実用的な問い? †
メッセージ †
執筆おつかれさまです。読んでいて、分からなかったのは、次の問い
「ある温度の半導体で伝導電子やホールは何個あるか」という実用的な問い
が、どのように実用的な問いなのか分かりませんでした。この気持ちが分かるのは、固体物理学を学んだ人だけのような気がします。
こういう部分が統計力学でしか記述できない部分なんですよね?
はじめて知りました。他にも熱力学で扱えなくて、統計力学なら
扱えるものってあるのでしょうか?
あと、気になった部分として、次の記述があります。
>熱力学では系のエネルギーを考えるとき各分子1個がどのくらいのエネルギーを持っているかということは問題にせず,平均値だけを考えます. 1000Jのエネルギーを持った系が100個の粒子で構成されているなら,100個の粒子全てがみんな等しく10Jのエネルギーを持っていると考えます.
第1文を信用する限り、第2文のように、熱力学で考える必要は無いように思えます。なぜならば、熱力学は平均値しか相手にしないからです。なぜ個々の粒子の性質まで予言できるのでしょうか?
返答 †
- 査読ありがとうございます。キャリア数のどの辺が実用的かということですが、電気素子として半導体は日常のなかで非常に多く使われています。 -- おぼれメタル
- キャリア数は電気素子が定量的にどう振舞うかを決めている大きな要素なので、工業的に素子や集積回路の設計をするときの助けになっているはずです。このほかに統計力学でしか答えられないことというと、僕が知らないだけかもしれませんが、ボーズアインシュタイン凝縮を熱力学で扱ったという話は聞いたことがないのでこれを含めてもいいかもしれません。熱力学の平均値のところは確かに変なことになってますね。平均値だけを考えるというよりは、全ての粒子が平均値をとっている、というつもりで書いていました。 -- おぼれメタル
- うーん、ホールの数の勘定の仕方って、ぴったり平均値にいるようなものは少ないと思うので、分散の大きさを見て、そこから平均値からある範囲より外にいる状態を数えるということでしょうか?記事の方も、一般論を展開しているという風でもないので、分からないのですが。 -- わたなべ
- ボース=アインシュタイン凝縮自体、統計力学的な相転移の分類だと思います。熱力学的には2次相転移とか、そういう分類の仕方になると思います。もちろん「ボース粒子をたくさん集めて、温度を下げていきました。粒子は互いに相互作用しないとして、マクロに見て、質的な変化は起こるでしょうか?」という問いには統計力学と量子論を使わないと分からないですね。 -- わたなべ