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=========================================================...
解析力学(ラグランジュ方程式の導出まで)
=========================================================...
始めに
==============
みなさんが高校物理で学んだ力学では、自由落下やバネの運...
ラグランジュ方程式とは,下のように表される式のことです。...
<tex>
\frac{d}{dt}\left(\frac{\partial L}{\partial \dot{x}}\rig...
</tex>
今回の記事では、ラグランジュ方程式の導出までやりたいと...
1. 解析力学の歴史
======================
まずは、解析力学の歴史からです。幾何光学の分野では, 反...
要は、光の直進姓を言っています。光は最短距離を進むとい...
特にこの“何かある積分”を「作用積分」と言います。
簡単に言うと、「フェルマーの原理」で言っている光の直進...
2. 汎関数
==============
解析力学において、特に変分原理を用いて式を表そうとする...
<tex>
I = \int^b_a F(x,y,y')dx \tag{2.1}
</tex>
この時, $I$ は関数 $y$ = $f$ ( $x$ )の汎関数であると言...
少し分かりにくいので例を示します。 下図のような曲線の長...
.. image:: M.T.png
長さは, $a$ から $b$ までとして, 三角形の縦と横はそれ...
<tex>
d L = \sqrt{(dx)^2 + (dy)^2}
</tex>
両辺を $d$ $t$ で割ると
<tex>
\frac{dL}{dt} = \sqrt{\left( \frac{dx}{dt} \right)^2 + \l...
</tex>
よって,$x$ = $t$ とおいて
<tex>
I = \int^b_a \sqrt{1 + (\frac{dy}{dt})^2} \quad dx
</tex>
と表すことができます。特に
<tex>
\left( \frac{dy}{dt} \right)^2
</tex>
をよく $y'$ と表現されることを覚えておきましょう。曲線の...
様々な変化がある中で $L$ の最大・最小を考える手法が「変...
.. important::
汎関数 $L$ は最小値をとるものだと考えます。最小値をとっ...
3.オイラーの方程式
========================
上記の例から, $f$ を( $x$ $y$ $y'$ )の関数と考え,汎...
<tex>
L [y] = \int^b_a f(x,y,y')dx \tag{3.1}
</tex>
ここで,下図のように終始の定点は固定し,経路を少しだけず...
青線を $L$ [ $y$ ],赤線を $L$ [ $y$ + $\delta$ $y$ ]とお...
<tex>
\delta L = \int^b_a f(x + \delta x , y + \delta y + y' + ...
</tex>
<tex>
\delta L = \int^b_a \ \lbrace f(x+dx,y+dy,y'+dy')-f(x,y,y...
</tex>
ここで,カッコの中身は微分方程式の形と考えることができる...
<tex>
df = \frac{\partial f}{\partial y}dy + \frac{\partial f}{...
</tex>
(3.2)と(3.3)より
<tex>
dL = \int^b_a \left\{ \frac{\partial f}{\partial y}dy + \...
</tex>
ここで,部分積分の公式を用いて
<tex>
\int^b_a \left\{ \frac{d}{dx}\left(\frac{\partial f}{\par...
</tex>
(3.5)の恒等式が成り立つためには,中括弧の中身が $0$ であ...
<tex>
\frac{d}{dx}\left(\frac{\partial f}{\partial y'}\right) -...
</tex>
が成り立ちます。この式をオイラー方程式といいます。
見方によっては,オイラー方程式は位置を固定したバージョン...
3.ラグランジュ方程式
==========================
さて,いよいよラグランジュ方程式の導出に入っていきます...
余談ですが,今主流になっているラグランジュ方程式は,位...
物体が静止しているとき,全体として力は,はたらいていな...
<tex>
dW = dr \sum_iF_i = 0 \tag{3.1}
</tex>
つまり,つり合いの状態では任意の微小な変位に対して仕事が ...
ここで,ニュートンの運動方程式を考えてみましょう。ニュ...
<tex>
m\frac{d^2 r(t)}{dx^2} = F \tag{3.2}
</tex>
(3.2)は見方を変えれば(3.3)のようになりますね。
<tex>
F - m\frac{d^2 r(t)}{dx^2} = 0 \tag{3.3}
</tex>
これは,見かけ上,力がつり合っているとみなすことができま...
<tex>
(F - m\frac{d^2 r(t)}{dx^2})dr = 0 \tag{3.4}
</tex>
次に(3.1)の仮想仕事の原理を用いて,最初にハミルトンの変分...
<tex>
dW = \sum_{i=1}^f(F - m\frac{d^2 r(t)}{dx^2})dx_i = 0 \t...
</tex>
この左辺と中辺の作用積分を積分区間[ $t$ $T$ ]での時刻 $t$...
<tex>
dI = \int^T_t dW dt = \int^T_t \sum_{i=1}^f(F_i - m\frac{...
</tex>
(3.6)式のようにできるのは,オイラー方程式を導く際に汎関数...
以下で(3.6)式の中辺を変形していきます。第1項と第2項を...
<tex>
dI_1 = \int^T_t \sum_{i=1}^f F_i dx_i dt = 0 \tag{3.7}
</tex>
<tex>
dI_2 = \int^T_t \sum_{i=1}^f(-m\frac{d^2 r(t)}{dx^2}) = 0...
</tex>
dI 1について
----------------
外力 $F_i$ が保存力であるとすると,ポテンシャル $U$ と...
<tex>
-\frac{\partial U}{\partial x_i}
</tex>
となります。これを(3.7)に代入して
<tex>
dI_1 = \int^T_t \sum_{i=1}^f (-\frac{\partial U}{\partial...
</tex>
カッコの中はポテンシャル $U$ の全微分となっているので
<tex>
dI_1 = -\int^T_t dU dt = 0 \tag{3.9}
</tex>
dI 2について
----------------
<tex>
dI_2 = -\int^T_t \sum_{i=1}^f(m\frac{d^2 r(t)}{dx^2}) = 0
</tex>
部分積分の公式を用いて
<tex>
dI_2 = d\int^T_t \sum_{i=1}^f \frac{1}{2} m (\frac{dx}{dt...
</tex>
ここで,
<tex>
\sum_{i=1}^f(m\frac{dx}{dt}) = T
</tex>
とおくと
<tex>
dI_2 = d\int^T_t T dt = 0 \tag{3.10}
</tex>
<tex>
dI = dI_1 + dI_2
</tex>
なので(3.9), (3.10)より
<tex>
dI = d\int^T_t (T-U)dt = 0
</tex>
ここで
<tex>
T - U = L
</tex>
とおきます。
<tex>
dI = d\int^T_t L dt = 0 \tag{3.11}
</tex>
はい,ここまで長々と式変形をやってきました。結構大変でし...
<tex>
\frac{d}{dt}\left(\frac{\partial L}{\partial \dot{x}}\rig...
</tex>
ちなみにラグランジアン $L$ は,位置・速度・時間の関数で表...
あとがき
================
以上,ラグランジュ方程式を導くところまでやってみました...
(1)ニュートンの運動方程式とすっきりとした対応関係がある...
(2)有用な変分原理は時間を固定するものであること
以上2つの理由から, ハミルトンの原理が現在では使われて...
<tex>
L = T - U
</tex>
という関係式が導かれましたが, 電磁気学や量子力学、熱・統...
今回は以上です。お疲れ様でした。
@@author: m.t@@
@@accept: 2021-12-07@@
@@category: 力学@@
@@id: kaisekirikigaku-m.t@@
終了行:
#rst2hooktail_source
=========================================================...
解析力学(ラグランジュ方程式の導出まで)
=========================================================...
始めに
==============
みなさんが高校物理で学んだ力学では、自由落下やバネの運...
ラグランジュ方程式とは,下のように表される式のことです。...
<tex>
\frac{d}{dt}\left(\frac{\partial L}{\partial \dot{x}}\rig...
</tex>
今回の記事では、ラグランジュ方程式の導出までやりたいと...
1. 解析力学の歴史
======================
まずは、解析力学の歴史からです。幾何光学の分野では, 反...
要は、光の直進姓を言っています。光は最短距離を進むとい...
特にこの“何かある積分”を「作用積分」と言います。
簡単に言うと、「フェルマーの原理」で言っている光の直進...
2. 汎関数
==============
解析力学において、特に変分原理を用いて式を表そうとする...
<tex>
I = \int^b_a F(x,y,y')dx \tag{2.1}
</tex>
この時, $I$ は関数 $y$ = $f$ ( $x$ )の汎関数であると言...
少し分かりにくいので例を示します。 下図のような曲線の長...
.. image:: M.T.png
長さは, $a$ から $b$ までとして, 三角形の縦と横はそれ...
<tex>
d L = \sqrt{(dx)^2 + (dy)^2}
</tex>
両辺を $d$ $t$ で割ると
<tex>
\frac{dL}{dt} = \sqrt{\left( \frac{dx}{dt} \right)^2 + \l...
</tex>
よって,$x$ = $t$ とおいて
<tex>
I = \int^b_a \sqrt{1 + (\frac{dy}{dt})^2} \quad dx
</tex>
と表すことができます。特に
<tex>
\left( \frac{dy}{dt} \right)^2
</tex>
をよく $y'$ と表現されることを覚えておきましょう。曲線の...
様々な変化がある中で $L$ の最大・最小を考える手法が「変...
.. important::
汎関数 $L$ は最小値をとるものだと考えます。最小値をとっ...
3.オイラーの方程式
========================
上記の例から, $f$ を( $x$ $y$ $y'$ )の関数と考え,汎...
<tex>
L [y] = \int^b_a f(x,y,y')dx \tag{3.1}
</tex>
ここで,下図のように終始の定点は固定し,経路を少しだけず...
青線を $L$ [ $y$ ],赤線を $L$ [ $y$ + $\delta$ $y$ ]とお...
<tex>
\delta L = \int^b_a f(x + \delta x , y + \delta y + y' + ...
</tex>
<tex>
\delta L = \int^b_a \ \lbrace f(x+dx,y+dy,y'+dy')-f(x,y,y...
</tex>
ここで,カッコの中身は微分方程式の形と考えることができる...
<tex>
df = \frac{\partial f}{\partial y}dy + \frac{\partial f}{...
</tex>
(3.2)と(3.3)より
<tex>
dL = \int^b_a \left\{ \frac{\partial f}{\partial y}dy + \...
</tex>
ここで,部分積分の公式を用いて
<tex>
\int^b_a \left\{ \frac{d}{dx}\left(\frac{\partial f}{\par...
</tex>
(3.5)の恒等式が成り立つためには,中括弧の中身が $0$ であ...
<tex>
\frac{d}{dx}\left(\frac{\partial f}{\partial y'}\right) -...
</tex>
が成り立ちます。この式をオイラー方程式といいます。
見方によっては,オイラー方程式は位置を固定したバージョン...
3.ラグランジュ方程式
==========================
さて,いよいよラグランジュ方程式の導出に入っていきます...
余談ですが,今主流になっているラグランジュ方程式は,位...
物体が静止しているとき,全体として力は,はたらいていな...
<tex>
dW = dr \sum_iF_i = 0 \tag{3.1}
</tex>
つまり,つり合いの状態では任意の微小な変位に対して仕事が ...
ここで,ニュートンの運動方程式を考えてみましょう。ニュ...
<tex>
m\frac{d^2 r(t)}{dx^2} = F \tag{3.2}
</tex>
(3.2)は見方を変えれば(3.3)のようになりますね。
<tex>
F - m\frac{d^2 r(t)}{dx^2} = 0 \tag{3.3}
</tex>
これは,見かけ上,力がつり合っているとみなすことができま...
<tex>
(F - m\frac{d^2 r(t)}{dx^2})dr = 0 \tag{3.4}
</tex>
次に(3.1)の仮想仕事の原理を用いて,最初にハミルトンの変分...
<tex>
dW = \sum_{i=1}^f(F - m\frac{d^2 r(t)}{dx^2})dx_i = 0 \t...
</tex>
この左辺と中辺の作用積分を積分区間[ $t$ $T$ ]での時刻 $t$...
<tex>
dI = \int^T_t dW dt = \int^T_t \sum_{i=1}^f(F_i - m\frac{...
</tex>
(3.6)式のようにできるのは,オイラー方程式を導く際に汎関数...
以下で(3.6)式の中辺を変形していきます。第1項と第2項を...
<tex>
dI_1 = \int^T_t \sum_{i=1}^f F_i dx_i dt = 0 \tag{3.7}
</tex>
<tex>
dI_2 = \int^T_t \sum_{i=1}^f(-m\frac{d^2 r(t)}{dx^2}) = 0...
</tex>
dI 1について
----------------
外力 $F_i$ が保存力であるとすると,ポテンシャル $U$ と...
<tex>
-\frac{\partial U}{\partial x_i}
</tex>
となります。これを(3.7)に代入して
<tex>
dI_1 = \int^T_t \sum_{i=1}^f (-\frac{\partial U}{\partial...
</tex>
カッコの中はポテンシャル $U$ の全微分となっているので
<tex>
dI_1 = -\int^T_t dU dt = 0 \tag{3.9}
</tex>
dI 2について
----------------
<tex>
dI_2 = -\int^T_t \sum_{i=1}^f(m\frac{d^2 r(t)}{dx^2}) = 0
</tex>
部分積分の公式を用いて
<tex>
dI_2 = d\int^T_t \sum_{i=1}^f \frac{1}{2} m (\frac{dx}{dt...
</tex>
ここで,
<tex>
\sum_{i=1}^f(m\frac{dx}{dt}) = T
</tex>
とおくと
<tex>
dI_2 = d\int^T_t T dt = 0 \tag{3.10}
</tex>
<tex>
dI = dI_1 + dI_2
</tex>
なので(3.9), (3.10)より
<tex>
dI = d\int^T_t (T-U)dt = 0
</tex>
ここで
<tex>
T - U = L
</tex>
とおきます。
<tex>
dI = d\int^T_t L dt = 0 \tag{3.11}
</tex>
はい,ここまで長々と式変形をやってきました。結構大変でし...
<tex>
\frac{d}{dt}\left(\frac{\partial L}{\partial \dot{x}}\rig...
</tex>
ちなみにラグランジアン $L$ は,位置・速度・時間の関数で表...
あとがき
================
以上,ラグランジュ方程式を導くところまでやってみました...
(1)ニュートンの運動方程式とすっきりとした対応関係がある...
(2)有用な変分原理は時間を固定するものであること
以上2つの理由から, ハミルトンの原理が現在では使われて...
<tex>
L = T - U
</tex>
という関係式が導かれましたが, 電磁気学や量子力学、熱・統...
今回は以上です。お疲れ様でした。
@@author: m.t@@
@@accept: 2021-12-07@@
@@category: 力学@@
@@id: kaisekirikigaku-m.t@@
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