物理のかぎしっぽ 査読/持ち上げるのに必要な力の大きさ(山本明著)/3

腑に落ちない

メッセージ

記事の執筆お疲れさまです! 私も高校生の時にこの問題を考えたことがあったなぁと思い出しました。 そのときにどういう結論を得たかは忘れてしまいましたが (^^;

記事中で「持ち上げるのに必要な最小限の仕事の値が W = mgh」であることは納得できます。しかし「持ち上げるのに必要最小限な力の大きさは…」のセクションはなんとなく腑に落ちません。もう少しどこが腑に落ちないのか具体化できたら改めて査読に投稿したいと思います。

返答

  • 論旨は次の通りで合っていますでしょうか? -- CO 2005-12-10 (土) 19:41:04
1. **現実には** 測定できる時間や距離には最小単位が存在する。(δ)
2. その最小単位だけ動かすときのことを考える。
3. 仕事は W = mgδ である。
4. 測定できる最小単位で物体を動かしているので、F'= mgδ/δ = mg (平均値) をその瞬間の値と考えて良い。
5. 1〜4 の過程を必要な回数だけ繰り返せば、最低限 F = mg の力で必要な高さまで到達することができる。
  • もし私の解釈が間違っていなければ、私が腑に落ちなかったのは「 **現実には** 」という制限を加えている部分です。モデルの範囲内ではやっぱり最初に瞬間的に F > mg の力を与えないと物は動かないんじゃないかと思うんです。ニュートン力学そのものには時間や距離に最小単位はない(いくらでも小さな時間、いくらでも小さな距離を考えることができる)ので、その範囲内で話をすれば「(最初だけ)F > mg の力が必要だ」という結論が得られると考えました。現実的な制限をつけることによって(最初のでっぱりと最後のへこみが平均化されて消えるので) F = mg でも動くと考えて良いと言えることになるのだと思います。なので、 F > mg でなくて良い理由が W > mgh でなくて良い理由と一緒だというようには思えませんでした。( W > mgh でなくて良いというのはニュートン力学そのものから出てきている結論 - エネルギー保存則ですよね)。-- CO 2005-12-10 (土) 19:41:04
  • その辺が私も書いてて、ちょっと論旨がブレてるなぁ…と思ったところでした。査読では、そういう自信のないとこをやはり突っ込まれますね… (^^;
    COさんご指摘の論旨でだいたい合ってますけど、より深く議論するためには合ってない…かな。“一旦、有限の間隔を持ち出して仕事を定義して、その後でその有限間隔を無限小にする”という部分で私が念頭に置いているのは、解析力学でやるような「力を仕事の微分として定義する」という操作です。“短い間隔での平均値なら瞬間の値と考えてよい”って部分に、微分の考え方を込めた…つもりなんですけど、ダメそうですね。瞬間の値を強調したいのか、h[m]という有限間隔での仕事を議論したいのかが論旨のブレを生んでるかな。
    高校生には上記の論旨で考えてもらっていいけど、読む人が読んだらそうと気づける内容にしたい…と思い、ちょっと中途半端になってますね…。 -- 山本明 2005-12-11 (日) 20:38:59
  • あ、そもそも私の考え方自体、変だったらご指摘ください。大丈夫なつもりではいるんですけど。 -- 山本明 2005-12-11 (日) 20:44:28
  • 横から失礼します。**現実には**のところ、いらないのではないでしょうか??測定可能な微小な距離δが存在するといわなくても良いような気がします。運動エネルギーの増加がないのであれば、持ち上げるときにする仕事は、どんなに小さなδに対しても、 W = mgδ になると思うのですが。 -- 篠原 2005-12-13 (火) 17:21:44
  • ええ、仕事についてはいらないと思います。力の場合にはその制限がないと言えないのでは?というのが私が疑問に思ったところです。 -- CO 2005-12-13 (火) 17:24:13
  • 力の場合も制限なしで言えますね。その辺りを修正すると、納得しやすくなりますかね…。時間ができたときに書き直してみます。しばらく時間ができないかもしれませんが…。 -- 山本明 2005-12-13 (火) 17:33:30
  • わお!とっても反応が早いですね・・・。記事の中の仕事の説明から離れてしまうのですが、 W = mgδがどんなδに対しても常に成り立っているのだから、ポテンシャルの微分で与えられる力においても、δの大きさの制限は受けずに、常にF=mgで一定であるといってしまってよいと思ったのです。なかなか、説明しにくいですね・・・ -- 篠原 2005-12-13 (火) 17:34:40
  • 私が何か勘違いしているのか・・。絶対に F ≦ mg の力しか出ない持ち上げ機械というのを考えたとき、 質量 m の物体を持ち上げることはできるということですね。それとも力の定義の問題、ということでしょうか。 -- CO 2005-12-13 (火) 20:20:05
  • あ、私は一つ誤解をしてました・・・。ポテンシャルの微分で得られる力は、物体に加えている力ではなく、物体が場から受ける力(今の場合は重力)ですよね。F=mgで一定なのは当たり前ですね・・・。確かにそのような機械を考えたときには、質量 m の物体を持ち上げる事はできないと思います。なんだか混乱してきました。少し考えさせてください。 -- 篠原 2005-12-13 (火) 21:05:20
  • 篠原さんが誤解してると思ったところはきっと誤解です。私も記事を書いているときに考えた部分。いま話をしているのは、重力が行った仕事を微分するって話でなくて「手が行った仕事を微分する」ということ。 先に記事で議論しているのは、“手が行った仕事”についてですよね。それを微分して、手が行った“瞬間の力”を導こうって話をしているのです。どんな力であっても、何かしらの関数の微分として定式化することが可能です。微分すると力になる関数のうち、特殊な条件を満たすもの(にマイナス符号を付けたもの)をポテンシャルと読んでるだけですよね。Newton力学的な考え方でなく、解析力学の考え方かと思いますけど。 -- 山本明 2005-12-14 (水) 02:11:22
  • 「仕事の微分を力として定義する」というのはわかります。ただ、その微分係数が t = 0 と t = t_last では F ≠ mg でなければならないのではないか?と思ってしまいます。質量 m の質点にひもをつけて上に持ち上げる場合を考えると、もし F = mg の力で動き出してしまったら、上向きの合力をまったく受けることなく上昇をすることになるので「はて?」と思った次第です。微分して力を定義するにも、まず「動いた」ということを前提としますが「なぜ動き出すのか?」が私の疑問なのだと思います。 -- CO 2005-12-14 (水) 09:19:27
  • 力が釣り合っている状態は、「動き出す瞬間」の状態でもあるってことです。止まっていることもできるし、動き出すこともできる。…それでは納得できませんか?? -- 山本 2005-12-14 (水) 12:51:39
  • 私は力が釣り合っている静止状態から動き出すためには(瞬間的に)さらに +α の力が必要だと思ってしまうのですが、それはまずいのでしょうか。慣性の法則を考えるとどうしてもそのような考え方になってしまいます・・。 -- CO 2005-12-14 (水) 13:20:46
  • みなさんの感想を読んでいて,なんだか僕も「動き出す瞬間」というイメージがぐらついてきました.僕の考えでは,動いた後(つまり +α の力を加えた後)は,「動き出す瞬間」ではない,となっています.だから,山本さんの記事は納得できたつもりなのですが,この考えは正しいのかどうか,分かりません(ちょっと,アキレスと亀の問題に似てますね). -- 崎間 2005-12-16 (金) 00:42:57
  • 崎間さんの考えでいいと思います。力を仕事の微分で定義するとき、δ動いた場所までの仕事を考えつつ、そのδを δ→0 としてしまうので、「動き出す瞬間」とは全く動いていない状態です。実際に動いた後は動き出す瞬間ではないでしょう。 -- 山本明 2005-12-16 (金) 02:01:10
  • 力を仕事の微分で定義すると mg となる、以下はわかりました。
    F=\lim_{\delta\rightarrow0}\frac{W(x+\delta)-W(x)}{\delta}=mg
    しかし相変わらず査読レポート5で tomo さんが仰っているのと同じような疑問を持っております。-- CO 2005-12-16 (金) 09:37:00

 
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