* わたなべ [#wf553fc8] #ref(メンバー情報/noimage.png,nolink,right,around) - メール: - 好きな分野: 科学 - 担当分野: 文献紹介 - 職業: 学生 - ホームページ: http://blog.livedoor.jp/b3sb100/archives/cat_10002441.html - 趣味: - 資格: - 居住地: - 好きな言葉: - 好きな科学者: 寺田 寅彦 *課題[#hb4175c22] -「光が波だったなんて。非常に驚いた。光は光だと思っていた。」という話を聞く。 急に光ってそういえばなんだろうと思って、気になってしまう。 残念ながら,ぼくはこうした人とあんまり光に対する理解に違いは無い。 とりあえず、そのことを気にしておく。(06.6.10) -Einstein が、どのようにして、光を量子化したのかを見る。 そのとき黒体内の電磁波は、分子のような局在(Einstein自身は、古典的な意味で局在していると想像) したものと想像して、理想気体と同じようにふるまうとする。 黒体内のエントロピーの体積依存性を計算し、理想気体のエントロピーの表式と比較する。 すると、エネルギーは離散化されるというもの。 こうして、黒体輻射に対する正しい結果が、光子の古典的な空間的局在という描像を除いては得られる。 感想としては、確率というものが、強い結果を出してくれるとともに、潰れてしまった情報もあって、 人々の勝手な解釈、想像を許してしまうということ。 個人的には、自由粒子を容器の中に閉じ込めると理想気体のようにふるまうことすら、納得できていない。 確かに、カノニカル分布を認めれば、理想気体に対する正しい、熱力学的関数が得られる。 しかし、systemを構成している物質がどのようにあるのか、ということは観測できないものだ。 別の系に対しても、適当な相互作用を入れれば、その系を特徴付ける正しい熱力学が得られる。 それで、僕達は「この系は、このように相互作用しているのだ」と解釈するのだが、それは カノニカル分布が正しいという前提がある。カノニカル分布は、もっともらしい仮定から、 導かれるのだけれども、それ自身が正しさを保証することはない。 それで、自由粒子からなるsystemに、外場をかけた状態を考えて、それでも正しい結果 が得られることを見れば、もう少し納得できるかもしれない。なぜそう思うかというと、 外場の影響と同等な効果を、熱力学的に直接与えることはできると思っているからだ。 例えば、一様重力中の自由粒子からなるsystemを考える。統計力学的には、 それぞれの粒子は、下に力をうけて、十分に小さな温度から少しずつ温度を上げて行くと、 粒子が分布できる容器の高さは、段段と上がって行くはずだ。このとき、かかっている力 は一様な重力なので一定。これは、熱力学的には次のような操作に対応するものと想像できる。 それはまず、無重力中に理想気体をつめた容器を用意する。それで、定圧をかけるような、 力学的な仕掛けをつけて、systemを準静的に温度を上げる操作(電熱線でも用意し、温度を上げることは可能)。 このミクロとマクロの立場から計算した双方の量は、実際同じ結果を出してくれる。 それで、確かに「自由粒子は、理想気体を構成するんだ」という気がしきた。それでも、独りではそれが限界。 この論理展開にどれほどの穴があるかは、分からない。 僕が物理学というもので、自然をどのように理解するのが健全なのか、混乱があることだけはわかる。(06,11,10)