星空を見るためのプラネタリウムソフトはたくさんありますが、ここでは自分で星空を描いてみたいと思います。
以下から全天の星についての情報が書かれているカタログ(データファイル)を入手します。 カタログ本体は catalog.dat.gz です。
ftp://dbc.nao.ac.jp/DBC/NASAADC/catalogs/5/5050/
これは Bright Star Catalogue 第5版です。 全天の肉眼で見える程度の星に関する情報が約9000個ほど記載されています。
ダウンロードしたファイルは圧縮されていますので、解凍コマンドを使って解凍します。
gunzip catalog.dat.gz
解凍するとデータファイル catalog.dat ができています。
データファイルの中身は以下のようになっています。
1 BD+44 4550 3 36042 46 000001.1+444022000509.9+451345114.44-16.88 6.70 +0.07 +0.08 A1Vn -0.012-0.018 -018 195 4.2 21.6AC 3 2 BD-01 4525 6128569 235956.2-010330000503.8-003011 98.33-61.14 6.29 +1.10 +1.02 gG9 +0.045-0.060 +014V 3 33 PscBD-06 6357 281285721002I Var? 000013.0-061601000520.1-054227 93.75-65.93 4.61 +1.04 +0.89 +0.54 K0IIIbCN-0.5 -0.009+0.089 +.014-006SB1O < 17 2.5 0.0 3* 4 86 PegBD+12 5063 87 917012004 000033.8+125023000542.0+132346106.19-47.98 5.51 +0.90 G5III +0.045-0.012 -002V? 5 BD+57 2865 123 21085 61 V640 Cas 000101.8+575245000616.0+582612117.03-03.92 5.96 +0.67 +0.20 G5V +0.263+0.030 +.047-012V 0.8 1.4 * 6 CD-4914337 142214963 W 000108.4-493751000619.0-490430321.61-66.38 5.70 +0.52 +0.05 G1IV +0.565-0.038 +.050+003SB 5.7 5.4 * (以下略)
カタログには星空を描くために必要な情報以外のものも記載されていますので、必要な情報だけを取り出しましょう。 星空を描くために必要な情報は以下です。
カタログは一行につき一天体のデータになっています。 星空のプロットには以下のデータを使用します。
Bytes | 説明 |
76-77 | 赤経 時 |
78-79 | 赤径 分 |
80-83 | 赤径 秒 |
84 | 赤緯 角度の符号 |
85-86 | 赤緯 度 |
87-88 | 赤緯 分 |
89-90 | 赤緯 秒 |
103-107 | 明るさ (等級) |
110-114 | 色 (等級) |
上記のデータを抜き出す方法はいくつかありますが、ここでは awk というツールを使います。 以下を crop.awk というファイル名で保存してください。
{ RA_hour = substr($0,76,2); RA_min = substr($0,78,2); RA_sec = substr($0,80,4); DEC_deg = substr($0,84,3); DEC_arcmin = substr($0,87,2); DEC_arcsec = substr($0,89,2); Vmag = substr($0,103,4); B_V = substr($0,110,4); print RA_hour, RA_min, RA_sec, DEC_deg, DEC_arcmin, DEC_arcsec, Vmag, B_V }
これをコマンドライン上から次のようにして実行します。
awk -f crop.awk catalog.dat > crop.dat
実行すると、crop.dat というファイルができているはずです。このファイルの中身は次のようになっています。
00 05 09.9 +45 13 45 6.7 +0.0 00 05 03.8 -00 30 11 6.2 +1.1 00 05 20.1 -05 42 27 4.6 +1.0 00 05 42.0 +13 23 46 5.5 +0.9 (以下略)
第一から第三列が赤径、第三から第六列が赤緯、第七列が明るさ(等級)、第八列が色(B-V)です。
まずは全天プロットしてみることにします。
set term postscript eps enhanced colour
# define convert functions RA2POS( hour, min, sec) = hour + min/60.0 + sec/60.0/60.0 DEC2POS( deg, arcmin, arcsec) = deg + arcmin/60.0 + arcsec/60.0/60.0
set size square set xlabel "RA" set ylabel "DEC" set xrange [24:0] set yrange [-90:90] set output "plot01.eps" plot "crop.dat"\ using (RA2POS($1,$2,$3)):(DEC2POS($4,$5,$6))\ notitle\ with points pt 13 ps 0.3
以上を plot01.gp というファイルに保存してください。コマンドライン上から
gnuplot plot01.gp
とすると plot01.eps というファイルができているはずです。