「電界」よりは,電場が,磁場・重力場・流体場などと関連付けられて良いのでは無いかと思います.理化学辞典でも「電界=電場」だけです.

私は,電子工学系の方々との交流を経験して,「電界,磁界」の表し方があることも熟知しています.類似の話で,虚数単位の表現が「i,j」と違うことも経験しています.自分自身は,相手の論議に従って,自由に使い分けでします.しかし,このサイトでは,「物理の初心者」を強く意識した記事を目指しているので,正面切って,異なる用語を用いない方がいいとおもいます.

ところが,「電界」という使い方で,理解が促進するような場面があるなら,それを元に強く主張されるのもありだとおもいます.

私は,現在,「ベクトル」という用語が不満で,「ヴェクタ」という言い方を自分のページや回答の中で使っています.異論があるのも承知です.論議によっては,前面取り消しも,前面利用もありと思っています.

ベクトルの表記

最後に,式中,ベクトルを太い立体で書かれていますが,この記法は何を参考にされていますか? 出典をお教えくださるとありがたいです.すくなくとも太い斜体にされる方が無難だとおもいます.私自身の好みは,斜体の上に「→」を乗せる方式ですが,これには賛否両論があります.

最後に

かなり方向性が違う意見ですが,初心者にとって静電場をスムーズに理解させるのはとても重要だと思うからです.

もう一度,リラックスして,再検討するのもいいかもしれませんね.

返答


 
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