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記事ソース/2次方程式の解の公式†これはrst2hooktailの記事ソース保存・変換用です(詳細). コンバート公開・更新メニュー ▼▲記事ソースの内容============================================================ 2次方程式の解の公式 ============================================================ 2次方程式には「解の公式」なるものが存在します. 中学・高校では頻繁に使うのですが,個人的に最近はあまり使わなくなっていました. 公式の存在すら忘れてしまい「ん,これはどうやって解くんだ?」,「解の公式?は?」 なんてことにならないためにも,そして「公式」に頼りきらないためにも, 2次方程式の解の公式を導出をしてみましょー. さらに学びたい人には, 平方完成の図形的イメージ_ という姉妹記事も用意しています. 解の公式 ======== まずは公式そのものの確認です.2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解は <tex> x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \tag{#def(eq:1)} </tex> で与えられるという公式,これが「2次方程式の解の公式」です. ほとんどの人が,中学生のとき数学の授業で暗記させられたと思います. みなさんは,まだ覚えていますか?(僕はついこないだまで忘れてました.) 導出 ====== それでは,解の公式を導いてみます. 単純に,2次方程式を平方完成して解けば良いです.つぎの2次方程式 <tex> ax^2+bx+c=0 </tex> を,実際に平方完成して解いて行きましょう (平方完成の手順を忘れてしまった人は,その復習にもなりますよ). 最初に,一番次数の大きい $x^2$ の係数で $x$ の項を括ります. いまの場合は $a$ で括ることになります. <tex> a\left(x^2+\frac{b}{a}x\right)+c &= 0 \tag{#def(eq:a)} </tex> そして,括ったカッコを2乗(平方)の形にします.ここが平方完成です. <tex> a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-a\left(\frac{b}{2a}\right)^2+c &= 0 \tag{#def(eq:b)} </tex> このとき,マイナスの項が出てくる理由はいいですよね (よく分からなければ,実際に式(#ref(eq:b))を計算して, 式(#ref(eq:a))に戻ることを確かめてみてください). 式(#ref(eq:b))の左辺第1項だけを左辺に残し,それ以外は右辺に移項します. <tex> a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 &= a\left(\frac{b}{2a}\right)^2-c </tex> 上式の両辺を $a$ で割って( $a \ne 0$ とします),右辺を通分すると <tex> \left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 &= \left(\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{c}{a}\\ &= \frac{b^2}{2^2 a^2}-\frac{c}{a}\\ &= \frac{b^2-4ac}{4a^2} </tex> となります.ここまでくれば,後は <tex> \left(x+\frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{b^2-4ac}{4a^2} \tag{#def(eq:c)} </tex> を変形して $x=$ の形にしてやれば解の公式のできあがりです. とりあえず,左辺の2乗を外したいですね. たとえば「 $x^2=u$ 」という式があって, $x^2$ の二乗を外したい場合は, 右辺をルートにすれば良いのでした.しかし $x=\sqrt{u}$ では間違いです. 二乗して $u$ になる数は $+\sqrt{u}$ と $-\sqrt{u}$ の二つあることに注意してください. したがってこの例では $x=\pm\sqrt{u}$ となります. これを踏まえて式(#ref(eq:c))を変形しますと <tex> x+\frac{b}{2a} &= \pm\sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}} </tex> となります.そして左辺第2項を移項して <tex> x = \pm\sqrt{\frac{b^2-4ac}{4a^2}}-\frac{b}{2a} </tex> 通分すると <tex> x = \frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} </tex> のできあがりです.これで,解の公式(#ref(eq:1))の導出が完了しました. 導出の流れさえ理解しておけば,解の公式を忘れてしまっても, $ax^2+bx+c=0$ からスタートしていつでも導くことができます. 解の公式を導く方法は上の通りでしたが,「平方完成」とはどういう意味があったのでしょう. 知りたい方は 平方完成の図形的イメージ_ に進んでみてください. .. _平方完成の図形的イメージ: http://www12.plala.or.jp/ksp/algebra/completingSquareImage/ @@author: 崎間@@ @@accept: 2005-11-13@@ @@category: 代数学@@ @@id:kainokoshiki@@ |