ニュートン †
メッセージ †
ニュートン自身は錬金術や魔術にも凝っていて、現代的な意味での科学的精神をもっていたとは思えないのですが、どうなんでしょうか。むしろ、彼は物理や数学の美しさを通じて、神様の作った世界の整合性を示そうとしていたように思います。どんな資料を参考にされましたか？
返答 †
- Johさん、ご指摘ありがとうございます。私が参考にしましたのは「砂川重信著：物理の考え方１ 力学の考え方、岩波書店」です。「魔女裁判」のあたりは、これに書いてあったことを内容は変えずに私なりの言葉で書き換えてみたのですが、ニュートンが錬金術等に凝っていたとは知りませんでした。この部分の参考文献で手元にあるのがこの本だけですので、今は私は何とも申し上げられないのですが、この内容はもしかしたら砂川先生の仮説のようなものなのでしょうか？ -- トミー
- 場合によっては「ニュートンは錬金術等に凝ってはいたが、科学的精神を大切にしていた可能性もある」といった断定しない記述に変えようと思います。 -- トミー
- 明日、大学の図書館で参考文献を探してきます。 -- トミー
- ニュートンが遠隔作用の考え方を用いたのは、恐らく占星術の考え方が裏にあったからだと私は考えています。
「遠くの星が我々、地上の人間に影響をしている（占星術）」
→「遠くの星々が、離れた場所に影響を与えるのも当然のこと」
当時、機械論・近接作用論こそが新しく素晴らしい考え方だと信じられていたので、遠隔作用の立場はどこか魔術めいた・嘘くさいものと見られていたのだと思います。
近代科学の扉を閉めないように…どころか、当時の人にとって前時代へと逆行する考え方のように目に映ったろうと思います。だって、神とか精霊とかが持ち出されていたのは“なぜ遠く離れた場所へ力が働いているのか”の理由づけをするときでした。せっかく機械論と近接作用論で神や精霊を排除したのに、いまさら遠隔作用なんて持ち出してきてなに考えてんだよ?!と、大陸の科学者たちは思っただろうと想像しています。
遠隔作用論は前時代を彷彿とさせる発想だけど、前時代とはっきり異なっていたのは「“なぜ力が働くのか”その理由については考えないことにしよう」という立場だと思います。 -- 山本明
- …実は私も“ニュートンが魔女裁判等の影響を考えて”のくだりには違和感を覚えました。とはいえ、科学史については解釈や立場がいろいろあるのだと思います。厳密な内容を求めていくとなにも書けなくなるでしょうし、ほどほどでよいんじゃないかと思います。いまのままでもいいと思うし、もし手を入れるならそれでもいいかな、と。長くても良ければ、山本義隆さんの「磁力と重力の発見」が面白いですよ。 -- 山本明
- 科学的精神というのが何かというのは、時代のパラダイムのようなものですので、比較は難しいですね。例えば、なぜ重力が距離の-2乗に比例するのかというと、当時の観測技術では、-1.99乗や-2.01乗との区別はつかなかったはずなのに「神様が変な小数でこの世の法則を書くはずがない！」という、神学的な"信念"が背後にあったのだと言われています。(コペルニクスが、プトレマイオスの天動説を覆したのも、観測結果による現代的意味での科学的反証ではなく、「より美しい説明が可能」だからという、極めて神学的な理由だったそうです。)日本語だと、村上陽一郎先生の本なんかを読むと、こういう話がたくさん出てます。まぁ、科学哲学の頁ではないし、本当のことは誰もわからないのですから、そんなに考証しなくてもいいのかも知れません。僕のよくやる手ですが、ニュートンの魔術的・宗教的側面は、註で補足したらどうでしょう？ -- Joh
- 山本さん、Johさん、アドバイスありがとうございます。教えていただいた文献等を参考に、もういちどよく検討します。現段階で考えている表記方法は��Johさん推薦の注釈にする�∨槓犬忙弔垢�、今のような断定した書き方でなく、「現代の学者の中にはこんな見方をする人もいる」という風に書く、の２通りです。訂正しました際には、再度ご指摘お願いいたします。 -- トミー
- 「吉仲正和著：ニュートン力学の誕生、サイエンス社」を読んでみました。ここにはニュートンが書いた手紙等から、彼の考えていたことを探るという試みがなされていますが、どうやらニュートンは「時間と空間は、神の存在によって構成されている」という考えを主張していましたが、万有引力に関しては、魔術的・奇蹟的なものではないと考えていたようです。その理由は、そのように考えることは彼自身の科学の方法に反するからだ、とこの本には書いてあります。 -- トミー
- 砂川先生はこの辺りを大幅に省略して本を書かれたので、少し偏ったニュートンの印象を与えてしまっているのではないかなと思いました。 -- トミー
- 私自身、知らなかった時代背景でしたので、面白そうだと思い「魔女裁判」の辺りを記述してみましたが、少し調べてみると、この話は哲学的な話にまで及んでいて用語も難しく、読む気をなくすような文章になってしまうので省略しようかと思い始めています。省略して何ら問題はないと思うので。いかがでしょうか。ご意見をお聞かせください。 -- トミー
- 私は、ニュートンの魔術的側面も面白いと思っているので、省略は勿体ない気がします。ニュートンはもちろん偉大な科学者ですが、その科学的な側面と魔術的側面は、必ずしも当時の感覚では相反するものではなかったのだと思います。現代的な見方で全部を捉えようとすると、"意外"な感じがするだけです。現代への影響という視点だけで考えれば、現在の科学観も少なからずニュートンに負っている部分があるわけで、その点に関しては異論はありません。歴史が好きなもので、突っ込んでしまってすみません。本筋ではないので、別に何でもいいと思いますが、歴史や科学史にも興味を持てるような、幅の広い書き方をして頂けると良いと思います。トミーさんも科学史に少し興味を持って下さったのなら、嬉しい限りです。 -- Joh
執筆中/遠隔作用・近接作用(トミー著)/2 のバックアップ(No.13)
