物理のかぎしっぽ 記事ソース/ベクトルのモーメント(トルクと角運動量) のバックアップの現在との差分(No.5)

#rst2hooktail_source
 ============================================================
 ベクトルのモーメント(トルクと角運動量)
 ============================================================
 
 剛体の回転シーリズ第1弾です。
 次の記事は、 角運動量_ です。
 
 ベクトルのモーメント
 =========================
 
 ベクトルは大きさと方向を持つ量ですが、もともと数学ではあまりその始点(どこから
 ベクトルを引くか)を区別することはありません。しかし物理では、同じベクトルでも
 その始点によって違う意味を持ったものになることがあります。例えば、物体に同じベクトル
 で表される力を加える場合でも、どこを押すかによって物体の動きが変わってくることは、
 容易にイメージできるのではないでしょうか。
 
 ここで、ベクトルのモーメント [*]_ について説明します。下の図のように、原点を
 、点 $ O $ とし、位置ベクトル $ \bm{r} $ で表される点 $ P $ に、ベクトル 
 $ \bm{A} $ があるとします。
 
 .. image:: chromel-moment-01-t.png
 
 .. [*] モーメントというと、さまざまな亜種があります。力学では、モーメント(力のモーメント、トルクとも)、角運動量(運動量のモーメント)、慣性モーメント等があります。電磁気学では、双極子モーメント、磁気モーメント等。材料力学なんかでは、断面一次モーメント、断面二次モーメントなんていうのもあります。どれにも共通して言えるのは、ある強度と始点を問題とする位置の積で表され、採る座標系に依存している量のことのようです。
 
 
 このとき、 $ O $ の周りのモーメントとは、
 <tex>
 \bm{M} = \bm{r} \times \bm{A}
 </tex>
 で表されるベクトル $ \bm{M} $ のことです。
 
 外積を知らない人のために少し説明しますと、
 このベクトルは、 $ \bm{r} $ と $ \bm{A} $ を含む平面に垂直で、大きさ
 が $ |\bm{r}| \  |\bm{A}| \sin \theta $ のベクトルです。
 
 成分としては、 $ \bm{r} $ の成分を $ (x,\ y,\ z) $ 、 $ \bm{A} $ の成分
 を $ (A_x, \ A_y, \ A_z) $ とした時、
 <tex>
 M_x=yA_z- zA_y, \ \ \ M_y =zA_x -xA_z, \ \ \  M_z=xA_y-yA_x
 </tex>
  
 完全反対称テンソル_ (レヴィ・チヴィタの記号とも)を用いると、簡潔に、
 <tex>
 M_i=\varepsilon_{ijk}x_jA_k \ \ \ \ \ (i=1,2,3)
 </tex>
 と書けます。ここで同じ添字を並べて書いたときには、すべての和をとると
 いうアインシュタインの縮約規則 [*]_ を用いています。
 
 .. [*]  例えば $A_i B_i$ と書いたら、 $A_1B_1+A_2B_2+A_3B_3$ を表します。
 
 
 トルクと角運動量
 ====================
 
 特に力学では、このベクトルのモーメントの中でも重要なものとして、
 トルク $ \bm{N} $ と、角運動量 $ \bm{L} $ があります。物体にかかる力 $ \bm{F} $ としてトルクは、
 <tex>
 \bm{N} = \bm{r} \times \bm{F}
 </tex>
 となり、角運動量は運動量 $\bm{p}= m\bm{v}$ として、
 <tex>
 \bm{L} = \bm{r} \times \bm{p}
 </tex>
 で表されます。
 
 平行軸の定理
 ==============
 
 モーメントは、どの点のまわりのモーメントを考えるかによって、変わってくるものです。
 そこで最後に変換公式を書いて、終わりにします。 
 $O$ から見た点 $ P $ をベクトル $ \bm{r} $ 、 $ O^\prime $ から
 見た点 $ P $ をベクトル $ \bm{r}^\prime $ で
 表し、 $ O $ から見た $ O' $ は、ベクトル $ \bm{R} $ とします。
 
 .. image:: chromel-moment-02-t.png
 
 このとき、 $ O $ から見たモーメント $ \bm{M}_O $ と
 、 $ O^\prime $ から見たモーメント $ \bm{M}_{O^\prime} $ の間に次の関係が
 成り立ちます。
 <tex>
 \bm{r} = \bm{r}^\prime + \bm{R}
 </tex>
 より、
 <tex>
 \bm{r} \times \bm{A} = \bm{r}^\prime \times \bm{A} + \bm{R} \times \bm{A}
 </tex>
 よって、
 <tex>
 \bm{M}_{O} = \bm{M}_{O^\prime} + \bm{R} \times \bm{A}
 </tex>
 が成立します。
 このように、ある点でのモーメントが分かれば、別の点でのモーメントを知ることができます。
 
 
 続きは こちら_ 
 
 .. _こちら: http://hooktail.sakura.ne.jp/mechanics/angularMomentum/
 .. _角運動量: http://hooktail.sakura.ne.jp/mechanics/angularMomentum/
 .. _完全反対称テンソル: http://www12.plala.or.jp/ksp/vectoranalysis/LeviCivita/
 .. _こちら: http://hooktail.sub.jp/mechanics/angularMomentum/
 .. _角運動量: http://hooktail.sub.jp/mechanics/angularMomentum/
 .. _完全反対称テンソル: http://hooktail.sub.jp/vectoranalysis/LeviCivita/
 
 @@author:クロメル@@
 @@accept:2007-03-17@@
 @@category:力学@@
 @@id:moment@@
トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Modified by 物理のかぎプロジェクト PukiWiki 1.4.6 Copyright © 2001-2005 PukiWiki Developers Team. License is GPL.
Based on "PukiWiki" 1.3 by yu-ji Powered by PHP 5.3.29 HTML convert time to 0.004 sec.