#rst2hooktail_source ============================================================ ブックエンドはなぜ倒れないか ============================================================ みなさんは、机の上に本を立てて並べたことはありませんか? L字型のブックエンドを使わないとすぐ倒れてしまいますよね。 今回は、なぜブックエンドをつかうと本が倒れないかを考えてみます。 モデル化 ================== .. image :: chromel-bookEnd-01-t.png ブックエンドの重心を図の様に $(x,y)=(r \cos \theta,r \sin \theta)$ と置きます。 左側に倒れない為には、 $ \theta $ が微小量 $d \theta$ だけ増えた時、 重心の位置のポテンシャルエネルギー $U$ に対し、 $\dfrac{dU}{d \theta}>0$ であれば大丈夫です。 ここで $U = mg r \sin \theta $ ですから、 <tex> \frac{dU}{d \theta} = mgr \cos \theta > 0 \tag{##} </tex> <tex> 0 \leq \theta < \dfrac{\pi}{2} </tex> ならば、倒れないことになります。θの値がゼロに近ければ近いほど、つまり、ブックエンドの底面が長ければ長いほど、 倒れにくくなります。 逆にブックエンドを使わない時には、 $ \theta \sim \dfrac{\pi}{2} $ かつ、 $ \dfrac{d U}{d \theta} \sim 0 $ ですから、 倒れてしまうことになります。 通常の環境では、本の重心が持ち上がることはないので、 何がブックエンドの良さを決めるかというと、 それは、机との摩擦の大きさです。 つまり、ブックエンドは傾くことはないですが、滑って本が倒れることの方が起きやすいのです。 それでは、今日はこの辺で。お疲れ様でした。 @@author:クロメル@@ @@accept:2011-05-17@@ @@category:力学@@ @@id:bookEnd@@