物理のかぎしっぽ 査読/ガウスの法則-積分形(篠原著)/4 のバックアップ(No.8)

目指している読者は?

メッセージ

丁度,自分も始めての査読記事の準備中でしたのでコメントをつける暇がありませんでした.

改めて拝見しましたが,やはり読者層を何処に置いていらっしゃるか途方にくれると言うのが正直な感想です.

最初は,マクスウェルの方程式のガウスの法則「電束密度の発散が電荷密度に等しい」から説明を開始するのだから,中級以上の読者を対象にするのかと思いました.

ところが,ベクトルの発散の体積分を,そのベクトルの面積分に置き換える,いわゆるガウスの積分定理の説明は省き,積分形のガウスの法則に話が入りました.

これでは,クーロンの話は判って,マクスウェルの方程式中のガウスの法則がわかっても,其々の関係が判らないような初学者にとっては一体なんだろう?,となるように感じます.

さらに,電束密度の説明はかなり誘電体モデルのイメージの無いまま持ち込まれても,その物理的な意味が判らなければ,理解し難いと思います.

元に戻ると,次の2つの考え方:

(1) マクスウェルの式や物性物理学の意味での問題意識を元に説明するのか,

(2) 電場の遠隔論的なクーロンの式と近接論的なマクスウェルの式の電場と電荷密度の式(電場の発散が電荷密度/真空中の誘電率)との橋渡しをするのか

のどちらを目指した説明をするのかが,不明瞭な気がします.

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また「電界」よりは,電場が,磁場・重力場・流体場などと関連付けられて良いのでは無いかと思います.理化学辞典でも「電界=電場」だけです.

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最後に,式中,ベクトルを太い立体で書かれていますが,この記法は何を参考にされていますか? 出典をお教えくださるとありがたいです.すくなくとも太い斜体にされる方が無難だとおもいます.私自身の好みは,斜体の上に「→」を乗せる方式ですが,これには賛否両論があります.

かなり方向性が違う意見ですが,初心者にとって静電場をスムーズに理解させるのはとても重要だと思うからです.

なお,電場強度(電束密度)の強弱と,電気力線(電束線)の密集度との話は,電場・磁場の概念を構築する当時は,流体力学からの類推で大事だったのかも知れませんが,パソコンでグラフィックが簡単にできるご時世ですから,そんなに細かい論議が必要とは思えません.むしろクーロンの法則自体と積分形との比較から色々な観点から具体例をだして説明する方が善い様にも感じます.

もう一度,リラックスして,再検討するのもいいかもしれませんね.

返答


 
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