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記事ソース/物理学入門第1章解答集

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記事ソースの内容

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物理学入門第1章解答集
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【問題】1.1 方角(東西南北)を正確に知るにはどうすればよいか。
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まず南の調べ方として、真南の定義は、地球の地軸(回転軸)のある方向である。
コンパスで分かるのはそこから少しずれた北磁極、南磁極であり、
真の南は最も太陽の高度が高くなる時(これを南中と言う)
の大陽の方向が真南なので日時計とかで影の先端を追って行き、
柱から見て最短の点の方向が真北になることになる。

【問題】1.2 日の出の位置から二至二分をより正確に知るには、至と分とどちらが適切か。
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春夏秋冬は地球が太陽の周りをまわる公転面からの地軸の傾きが原因である。
そういうと難しくなってしまうが、もっと簡単なイメージ方法として、
それはまず回転軸が真上真下に来るように地球を見る。
すると、太陽は赤道から23.4°の範囲を上下するだけになる。
夏至には太陽は最も北に来て、冬至には最も南に来る。
春分、夏至、秋分、冬至の内、春分と秋分は太陽が赤道面上に来る。
ということは?
太陽は春分と秋分には真東から登り、真西に沈むので、
つまり、日の出ですぐ分かるのは「分」ということになる。

【問題】1.3 北極の仰角と観測者が住んでいる緯度との関係を述べよ
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地球の自転軸のほぼ延長線上にある天体が北極星である。
同様に、赤道から見た場合は、水平線上の仰角0°にあることになる。
観測者が現在立っている場所の水平線と、
地軸の向きの角度がどのような位置関係になっているかによって北極星の見える高さが異なる。
現在いる緯度の値が、そのまま北極星の仰角になります。

【問題】1.4 視力1というのは1分の角度を見分ける視力をいう。
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視力1の人が1mmの大きさのものを見分けられるのは何m近づいたときか。
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検査距離5mにて視力1.0を示すランドルト環の全長は、7.5mmということです。
計算式 1.5m(7.5/5)

【問題】1.5 万葉集にある「東の野にかぎろいの立つ見えて かえり見すれば月傾きぬ」という柿本人麿の短歌は、
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月齢何日に詠まれたか?ただしそのときの月の仰角は13度くらいとせよ。
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陰暦の11月17日に当たる日の早朝

【問題】1.6 この閏年を19年に7回設ける太陰太陽暦では何年に一度閏月をなくせばよいか?
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閏月を19年のあいだに7回加えると、ほぼ誤差なく暦を運用できることは古代から知られていた。
これは太陽暦の19年が、太陰暦の19年と7ヶ月の日数にほぼ等しいことによるもので、
この周期をメトン周期(中国では「章」)という。
中国では殷の時代から暦に閏月を入れることが行われていたが、
それは天体を観測して季節と暦のずれに注意し、閏月が必要なときには、
十二月の次にひと月足して13ヶ月にするという方法であった。
その後、春秋時代のころにはメトン周期の原理が使われており、
さらに太初暦以来、二十四節気の中気を基準とした置閏法によって閏月が暦に入れられている。
日本で最初に使われた太陰太陽暦は、中国で元嘉10年(442年)から行われた元嘉暦であったとされており、
その後幾度か改暦が行われたが、閏月の入る太陰太陽暦は明治時代の政府による改暦まで使い続けられた。
しかしながら閏月をどの時期に入れるかについては、
同じ時代でも地域によって食い違うことがあった。
例えば日本では古来より西日本では伊勢暦、東日本では三島暦が主に用いられたが、
時として閏月を挿入する時期が異なっていたので、日本国内で日付の異なる暦を使っていたことがある。
なおユダヤ暦も閏月の入る太陰太陽暦だが、
日本や中国の太陰太陽暦とは異なり常に年末に閏月(第13月)が挿入される。
インドでも太陰太陽暦が使われているが、インドの太陰太陽暦は黄道十二宮によって閏月を暦に入れている。
イスラム暦は完全な太陰暦なので、太陰太陽暦のような閏月は存在しない。

うるう月の置き方にはいくつか考え方があります。
歳末置閏:2〜3年に1回、年末に挿入する。
二十四節気考案以前の古代中国暦、ユダヤ暦など
古代ローマのヌマ暦のうるう月は2年に1回22日か23日増やすという変則的なもので、混乱を招くものでした。
歳中置閏:年の途中でもズレが大きくなったら挿入する。
33〜34か月に1回、つまり平均的に挿入する。

【問題】1.7 冬の満月は高い理由を述べよ。
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確かに冬の月は空の高いところに見える気がする。
太陽が季節によって高度が変わることはよく知られている。
夏の太陽は空高く上り、冬の太陽は低くなる。つまり月は太陽と逆ということになる。
これはなぜだろうか。太陽の一年の動きを天球の上に描いてゆくと、
天球を一周する一本の線になる。これを黄道と呼ぶ。
実際には地球が太陽の周りを一年に一周しているが、地球から太陽の動きを見ていくとこのようになる。
さて、黄道をよく見てみると、天の赤道をまたいで北へ行ったり、
南へ行ったりしている。これは地球の自転の軸が傾いているからである。
黄道が赤道の北にあるとき、これは季節でいうと夏にあたる。
この時太陽は空高く昇る。一番北へ行くときが夏至(6月21日ごろ)である。
一方、冬の時は黄道は天の南にあり、太陽の高度は低くなる。最も低くなるのは冬至(12月21日ごろ)である。

さて、話を月に戻そう。月にも太陽の黄道と同じように、天球上での動きを描くことができる。
これを白道といい、黄道とだいたい同じところを通っている。
ところが月は約27日で白道を巡っていくため、太陽に比べてたいへん早く天球の中を南北に行ったり来たりする。
ここで満月が太陽に対してどこにあるかを考えてみよう。満月は地球をはさんで太陽の反対側にある。
つまり、冬の頃の満月は夏の太陽とだいたい同じ場所にあることになり、
夏の太陽と同じように空の高いところまで上ることになるのである。

【問題】1.8 「月天心 貧しき町を通りけり」という蕪村の俳句の季語は何か。またその理由を述べよ。
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句に奥行きを与えている「月天心」は、中国宋(そう)の邵康節(しようこうせつ)の詩
「清夜吟」の一節「月天心に到(いた)る処(ところ)」を踏まえている。季語は「月」で、季は秋。

現代語訳「名月が中天にこうこうと輝く秋の夜更け、小家がちの路地の多い、寝静まった貧しい町を通りかかったよ」

【問題】1.9 冬至に満月になったときにはその南中高度は何度と何度の間か。
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冬至のときの太陽の南中高度(度) = 90 − (その場所の緯度) − 23.4

【問題】1.10 18.6年の間で満月の真夜中の高さがもっとも高くなったとき、東京の満月の天頂角は何度になるか?
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またそれは一年の何時か?
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ただいまこの問題だけ解答準備中です。少々お待ちくださいませ。

【問題】1.11 春分点がこの2000年あまりで牡羊座から魚座に移った。これが地球の三様の動きのどの動きによっていて
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なぜ起こるのか説明せよ。
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黄道12宮は約2000年前に定まったが、2000年の歳月のうちに、
地球の歳差(さいさ)現象(=地軸のブレ現象)により、
現在黄道12宮と星座の位置は星座1つ分ほどずれてしまっている。
2000年前、牡羊座にあった白羊宮は、現在は魚座に来ている。
実際の宮の名前と星座が一致していないのである。
現在の天文歴は、白羊宮0度を毎年の春分の時刻に合わせている。
実際の星座の位置より、地球の春分点を基準にしているのである。

【問題】1.12 太陽が1年前とまったく同じ天球上の位置に帰ってくるのは365.2564日(恒星年)である。
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1太陽年が365.2422日であるから恒星年はそれより20分27秒長い、なぜか。
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恒星年 地球は太陽の周囲を1年かけて公転する。
このため、太陽は天球上を1年かけて移動していくように見える。
ある恒星と太陽との位置関係は常に変化するが、1年ごとに元にもどることになる。
ある恒星と太陽との位置関係が一巡する期間を恒星年という。恒星年の長さは約365.25636日である。
恒星年の長さは、太陽年の長さよりも約20分24秒長い。
これは歳差の影響である。
地球が太陽を一周する間に、春分点の位置がずれるので、
その分が約20分24秒の違いになって現れるのだ。

【問題】1.13 火星を定点にし、地球の位置を一周分決めるには何年の観測が必要か。
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地球の場合は1.000040年で太陽の周りを1周。つまり360度回るので、1年では360度 1.000040年
同じように火星は1.880866年で太陽を一周するので、1年では360度 1.880866年
360度 1.000040年 1.880866年
1.000040年 × 1.880866年 1.880866年 - 1.000040年= 2.1354 年
= 2年1.6ケ月 約2.2か月

【問題】1.14 なぜ春分から秋分までと秋分から春分までの日数が等しくないのか。
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(春分から秋分までは186日、秋分から春分までは179日)

勿論この理由は「惑星は太陽に近い”とき”ほど速く公転運動する」(ケプラーの第二法則)ためであり
地球については現在はその近日点通過が冬至とほぼ一致しているためである。
余談になるがケプラーの第二法則、第三法則はいづれも
「惑星は太陽に近い場合ほど速く公転運動する」という意味に解釈できるが、
実は両者の原因はまったく異なっている。
すなわちケプラーの第三法則は万有引力が物体間の距離の2乗に反比例することと同値であるのに対して、
ケプラーの第二法則はエネルギーおよび角運動量が保存されるために成り立つのであって、
万有引力が物体間の距離の何乗に比例する場合にも例外なく成り立つのである。

【問題】1.15 冬至は昼の長さが年中で一番短いが、日没が一番早いのは、冬至より半月ほど早い。この理由を考えよ。
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夏至の日は、1年のうちで昼間が一番長い日、また、冬至の日は、1年のうちで昼間が一番短い日である。
しかし、昼間が一番長い日に、日の出がもっとも早く、
日の入がもっとも遅くなるわけではない。同様に、昼間が一番短い日に、日の出がもっとも遅く、
日の入がもっとも早くなるわけでもないのである。日本では、日の出がもっとも早い日は、
夏至より1週間ほど早く、日の入がもっとも遅い日は夏至より1週間ほど後になる。
冬至に関しても、日の出がもっとも遅い日は冬至の後、日の入がもっとも早い日は冬至の前になる。
この現象は、日本中どこでもほぼ同様である。なぜ、そのようなことが起きるのか。
昼間の長さは、太陽の高さで決まる。つまり、太陽が空の高いところを通過すれば、
それだけ、空を横切る時間が長くなるのだ。太陽が空のもっとも高いところを通過するのは夏至の日。
逆に、冬至の日にもっとも低くなる。
日の出・日の入の早さ・遅さもだいたいは昼間の長さで決まる。
昼間が長いと、それだけ日の出は早く、日の入は遅くなる。
しかし、夏至(冬至)の日をはさんで前後約1週間にわたっては、
そうならずに、日の出・日の入ともに日々遅くなっていく。
日の出・日の入の早さ・遅さを決めている要因はもうひとつあり、
それは太陽の動き方だ。地球から見ると、太陽が空を動いているように見える。
この動き方が年間を通して一定であれば、日の出・日の入りの早さ・遅さは昼間の長さだけで決まる。
しかし、実際には太陽は季節によって動く速度がことなる。
(もちろん、この違いは目で見て確認できるほど大きくはない)これは、以下の理由による。

太陽の通り道である黄道と天の赤道が23.4度傾いているため、太陽が天の赤道に対して動く速度が一定ではない。
地球の公転軌道が楕円であるため、太陽の日々の進みが一定ではない。

ここで、太陽の南中する時刻(太陽が真南を通過する時刻)について考えてみよう。
南中時刻は、ちょうどお昼の12時ではなく、年間を通して変動がある。
これも、上記2つの理由によるものである。
夏至と冬至の頃は、南中時刻がどんどん遅くなっている時期にあたる。
南中時刻は日の出から日の入までのほぼ中間にあたるので、
単純に考えて、南中時刻が遅いほうにずれれば、そのぶん日の出、日の入も遅いほうへとずれていく。
ちょうど、夏至、冬至の前後は、この効果が大きくあらわれるため、日の出・日の入ともに日々遅くなっていく。
そのため、日本では、日の出がもっとも早い日は、夏至より1週間ほど早く、
日の入がもっとも遅い日は夏至より1週間ほど後になる。
また、日の出がもっとも遅い日は冬至の半月ほど後、日の入がもっとも早い日は冬至の半月ほど前になる。


@@reference: 大西直毅,物理学入門,東京大学出版,1996,p1-p32,4130626027@@
@@author:きり@@
@@accept:2019-12-06@@
@@category:物理学@@
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