#rst2hooktail_source ============================================================ 我が国における気候景観と気温以外の経年変化について ============================================================ 1.気候景観について --------------------------------------- 私は結婚して新潟に嫁いだので、新潟と東京との違いを気候景観から述べたいと思う。 まず信号機。新潟のものは豪雪を予定して縦に組まれている。 一番上は赤。事故が起きないように赤の「止まれ」が一番大事だということだ。 また民家は一階がガレージで玄関は二階。住居部分は二階三階にまで及ぶ建物が多い。 そして雪下ろし対策を考えて、屋根の形は斜めにスライドして雪が落ちる仕掛けになっている。 この雪下ろし対策はスライド式のもの、灯油であたためて落とすもの、電気のもの、さまざまある。 そして気になるのがかまぼこ型の車庫だ。これは新潟全県でみられる特色ある建物で、 住居の隣の倉庫などに用いられている。赤い屋根のものも多い。雪が白いからだろうか? なかには住居にあたたかい暖色系の色の壁の家も目立った。 北欧などと一緒で、冬の寒い時期にあたたかい暖色系の色だと心が落ち着くのだろう。 ほかにも雪と共に暮らす人々には様々な工夫がある。 冬はガレージの中に灯油の大きなタンクを用意して、常に灯油を補充しておくし、 冷凍庫も完備して常に雪に封じ込められて買い物に行けない不自由のことを考えている。 バス停などはどこも屋根があり、これも雪の中でも待っていられるような対策だと思う。 一時間に一本程度しかバスがないので、屋根は必須なのだろう。 また雁木づくりのアーケード(商店街)には流雪溝というものがある。 屋根にたまった雪を排雪するための施設だ。 これがあることによって、雁木づくりが生きてくる。 流雪溝は、自然の流水の運搬作用を利用して雪の塊を流して排雪するための施設で、 人力や機械による流雪溝への雪の投入作業が伴ってはじめて効果が発揮されるものだ。 既成市街地においては、家屋が密集しているにもかかわらず、道路幅員の狭い所がたくさんある。 このような地域では、屋根雪処理も含めて除雪した雪を処理しなければならないが、 機械による除排雪には交通規制が伴い困難を極めるので、 仮に消雪パイプが設置されていたとしても、それだけではとても処理しきれない状態になってしまう。 このようなことから、家屋が密集する市街地内にある道路の除排雪対策として、 流雪溝はたいへん有効な施設ということになってくる。 新潟などの豪雪地帯においては、雪が降ることで仕事を得られる人々もいる。 土木の人々だ。彼らは冬に雪かきの仕事をしなくてはならない。 よって雪が多いほうが仕事の発注にもつながりやすい。 ひとえに雪が少ないほうがいいと望むのも雪と共に暮らす人々にとっては酷な話なのである。 2.気温以外の経年変化について ----------------------------------------------- 私たちの地球は温暖化によって気温の変化に例年さらされている。 気温以外の変化といえば、オゾン層の破壊が気になる。 こちらはフロンガスの影響によるものだ。また紫外線が年々強くなってきており、 これらも大気汚染やオゾンホールの破壊が関係している。 また新しいものではPM2.5などの話題によってマスクをする人々がとても増えたことがあげられる。 また花粉症も年々患者が増えているという。花粉も飛散する花粉量の増加が問題とされている。 ではなぜ花粉やPM2.5の飛散が年々増加しているのか? これも大気汚染と関係している。少し深く掘り下げてみたい。 PM2.5は、大気中に浮遊している直径2.5μm以下の非常に小さな粒子である。 PMとは「Particulate Matter(粒子状物質)」の頭文字をとったもので、 工場や自動車、船舶、航空機などから排出されたばい煙や粉じん、硫黄酸化物(SOx)などの 大気汚染の原因となる粒子状の物質のことを指す。粒子状物質の主な発生源として、 ボイラーや焼却炉などばい煙を発生する施設や、 鉱物の堆積場など粉じん(細かいちり)を発生する施設、自動車、船舶、航空機、 土壌、海洋、火山の噴煙など自然由来のもの。 また喫煙や調理、ストーブの使用など家庭のものなどこれらのガス状物質が大気中で、 光やオゾンと反応しPM2.5が生成される。 PM2.5は、粒子の大きさが非常に小さいため、肺の奥深くにまで入り込みやすく、 喘息や気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させると考えられている。 PM2.5の濃度が上昇するのは春。花粉と同じである。 1日平均値70μg/m3で健康影響の可能性が日本国内のPM2.5の濃度は、 従来から取り組んでいる工場・事業場などのばい煙発生施設の規制や、 自動車排出ガス規制などによって年間の平均的な濃度は減少傾向にある。 ただし、PM2.5濃度は季節による変動があり、例年、3月から5月にかけて濃度が上昇する傾向がみられ、 また、地域によっても差がある。対策としては不必要な外出はなるべく避け、マスクを着用し、 注意喚起が呼びかけられている行政のホームページやスマートフォンの天気アプリなどで、 PM2.5の情報をまめにチェックしたい。 また大気汚染においては、なるべく公共の乗り物に乗るようにして、 自家用車の運転を避け、環境にやさしい個人からはじめられる取り組みを行ってゆきたいと思う。 たとえば髪にブローする際にフロンガスの入ったヘアスプレーは使わないとか、 精密機器の掃除のときにフロンガス入りのエアダスターは用いないなど、 自分でも最小限だができる取り組みはあると思う。 私たちは地球のためにもう少し寄り添えるのではないだろうか。 @@author:きり@@ @@accept:2019-12-10@@ @@category:地理学@@ @@id:geoclimate@@