個人的には、自由粒子を容器の中に閉じ込めると理想気体のようにふるまうことすら、納得できていない。 確かに、カノニカル分布を認めれば、理想気体に対する正しい、熱力学的関数が得られる。 しかし、systemを構成している物質がどのようにあるのか、ということは観測できないものだ。
別の系に対しても、適当な相互作用を入れれば、その系を特徴付ける正しい熱力学が得られる。 それで、僕達は「この系は、このように相互作用しているのだ」と解釈するのだが、それは カノニカル分布が正しいという前提がある。カノニカル分布は、もっともらしい仮定から、 導かれるのだけれども、それ自身が正しさを保証することはない。
それで、自由粒子からなるsystemに、外場をかけた状態を考えて、それでも正しい結果 が得られることを見れば、もう少し納得できるかもしれない。なぜそう思うかというと、 外場の影響と同等な効果を、熱力学的に直接与えることはできると思っているからだ。
僕が物理学というもので、自然をどのように理解するのが健全なのか、混乱があることだけはわかる。(06,11,10)