物理のかぎしっぽ 査読/ブラベクトルとケットベクトル(クロメル著)/4

感想

メッセージ

いままでブラケットの記事は無かったので、とても良いと思います。もっともっと量子力学の記事が充実していくことを期待します。

1. ベクトルを導入する理論的根拠は、『量子の状態に線形性がある』ということだと思います。(これは光の偏向実験などから来る観測事実なんですか?それとも、基礎方程式から導かれた性質?後者だとすると、シュレディンガー方程式が線型方程式だから、というようなことから書いた方がいいと思います。その場合は、偏向の話は単なる例ですよね。前者の場合、偏向の話は決定的に重要だと思いますので、もう少し説明を裂いても良いように思います。)

線形性、線形解の重ね合わせの原理、といったキーワードを例えば、太字で強調してみるとどうでしょうか。もう少し、ブラケットを導入するまでの、思考の流れが明快になると良いと思います。むしろ、ブラケットに対する仮定というのは、ブラケットを定義する時点で置くもののように思うのですが、どうなんでしょう。

2. ブラとケットという名前の由来も書いたら面白いと思います。このネーミングは、ディラックの冗談なんですよね。私はこういうセンスは好きなので。

返答

  • 1.線形性についてですが、これから書くことはすべて僕の憶測ですが、すこし考えてみます。いままで当たり前のように波動関数の和をとっていたので、なぜそんなことができるかと考えてみると、やはりシュレーディンガー方程式の線形性に帰着すると思います。そのシュレーディンガー方程式は実験結果を記述できるから用いられていると考えると大元は実験結果ということなのかもしれませんね。ただ量子力学はある議論の必然的論理の帰結としての始まりをもっていないことを忘れては思います。シュレディンガーがなぜシュレーディンガー方程式を生み出したかを調べた人がいまして、一年生の時の授業の教科書で現代物理学入門講義シリーズ[2]『量子論入門講義』米谷民明著 培風館という本を思い出したのですが、それをみると粒子を扱うハミルトン-ヤコビの方程式(一・二年生向けなのに高度すぎる…)にド・ブロイの粒子の波動性からくる波動関数を代入して、非線形の方程式を導いています。そこに線形性を仮定として近似した式がシュレーディンガー方程式だと書いてあります。またここでも仮定ですね(笑)この線形性という仮定についてもふれておきましょうか。
  • 2.それとディラックの本にはブラケットに対するさまざまな仮定ですが、「仮定」として書いてあったので、この論理的必然ではないことをはっきりさせるために書いてあるんだろうと思い「定義」ではなくそのまま「仮定」として書きました。
  • 3.ブラとケットふたつあわせてブラケットですね(笑)僕も初めて聞いた時おもしろい書き方だなと思いました。そうですね、この冗談についてもふれておくことにします。-- クロメル 2007-01-30 (火) 00:47:43

 
トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Modified by 物理のかぎプロジェクト PukiWiki 1.4.6 Copyright © 2001-2005 PukiWiki Developers Team. License is GPL.
Based on "PukiWiki" 1.3 by yu-ji Powered by PHP 5.3.29 HTML convert time to 0.011 sec.