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これは,rst2hooktail を利用して物理のかぎしっぽの記事を書くためのチュートリアルです.
rst2hooktail とは,物理のかぎしっぽスタイルの記事を,だれでも簡単に制作するため,COさんの手によって開発されたツールです.一般にホームページのページを制作する,というのは少々大変です.大変と言っても,ごく簡単なものなら簡単なのですが,人のスタイルに合わせる,というのは大変です.さらに数式を入れようものなら,それはもう繁雑な作業です.
しかし私たちには rst2hooktail がついています.少しのルールと rst2hooktail を用いることで,美しい数式,統一されたスタイルの記事を,特に意識せず簡単に書くことが可能になります.
このチュートリアルは,ホームページ制作に関してゼロからの知識で,物理のかぎしっぽ スタイルの記事を書けるようにするものです.このチュートリアルによって,物理解説記事の素敵なアイディアを持ったプロジェクトメンバーが,滞りなく記事を作成できることを願います.
最初にすることは,もちろん rst2hooktail の威力を体験することです.まず,サンプルソース
をお手元のパソコンに保存してください.中身もちょっと見てみてくださいね.
そして,ツールを実行することができる下記ページに行きましょう.そのページの上の方にある「参照...」ボタンを押して今ダウンロードしたソースを選び,右の「CONVERT」ボタンを押してみてください.さあどうぞ.
どうですか.やってみましたか.
物理のかぎしっぽ で見慣れたスタイルのページが表示されたと思います.数式も表示されています.すばらしい! これは,実は大変なことなのです.同様の出力を rst2hooktail を用いずに得ようとすると,数ステップ掛かります.手作業ではちょっとばかし時間が掛かり大変なのです.そんな繁雑な作業を,rst2hooktail はたった一つのステップで行ってくれる,エクセレントなツールなのです.
一つの記事を書くため,必要最低限必要なのは「章立て」です.
必ず必要なのは「タイトル」です.これは
============================= タイトル =============================
のように記述してください.一つの文書に対し,タイトルは一つだけです.
つぎに,多くの場合は節も必要です.これは
節 ----------------------------
のように記述してください.節は一つの文書にいくらあっても構いません.
節をさらに分けるのが小節です.これは
小節 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
のように記述します.さらに詳しくはreStructuredTextのページをご覧ください.
数式を用いずに物理の話をする,という行為は極めて困難でしょう.物理では,数学は話を簡単にするために,道具として組み込まれています.その大切な道具を手放す訳にはいきません.しかし,数式をノートに鉛筆で書くのは(物理的に)簡単ですが,コンピュータを使って書くのは大変ですよね.Wordで数式を書くのに四苦八苦された方も多いでしょう
それを解決する究極的手段は,TeXというツールを用いることです.
しかしTeXで文章や数式を書くためには,それを使える環境を整備しなければなりません.ホームページの記事をちょっと書きたいだけなのに,数式用のソフトをインストールしたり設定をしなければならないなんて,そんなの面倒でナンセンスですよね(もちろん,長期的にみればいいことですよ).
でも大丈夫,心配はいりません.私たちには rst2hooktail がついているんだから rst2hooktailにはTeXの数式処理が組み込まれているのです.
それでは,rst2hooktail での数式の書き方を説明しましょう.
文中に数式を書く場合,
運動方程式は $ma=F$ と書かれる.ここで $m$ は物体の質量である.
のように数式部分を $ と $ で括ります.括られた部分は数式であると処理されることになっています.
独立した数式は
<tex> ma=F </tex>
と <tex> と </tex> で括って表記します.
数式の後ろに (1) などの番号を付けたい場合
<tex> ma=F \tag{1} </tex>
のように
\tag{番号}
を記述します.「\tag{ }」の中身は「*」などの記号を用いることもできます.
複数行に渡る数式の場合は
<tex> 0.5 &= \alpha e^{-\gamma \cdot 0}\\ &= \alpha e^{0}\\ &= \alpha \cdot 1 </tex>
のように,位置合わせをしたい部分に
&
を,改行したい部分に
\\
を記述します.これら「&」と「\\」は数式としては表示されません.この例では数式が3行に渡り,「=」の部分で揃えられることになります.
ベクトルは 太字 + 斜体 で表します.これは
\bm{a}
などとして記述します.この例では「a」が 太字 + 斜体 になります.
いくつか注意点があります.必ず守ってください(守らなければエラーになります).
これらを守れば、あなたの記事にも美しい数式を入れることができます
直感的理解には,図が大変役立ちます.できることなら,要所々々には図を挿入しておくと親切です.
rst2hooktail で図を入れる場合,
という手順で行います.例えば fig1.png という画像を入れるには,rst2hooktail のページで fig1.png をアップしておき,記事ソースの図を入れたい箇所に,
.. image:: fig1.png
という記述をします.
.. image::
というのが,図を入れるための命令です.その後ろに,挿入したい画像のファイル名を書いておきます.これで記事に図が入り,言葉ではやりにくい説明が可能になります.
図を挿入するには,まず画像をサーバにアップロードしなきゃいけない訳ですが,一つ注意が必要です.それは
という点です.ですから,他の人とは違うファイル名をつけなければなりません.そこで,自分の名前(ハンドル名)を付ける約束にしましょう.たとえば
sakima-rotatematrix-fig1.png
のように
名前-記事名-番号.拡張子
という規則で名付けておけば,自分でも混乱してくてすむでしょう.
逆に,図を修正して上書きしたい場合は,同じファイル名でアップすればよろしいです.
記事を作成するときには文献を参考にしたり、文献から引用したりするでしょう。 また、インターネット上のウェブページを参考にすることもあるでしょう。 このように何かを参考にして記事を書いた場合、「参考文献」として載せましょう。
参考文献の書き方にはいくつか種類があります。 いずれも次のようなタグを 記事の最後 に埋め込んでおきます。
ウェブページを参考にした場合 (URLのみ)
@@reference: www12.plala.or.jp/ksp/index.html@@ ( http:// はつけないことに注意してください )
ウェブページを参考にした場合 (URL,タイトル)
@@reference: www12.plala.or.jp/ksp/index.html,物理のかぎしっぽ@@ ( http:// はつけないことに注意してください )
書籍(文献)を参考にした場合( 著者, 題名, 出版社, 出版年, ページ)
@@reference: 山田太郎, 楽しい物理, かぎ出版, 2004, 190-220@@
書籍(文献)を参考にした場合( 著者, 題名, 出版社, 出版年, ページ, ISBN)
@@reference: 山田太郎, 楽しい物理, かぎ出版, 2004, 190-220, 2819393448@@ ※ ISBN コードを書くと、amazon.co.jp にリンクがはられます。
それぞれのフィールドを区切るカンマは半角であることに注意してください。 フィールドを空にする場合でも、カンマは必ず打ってください。
ISBN(International Standard Book Number)とは,書籍の裏などに書かれている10桁の書籍番号のことです.ISBN は国際的な規格ですので,これが分かれば世界中から一つの本を特定することができます.
ISBNの探し方ですが,書籍を持っている場合は本の裏のほうをみましょう.書いてあると思います.手元に書籍がない場合 amazon などで書籍名や著者名で検索をかけてください.
ISBNはハイフン(-)で区切ってある場合がありますが,記事ソースの参考文献に記述する場合,ハイフンを取り除いて数字のみ記述してください.
amazon の検索結果の下のほうに、書籍の詳細が載っています。そこに ISBN も載っています。図を参考にして探してみてください。
作成した記事には自分がつくったという署名をいれたいですよね。 また、いつ作ったのかも記録しておくと便利です。 そんなときは次のような行を 記事の最後 に埋め込んでおきます。
@@author: 著者名@@ @@accept: YYYY-MM-DD@@
こうしておくと、記事のフッタ部分に著者名と初版日が挿入されます。 更新日は自動で記録されます。
例を示しておきましょう。
@@author: 山田 太郎@@ @@accept: 2004-01-01@@
作成した記事には、ぜひ署名をしてくださいね。