物理のかぎしっぽ 査読/状態,状態量,状態式(トミー著)/1

低熱

メッセージ

系が、幾つかの状態量によって決まるというのは、一種の近似(仮定)ですよね。気体の状態がp,v,Tで決まるのも、巨視的な立場(経験?)からのモデル化の結果だと思います。なので、「3つの量によって完全に表される」のではなくて「3つの量によって完全に表されることとする」だと思います。巨視的変数というのは、そんなものだと思います。(式(3)や(4)も、もっと複雑な非線形の式の一次近似ですよね。)

状態量とは何か、という問いに対するよりクールな回答は、状態変数とは完全微分で表わせる変数であるということになると思います。完全微分の積分は経路によりませんね。(dQの積分は経路によりますが、dQ/Tは完全微分になるので経路によらず、エントロピーは状態量になります。不完全微分に掛けることで、変数を完全微分にする、この場合の1/Tみたいな因子を何とか因子と呼んだと思いますが、失念しました。)

返答

  • Johさんに一つ質問なのですが、巨視的な立場からモデル化した結果のみを用いて議論するのが熱力学なのか、モデル化以前の結果も含めて論じるのが熱力学なのか、どちらなのでしょうか?もし熱力が前者の学問であるのだとすれば、モデル化後の話なのだから「3つの量によって完全に表される」という記述の方が正しい気がします。手持ちの参考文献からではこの判断ができないので、よろしければ教えてください。 -- トミー 2006-08-24 (木) 16:30:54
  • 敢えて削っていましたが、状態量と完全微分の話も記事に盛り込んだ方が良さそうですね。構想を練ってみます。 -- トミー 2006-08-24 (木) 16:33:49
  • モデル化以後の結果を用いるのが古典熱力学だと思います。ただ、この部分の書き方は『熱力学の立場から説明する』のか『熱力学の立場を説明する』のかによって変わってくると思います。私は、この記事が後者だと思ったので、使っている仮定を正確に明示すべきだと感じたのですが、既に熱力学の立場が共通理解にあるなら、トミーさんの返答はまったく正しいと思います。純粋に数学的な完全微分の話が必要ならばお申し付け下さい。 -- Joh 2006-08-24 (木) 17:55:00
  • なるほど。教えてくださり、ありがとうございます。熱力が前者か後者かということはよく理解できましたが、問題は書き手の私と読み手のJohさんの間に誤解が生まれてしまったことですね…。ここは正式公開する前に、何らかの改訂をすべきですね。指摘してくださり、ありがとうございました!あと、完全微分の数学的話、必要です!!ただ確認したいのですが、これは完全微分についてJohさんが記事を書いてくださるという意味なのでしょうか?? -- トミー 2006-08-24 (木) 18:00:57
  • 横から失礼します.「不完全微分に掛けることで、変数を完全微分にする、この場合の1/Tみたいな因子」・・・こんな観点から解説いただけるなら,私もお願いします.ペコリ^10. -- mNeji? 2006-08-24 (木) 20:40:43
  • 熱力学とはどういう学問か?の解説記事なら、やはり仮定をきっちり書いたほうがいいと思います。(工学部では仮定を黙認させて、計算練習だけさせる学校が多いと思います。時間さえあれば、物理のかぎしっぽでもっと根源的な問題を論じたいですよね。でも、トミーさんはとミーさんの視点で書けば良いので、このまま邁進して下さい。) 完全微分については、私が記事を書いてもいいです。>mNejiさん、 例えばエントロピーの物理的意味について、乱雑さだとか、S=cLogW(?でしたっけ。ボルツマンの式)だとか、幾つか解釈はあると思いますが、『熱を完全微分にしたいから、Tで割ってみた』というのが、最も頭を使わなくて納得する説明なのではないか、と私は思っています。 -- Joh 2006-08-24 (木) 20:57:33
  • 私は,マジで熱力学は捨てました.熱統計はある程度まではやりましたが脱落しました.確かにJohさんのお話されているような筋書きは記憶の痕跡としてあります.うろ覚えですが,テルハールさんの「熱統計力学」といった感じの本かボルツマンかギッブスの復刻版だったような.多分,これ以上の記憶は蘇えらないと思います...是非とも,お書きくだされば,とても善い記事になると感じます. -- mNeji? 2006-08-24 (木) 22:38:00

 
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