ざっと読みました。 †
メッセージ †
ざっと読みました。いくつか気になることがあったのですが、とりあえず間違いと思われるところを一点。
「禁制帯幅ほどのエネルギーを電子に与えるには,とても大きな電界が必要になります.つまり,とても大きな電圧をかけなければならないわけです.導体の場合と比べて,同じ電流を流すのに(2)の方が大きな電圧を必要としますよね?このようにして,導体と絶縁体・半導体の抵抗率の違いが生まれます.」
というところですが、電圧によって電子が伝導帯に遷移することはありません。電圧による効果はバンドの傾きに現れるだけです。エネルギーは熱や光によって与えられます。だから大きな電圧で電子が励起され、電流が流れるというのは間違いです。
返答 †
- ご指摘ありがとうございます。確かに、熱や光によって電子はエネルギーを得ますが、電界からもエネルギーを得ると思うのですが。熱によるエネルギーを考えた場合、電子の存在がフェルミ準位で単純に分かれなくなるため、話がややこしくなると思い、あえて言及しませんでした。エネルギーに関して、私の考え、間違っているでしょうか?? -- 篠原
- 「通常は電界から得るエネルギーで禁制帯を飛び越えることは出来ない」と言う説明なんかはいかがでしょうか?やはり、熱により若干のキャリアが存在していることを説明したほうが良いと思いますか?? -- 篠原
- 金属のところで、電子は電界から受けた力で運動し、運動エネルギーの分だけ準位があがる。と書いてありましたが、では電子が動けない半導体や絶縁体でどのようにしてエネルギーが与えられるのでしょうか? -- NOBU
- 電界から禁制帯を飛び越えるほどのエネルギーを得ることが出来ないから、高い抵抗率になるのだと認識しております。仮に、耐圧など他の問題を考えない場合、とっても大きな電界をかけると禁制帯を飛び越えるほどのエネルギーを電子が得ることは可能ですよね。また、動き出すのが先か、エネルギーを得るのが先か、と言う議論は意味がないと考えます。動けないからといって、電界からエネルギーを得ることが出来ないとは限らないと考えるのですが。 -- 篠原
- 電界によってバンドが大きく傾き、高くなったところの価電子帯と低くなったところの伝導帯の高さがほぼ同じになったとき、価電子帯の電子が禁制帯をトンネルして伝導帯へ移り電流が流れることはありますが、大きな電圧によってエネルギー準位が上がるということはないと思います。もし電圧に比例したエネルギーだけ準位が上がるとなると、その量は何の値に対応するのでしょうか? -- NOBU
- 導体では電界からエネルギーを受けて準位が少しあがります。絶縁体型バンド構造においても、電界からエネルギーを受けて準位が上がることは十分考えられると思うのですが。その間の禁制帯の有無に関係なく。ただ、禁制帯幅が大きい場合、伝導帯へ励起される確立は急速に少なくなるでしょうが。もちろん、ご指摘のとおり、そこまで電圧を上げるまでに、トンネル効果による電流のほうが急速に増えることが予想されます。 -- 篠原
- 「電界による励起はあり得ない」という意見に反対していたのですが、現実的に考えると、熱励起によるキャリアの移動による抵抗率への関与のほうが大きく、その説明を加えたほうが妥当と考えました。その説明を加えることにします。(ただ、風邪を引いていて頭が痛いので、更新はまた今度で・・・。)ただ、今でも「電界による励起はあり得る」と考えています。しかし、これ以上ここで議論しても仕方ないので、もし議論するのであれば掲示板で。とりあえず、記事を修正しますので、また後ほど、修正した記事の確認をお願いいたします。(私は、議論することは好きなので、議論にはいつでも参加いたします♪楽しかったです。NOBUさんありがとうございました。) -- 篠原
- 熱エネルギーによる励起の説明に修正しました。 -- 篠原
- 文章だけの議論をしていると、たまに相手に不快感を与えていないかなど、気になってしまいます。なので、そのようにpositiveにとって頂けるとうれしいです。こちらこそありがとうございます。僕ももう少し復習して論理的にきちんと説明できるようにしたいと思います。またこのような議論をすると理解が深まるので良いですね。文章の方はまだ読んでいないのでしばしお待ちを。 -- NOBU
- 掲示板で議論ということでしたが、僕は電界によってエネルギーが与えられるという内容を記事にすることに反対ですので、ここに書かせて下さい。考えてみたのですが、やはり電界の効果によって、エネルギー準位が上がるということはないと思います。電圧をかけた効果はバンドの曲がりの効果に現れ、その結果電子は加速して運動エネルギーを持ちその分だけ準位が上がる。というのは納得いきますし、その通りだと思います。篠原さんは、半導体や絶縁体でも電界からエネルギーを受けて準位が上がることは十分考えられる、という見解なのですが、いったいどのようなメカニズムを考えているのでしょうか?速度の変化は基本的に連続で、散乱によって減速されるのみです。なので速度が不連続に大きくなって、バンドギャップを飛び越えるということはないと思います。 -- NOBU
- 速度の変化が散乱によって減速されるのみと書きましたが、フォノンとのカップリングによってエネルギーをもらうこともあるようです、そこに関しては間違いです。申し訳ないっす。 -- NOBU
- 以下のHPによる表現とが私の考えとほぼ同じです。つまり、通常はバンドギャップほどのエネルギーを電界から受け取れないため、電子が伝導帯に励起されない、と言う考え方。 -- 篠原
- http://www.nep.chubu.ac.jp/kisokarano_butsurigaku/18.pdf -- 篠原
- 「速度が離散的になるため、電界から加速されることはない」と言うことに関しては、次のように反論します。電子を「速度を持った粒子」であると考えている自体が「古典的なイメージ」によるものであり、このように考えること自体、査読/7で私が述べている「イメージしやすく」解釈しているものであります。本来は量子力学に従い、電子は波動関数で記述されるため、本来「速度」という概念は通用しません(もちろん、群速度/位相速度などはありますが)。クローニッヒペニーモデル等を用いて電子の波数とエネルギーの関係を求めた場合、エネルギーは離散的になりますが、波数は連続的に変化することが出来ます(もちろん、第一ブリルアンゾーンのみでしか、意味を成しませんが)。すなわち、たとえエネルギーが離散的になっていても、電界からエネルギーを得ることが出来ると考えるのですが。 -- 篠原
- 確かに粒子として速度を考えるのは意味がないかもしれませんね。とりあえず僕が知りたいのは篠原さんの考えているメカニズムです。いったいどういう相互作用をして電界が電子にエネルギーを与えると考えているのですか。 -- NOBU
- どのようなメカニズムで電界が電子にエネルギーを与えているのか、本当は私もよくわかりません。記事では電界による運動エネルギーの増加による説明をしていましたが、ポテンシャルの増加によるものもあるでしょう(あえて言及していませんが)。ただ、導体中で電子が電界からエネルギーを受けていることは明らかで、それと同じメカニズムで絶縁体、半導体中でもエネルギーを受けていると考えられます(もちろん、禁制帯を飛び越えられないため、実際に受け取ることは普通出来ませんが)。 -- 篠原
- 電界の単位はエネルギーではないので、電界がエネルギーを与えて電子が励起すると言われると疑問に思ってしまいます。電界の作るポテンシャルの効果によってエネルギーが変化するのではないでしょうか? -- NOBU
- このあたりのことを僕ももう少し勉強してみますので少々お待ちください。それにしても篠原さん、学部3回生でありながら良く勉強されてますね、感服いたします。博士課程の身としては自分の勉強不足が少し恥ずかしいっす。 -- NOBU
- 私が今学んでいる半導体工学の分野では、電子を粒子として考え、電界による加速による運動エネルギーとして考えています。ただ、確かボーアのモデルにおいては、エネルギー準位を原子とのポテンシャルエネルギーと、円軌道を回る運動エネルギーの和として求めていたと思います(ちょっと自信ありません)。これを考えると、電子を粒子で考えた場合、電子の運動エネルギーと、それに伴う軌道の変化によるポテンシャルエネルギーの和として電子のエネルギーが与えられているものと考えました。もちろん、実際には量子力学に従い、粒子として考えることに意味はありませんが、実用的には便利で半導体工学においてはよく使われている手法です(だと思います)。 -- 篠原
- どうやら、私はNOBUさんへ謝らなければなりません。というのは、私も少し勉強しなおしてみたのですが、やはりNOBUさんの仰るとおり、電界から直接エネルギーを得てバンドギャップを飛び越えることはない、ということです。京都大学の木本先生に伺ったところ、「強い電界で伝導帯にいるキャリアが加速され、散乱されてエネルギーを失うときに、失ったエネルギーがバンドギャップ以上であった場合に、バンドギャップを飛び越えて電子正孔対を作ることはありますが、電界から直接エネルギーを得て励起されることはないでしょう」とのことでした。私の勉強不足でした。申し訳ありません。少し、引っかかるところもあるので、もう少しちゃんと勉強しなおそうと思います。また、そのほかにもいくつか間違いがあることが分かりました。それも含めて、記事を修正いたしますので、修正後、確認をお願いいたします。 -- 篠原
- 別に謝る必要はありませんよ。誰でも間違った解釈をすることはありますし、こういう議論でお互いの知識が向上するのもこのプロジェクトの良い点だ思っています。修正記事期待して待ってます -- NOBU