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#rst2hooktail_source
=========================================================...
全角運動量
=========================================================...
剛体の回転シーリズ第4弾です。
前の記事は 角運動量を持つ系の例_ です。
次の記事は 慣性モーメント_ です。
全角運動量の時間依存性
=========================
多くの質点からなる系 [*]_ を考えます。
この系に含まれる質点全体がもつ運動量の合計を求めます。
それぞれの質点の持つ角運動量は、ベクトル量なので足し合わ...
質点の位置を $\bm{r}_i$ とし、ある点 $\bm{r}_p$ の周りの...
<tex>
\bm{L}&=\sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i (\dot{\bm{r}}...
</tex>
となります。
.. [*] 余談ですが、私がはじめ数学で系という単語を聞いた時...
今この量の時間変化を考えたいので、式 $(1)$ の時間微分をと...
<tex>
\dot{\bm{L}}&=\sum_i(\dot{\bm{r}}_i-\dot{\bm{r}}_p)\times...
+\sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i(\ddot{\bm{r}}_i-\ddo...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i(\ddot{\bm{r}}_i-\d...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i\ddot{\bm{r}}_i - \...
</tex>
となります。
ここで、式 $(2)$ の第一項に質点iに働く外力を $\bm{F}_i^{\...
<tex>
m_i \ddot{\bm{r}}_i =\bm{F}_i^{\rm{ext}} + \bm{F}_i^{\rm{...
</tex>
を用いれば、
<tex>
\dot{\bm{L}} &= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i\ddot{...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times (\bm{F}_i^{\rm{ext}} +...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times \bm{F}_i^{\rm{ext}} + ...
&= \bm{N}^{\rm{ext}} + \bm{N}^{\rm{int}} - \sum_im_i(\bm{...
</tex>
今度は、
<tex>
\bm{N}^{\rm{ext}} = \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times \bm{F...
</tex>
<tex>
\bm{N}^{\rm{int}} = \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times \bm{F...
</tex>
は、それぞれpの周りの全外力、全内力によるトルクです。
それから、式 $(3)$ の第二項も変形していきます。全質量 $M=...
重心 $\bm{R}= \frac{\sum_i m_i \bm{r}_i}{\sum_i m_i} = \f...
を用いて、 $M\bm{R}= \sum_i m_i \bm{r}_i$ ですから、
<tex>
\dot{\bm{L}}
&= \bm{N}^{\rm{ext}} + \bm{N}^{\rm{int}} - \sum_i m_i(\bm...
&= \bm{N}^{\rm{ext}} + \bm{N}^{\rm{int}} - M(\bm{R}- \bm{...
</tex>
だいぶ、すっきりしてきました。
さて、ここで多くの質点の中の二点、質点aと質点bに働く内力...
質点bが質点aに及ぼす力を $\bm{F}_a^{[ b ]}$ と書くことに...
ニュートン第三法則により、
<tex>
\bm{F}_b^{[ a ]} = - \bm{F}_a^{[ b ]}
</tex>
が成立します。
そこで、この二点からの全トルク $\bm{N}^{\rm{int}}$ への寄...
$\bm{N}^{[ a,b ]}$
を考えてやると、
<tex>
\bm{N}^{[ a,b ]}
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
+ (\bm{r}_b-\bm{r}_p) \times \bm{F}_b^{[ a ]} \\
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
- (\bm{r}_b-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]} \\
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
+ (\bm{r}_p-\bm{r}_b) \times \bm{F}_a^{[ b ]} \\
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_b) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
</tex>
となります。この値についてよく考えると、
現在までに見つかっている粒子の力の及ぼし方は、 $\bm{r}_a-...
平行なものしかありませんから [*]_ 、これは平行なベクトル...
よって、すべての二点間の内力について成り立ちますから、結...
.. [*] これは十分正しい仮定だといえます。なぜなら粒子が及...
さて、
<tex>
\dot{\bm{L}}
&= \bm{N}^{\rm{ext}} - M(\bm{R}- \bm{r}_p) \times \ddot{\...
</tex>
という所まで、変形出来ました。
式 $(5)$ の第二項は、 $\bm{r}_p$ が一定の速度で移動する点...
$\bm{r}_p$ が重心に一致するとき等のように $\bm{r}_p$ の取...
<tex>
\dot{\bm{L}}
&= \bm{N}^{\rm{ext}}
</tex>
となることが分りました。
つまり全角運動量の変化は、外力によるトルクのみを考えれば...
そして、これから書くことは重要なので覚えておいてください。
特に外力がないときは、ある慣性系内の固定点からみた系の全...
実例としては、ひとつ前の記事で書いた二つの例を考えてみて...
まず一つ目の自由に空間を移動する一粒子の例ですが、一粒子...
確かに、角運動量は保存します。
次に、ある慣性系内の一点から見てみると、粒子の
速度が変わるわけです。どんな速度でも角運動量は保存しまし...
そして次の二粒子がたがいに回転し合っている例ですが、重心...
角運動量が保存されることが分ります。次にある慣性系内の固...
再現できます。これも角運動量が保存されることがわかります。
残念ながらこれ以上例をあげようとしても、三粒子になると多...
全運動量と全角運動量
=======================
全運動量と全角運動量には興味深い違いがあります。
系にかかる外力がゼロの時、全運動量や全角運動量は保存され...
このとき系の内力や内部運動がどうあろうとも、重心は固定さ...
(全運動量がゼロなら)、その後重心の位置は変化しません。
しかし、全角運動量はゼロであっても、体系は任意の向きを向...
たとえば両手におもりを持って自由に回転できるイスに座りま...
最初は手を降ろしています。次に
手を広げておもりを中心が自分にあり床に平行な円上を反時計...
すると全角運動量は保存しますから、自分自身は時計方向に回...
そこで手を降ろすと最初の状態に戻るわけです。
これを繰り返せば任意の方向を向くことができます。
@@reference: V.D.バーガー・M.G.オルソン,力学 ‐新しい視点...
続きは、 こちら_
.. _こちら: http://hooktail.sub.jp/mechanics/momentOfIner...
.. _慣性モーメント: http://hooktail.sub.jp/mechanics/mome...
.. _角運動量を持つ系の例: http://hooktail.sub.jp/mechanic...
@@author:クロメル@@
@@accept:2007-05-24@@
@@category:力学@@
@@id:allAngularMomenta@@
終了行:
#rst2hooktail_source
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全角運動量
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剛体の回転シーリズ第4弾です。
前の記事は 角運動量を持つ系の例_ です。
次の記事は 慣性モーメント_ です。
全角運動量の時間依存性
=========================
多くの質点からなる系 [*]_ を考えます。
この系に含まれる質点全体がもつ運動量の合計を求めます。
それぞれの質点の持つ角運動量は、ベクトル量なので足し合わ...
質点の位置を $\bm{r}_i$ とし、ある点 $\bm{r}_p$ の周りの...
<tex>
\bm{L}&=\sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i (\dot{\bm{r}}...
</tex>
となります。
.. [*] 余談ですが、私がはじめ数学で系という単語を聞いた時...
今この量の時間変化を考えたいので、式 $(1)$ の時間微分をと...
<tex>
\dot{\bm{L}}&=\sum_i(\dot{\bm{r}}_i-\dot{\bm{r}}_p)\times...
+\sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i(\ddot{\bm{r}}_i-\ddo...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i(\ddot{\bm{r}}_i-\d...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i\ddot{\bm{r}}_i - \...
</tex>
となります。
ここで、式 $(2)$ の第一項に質点iに働く外力を $\bm{F}_i^{\...
<tex>
m_i \ddot{\bm{r}}_i =\bm{F}_i^{\rm{ext}} + \bm{F}_i^{\rm{...
</tex>
を用いれば、
<tex>
\dot{\bm{L}} &= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times m_i\ddot{...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times (\bm{F}_i^{\rm{ext}} +...
&= \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times \bm{F}_i^{\rm{ext}} + ...
&= \bm{N}^{\rm{ext}} + \bm{N}^{\rm{int}} - \sum_im_i(\bm{...
</tex>
今度は、
<tex>
\bm{N}^{\rm{ext}} = \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times \bm{F...
</tex>
<tex>
\bm{N}^{\rm{int}} = \sum_i(\bm{r}_i-\bm{r}_p)\times \bm{F...
</tex>
は、それぞれpの周りの全外力、全内力によるトルクです。
それから、式 $(3)$ の第二項も変形していきます。全質量 $M=...
重心 $\bm{R}= \frac{\sum_i m_i \bm{r}_i}{\sum_i m_i} = \f...
を用いて、 $M\bm{R}= \sum_i m_i \bm{r}_i$ ですから、
<tex>
\dot{\bm{L}}
&= \bm{N}^{\rm{ext}} + \bm{N}^{\rm{int}} - \sum_i m_i(\bm...
&= \bm{N}^{\rm{ext}} + \bm{N}^{\rm{int}} - M(\bm{R}- \bm{...
</tex>
だいぶ、すっきりしてきました。
さて、ここで多くの質点の中の二点、質点aと質点bに働く内力...
質点bが質点aに及ぼす力を $\bm{F}_a^{[ b ]}$ と書くことに...
ニュートン第三法則により、
<tex>
\bm{F}_b^{[ a ]} = - \bm{F}_a^{[ b ]}
</tex>
が成立します。
そこで、この二点からの全トルク $\bm{N}^{\rm{int}}$ への寄...
$\bm{N}^{[ a,b ]}$
を考えてやると、
<tex>
\bm{N}^{[ a,b ]}
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
+ (\bm{r}_b-\bm{r}_p) \times \bm{F}_b^{[ a ]} \\
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
- (\bm{r}_b-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]} \\
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_p) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
+ (\bm{r}_p-\bm{r}_b) \times \bm{F}_a^{[ b ]} \\
&= (\bm{r}_a-\bm{r}_b) \times \bm{F}_a^{[ b ]}
</tex>
となります。この値についてよく考えると、
現在までに見つかっている粒子の力の及ぼし方は、 $\bm{r}_a-...
平行なものしかありませんから [*]_ 、これは平行なベクトル...
よって、すべての二点間の内力について成り立ちますから、結...
.. [*] これは十分正しい仮定だといえます。なぜなら粒子が及...
さて、
<tex>
\dot{\bm{L}}
&= \bm{N}^{\rm{ext}} - M(\bm{R}- \bm{r}_p) \times \ddot{\...
</tex>
という所まで、変形出来ました。
式 $(5)$ の第二項は、 $\bm{r}_p$ が一定の速度で移動する点...
$\bm{r}_p$ が重心に一致するとき等のように $\bm{r}_p$ の取...
<tex>
\dot{\bm{L}}
&= \bm{N}^{\rm{ext}}
</tex>
となることが分りました。
つまり全角運動量の変化は、外力によるトルクのみを考えれば...
そして、これから書くことは重要なので覚えておいてください。
特に外力がないときは、ある慣性系内の固定点からみた系の全...
実例としては、ひとつ前の記事で書いた二つの例を考えてみて...
まず一つ目の自由に空間を移動する一粒子の例ですが、一粒子...
確かに、角運動量は保存します。
次に、ある慣性系内の一点から見てみると、粒子の
速度が変わるわけです。どんな速度でも角運動量は保存しまし...
そして次の二粒子がたがいに回転し合っている例ですが、重心...
角運動量が保存されることが分ります。次にある慣性系内の固...
再現できます。これも角運動量が保存されることがわかります。
残念ながらこれ以上例をあげようとしても、三粒子になると多...
全運動量と全角運動量
=======================
全運動量と全角運動量には興味深い違いがあります。
系にかかる外力がゼロの時、全運動量や全角運動量は保存され...
このとき系の内力や内部運動がどうあろうとも、重心は固定さ...
(全運動量がゼロなら)、その後重心の位置は変化しません。
しかし、全角運動量はゼロであっても、体系は任意の向きを向...
たとえば両手におもりを持って自由に回転できるイスに座りま...
最初は手を降ろしています。次に
手を広げておもりを中心が自分にあり床に平行な円上を反時計...
すると全角運動量は保存しますから、自分自身は時計方向に回...
そこで手を降ろすと最初の状態に戻るわけです。
これを繰り返せば任意の方向を向くことができます。
@@reference: V.D.バーガー・M.G.オルソン,力学 ‐新しい視点...
続きは、 こちら_
.. _こちら: http://hooktail.sub.jp/mechanics/momentOfIner...
.. _慣性モーメント: http://hooktail.sub.jp/mechanics/mome...
.. _角運動量を持つ系の例: http://hooktail.sub.jp/mechanic...
@@author:クロメル@@
@@accept:2007-05-24@@
@@category:力学@@
@@id:allAngularMomenta@@
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