物理のかぎしっぽ 記事ソース/新たな積分の形式 のバックアップの現在との差分(No.3)

#rst2hooktail_source
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 新たな積分の形式
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 小ネタです。あらたな積分の形式を考えてみました。
 でも残念なことに、応用には向かなさそうです。
 
 復習(高校でならう積分)
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 高校でならう積分の復習をしてみます。
 リーマン積分ってやつですね。
 ちょっとおおざっぱですが、お許しください。
 
 関数f(x)のaからbまでの定積分を定義するには、
 まず区間 $[a,b]$ をn等分してできる、n+1個の分割点に 
 $x_i\ \  (i=0,1,\cdots,n)$ と名前をつけます。 [*] 
 $x_i\ \  (i=0,1,\cdots,n)$ と名前をつけます。 [*]_ 
 そして、その間隔を $\Delta x = x_{i+1} - x_i = \frac{b-a}{n}$ とします。
 
 _[*] : 具体的な書くと $x_i = a + \frac{(b-a)i}{n}$ です。
 .. [*] 具体的な書くと $x_i = a + \frac{(b-a)i}{n}$ です。
 
 そこで、定積分を以下のように定義するのでした。
 
 <tex>
 \int_0^x f(x) dx &\equiv \lim_{n \to \infty} \sum_{i=1}^n f(x_i) \Delta x \\
 &= (b-a) \lim_{n \to \infty} \sum_{i=1}^n f(x_i) \frac{1}{n} 
 </tex>
 
 ここで、 $b-a$ を前に出したのは、今後の布石です。
 最後の行をよく見てみると、(b-a)×(n個の点でのf(x)の値の平均)になっていますよね。
 つまり、すべての点の平均値に区間の長さをかければ、曲線の下の面積になるわけです。
 
 新たな積分
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 ここで、今回のメインコンテンツは、
 さっき出てきた平均を、相加平均じゃなくて相乗平均にしてしまおうというのが、
 基本のアイディアです。では、さっそく変えてみましょう。
 
 簡単のため、区間 $[a,b]$ ではなく、区間 $[0,1]$ にしておきます。
 汎関数の一種なので、 $\pi(f)|_0^1$ とでも、表現しましょうか。
 
 <tex>
 \pi(f)|_0^1 &\equiv \lim_{n \to \infty} \left( \prod_{i=1}^n f(x_i) \right)^{1/n} \\
 &= \lim_{n \to \infty} e^{\log \left( \prod_{i=1}^n f(x_i) \right)^{1/n}} \\
 &= \lim_{n \to \infty} e^{\frac{1}{n} \sum_{i=1}^n \log  f(x_i) } \\
 &= \lim_{n \to \infty} e^{\Delta x \sum_{i=1}^n \log  f(x_i)} \\
 &= e^{\int_0^1 \log  f(x) dx}
 </tex>
 
 なんだ、結局既存の計算手法で表現できるものでしたね。
 拡張するには、出てきた定積分の区間を $[a,b]$ とするのが、自然だと思います。
 以下に、一般の形を書きます。
 
 新たな積分のまとめ
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 関数 $f(x)$ の区間 $[a,b]$ での新たな定積分は、
 
 <tex>
 \pi(f)|_a^b \equiv e^{\int_a^b \log  f(x) dx}
 </tex>
 
 となります。
  
 $f(x)$ がゼロになる区間を含んでいると、すべて1になってしまうので、
 いまいち使い勝手が悪いなぁというのが正直な感想です。
 
 新たな積分の応用
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 元にあるのは、相乗平均ですから、連続変数であって、
 大域的には指数関数的変動をする変数の単位時間当たりの
 変動倍率をもとめる時なんかに使えるかなぁ?
 
 それは、
 
 <tex>
 \frac{\pi(f)|_a^b}{e^{b-a}} =  e^{\frac{\int_a^b \log  f(x) dx}{\int_a^b dx}}
 </tex>
 
 で求められます。
 
 積分の他の拡張
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 平均を調和平均にした場合、詳しくは書きませんが同様に、
 
 <tex>
 \eta(f)_a^b &\equiv \lim_{n \to \infty} n \times \left( \sum_{i=1}^n \frac{1}{f(x_i)} \right)^{-1} \\
 \eta(f)_0^1 &\equiv \lim_{n \to \infty} n \times \left( \sum_{i=1}^n \frac{1}{f(x_i)} \right)^{-1} \\
 &= \lim_{n \to \infty} \left( \sum_{i=1}^n \frac{1}{f(x_i)n} \right)^{-1} \\
 &= \lim_{n \to \infty} \left( \sum_{i=1}^n \frac{\Delta x}{f(x_i)} \right)^{-1} \\
 &= \left( \int_0^1 \frac{1}{f(x)} dx \right)^{-1}
 </tex>
 
 同様に区間を一般化して、
 
 <tex>
 \eta(f)_a^b \equiv \left( \int_a^b \frac{1}{f(x)} dx \right)^{-1}
 </tex>
 
 となります。
 
 これは、例えば無限に細い単位長さあたりの抵抗の異なる抵抗を束ねた時、
 全体の抵抗はどうなるか計算できます。
 
 それでは、ごきげんよう(^o^)/~
 最後に幾何平均と調和平均が定義できるためには、区間[a,b]に於いて、f(x)>0が必要であることを付け加えておきます。
 
 それでは、今日はこの辺で。
 ごきげんよう(^o^)/~
 
 @@author:クロメル@@
 @@accept:2007-10-30@@
 @@accept:2010-04-21@@
 @@category:物理数学@@
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