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自然数の約数の和について
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自然数 $x$ の約数の和についての一性質を
書いていきます。 $x$ のすべての約数の和を $f(x)$ とします。
この時、すべての $x$ について、
<tex>
f(x) \leqq mx \tag{##}
</tex>
を満たす $m$ が存在するかどうかを調べるのです。
簡単のため、 $x=a^2 b^4 c^5$ とします。
この時、
この時、約数の和は、
<tex>
\frac{\mathrm{sum \ of\ divisor\ of\ x}}{x} &= \frac{f(x)}{x} \\
\frac{\mathrm{sum \ of\ yakusu\ of\ x}}{x} &= \frac{f(x)}{x} \\
&= (1+a+a^2)(1+b+b^2+b^3+b^4)(1+c+c^2+c^3+c^4+c^5)/a^2 b^4 c^5 \\
&=\frac{a^3-1}{a-1}\frac{b^5-1}{b-1}\frac{c^6-1}{c-1}/a^2 b^4 c^5 \\
&= \frac{1-1/a^3}{1-1/a}\frac{1-1/b^5}{1-1/b}\frac{1-1/c^6}{1-1/c} \tag{##}
</tex>
ここで、オイラーのゼータ関数を考えます。
<tex>
\zeta(s)=\frac{1}{1-1/2^s}\frac{1}{1-1/3^s}\frac{1}{1-1/5^s}\frac{1}{1-1/7^s} \cdots \tag{##}
</tex>
以上の様に、 $s$ についてのゼータ関数は、素数の関数の無限積となっています。
式 $(2)$ と式 $(3)$ を見比べてみると、
式 $(2)$ は、任意の自然数だったので、
式 $(2)$ のような形をした関数がとる最大値と考えてよいことが分かります。
ここからは、 $x$ は任意より $x=2\cdot3\cdot5\cdot7\cdot11\cdot13\cdots$
という全ての素数の積とします。
式 $(2)$ は下からおさえることができて、
<tex>
f(x) &= \frac{1}{1-1/2} \frac{1}{1-1/3}\frac{1}{1-1/5} \cdots \frac{1-1/2^2}{1}\frac{1-1/3^2}{1}\frac{1-1/5^2}{1} \cdots \\
&= \zeta(1) \times \frac{1}{\zeta(2)} \\
&= \infty \times \frac{6}{\pi^2} \tag{##}
</tex>
となります [*]_ 。
.. [*] ちなみに、 $\zeta(1)=\infty \ , \ \zeta(2)=\frac{\pi^2}{6}$ だそうです。
よって、式 $(1)$ を満たす $m$ は、存在しないことが分かりました。
それでは今日は、この辺で。
@@author:K.I.、クロメル@@
@@accept:2010-01-16@@
@@category:物理数学@@
@@id:sumOfDivisors@@