ページ | 査読/熱力学を勉強する前に(トミー著) |
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投稿者 | Joh |
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投稿日 | 2006-08-24 (木) 15:49:07 |
執筆おつかれさまです。院試もごくろうさまでした♪ 今度はゆっくり合奏しましょう。
さて、査読です。
「物質全体を見ろ!物質の細部は見るな!」という文がありますが、このようにメッセージを強調するのは、非常に良いと思います。何が言いたい記事なのかが明快です。メッセージが最初にあり、その後に例があるというのも分かりやすいです。ただ、少し気になったのは、「物質全体」に限らず、熱力学で見るのは「系全体」ですよね。もちろん、非分子論的という意味で物質全体と書いたのだと思いますが、少し引っかかりました。注にでも、系という言葉を書いて欲しいものであります。
経験則が強調してあるのも良かったです。以前、nemoさんと議論になっていた部分の解釈にもなると思います。
熱力学を学ぶ上で注意すべきなのは、これだけでしょうか?私なら、平衡状態(変化するのに無限の時間がかかる)という話にも触れると思います。もちろん、非平衡熱力学という分野もありますが、最初は平衡熱力学だけですよね。だとすれば、熱力学的平衡というのは大事な「仮定」だと思います。(系の状態を巨視的な量だけで記述できるという立場は、十分な時間が経過して十分に相互作用が終わったので、系が「こなれている」という仮定に立脚しているわけですよね。)もし、トミーさんが、このあたりの話も今後書く予定だとすれば、余計なコメントだったかも知れません。御容赦あれ。