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記事ソース/波の式2†これはrst2hooktailの記事ソース保存・変換用です(詳細). コンバート公開・更新メニュー ▼▲記事ソースの内容======================================== 波の式2 ======================================== 波の式1_ では,波源が原点にあって $y(0, t)=A\sin 2\pi \frac{t}{T}$ ( $A$ は振幅, $T$ は周期)という振動をしている場合について, $x>0$ の 領域でどのような振動になっているかを学びました.波の式2では,この場合の $x<0$ の領域での振動や, 波源の振動が $y(0, t)=A\sin 2\pi \frac{t}{T}$ でない場合の振動,そして,波源が原点以外の点にある場合の振動についてみていきます. 以下では,波長を $\lambda$ ,波の伝わる速さを $v$ とします. x<0の領域ではどのような振動になっているか --------------------------------------------------------------- 波源が原点にあって $y(0, t)=A\sin 2\pi \frac{t}{T}$ という振動をしている場合, $x>0$ の領域では, <tex>y(x, t)=A\sin \left(\frac{t}{T}-\frac{x}{\lambda} \right)</tex> という振動をしていましたね.点 $x$ においては,「波源の振動が $\frac{x}{v}$ 秒遅れて伝わる」 ということから式を導いたのでした.では, $x<0$ の領域にはどのような振動が伝わっているのでしょうか. .. image:: tomo-sinwave2-fig1.png 原点にある波源の振動が点 $x$ の位置まで伝わるのにかかる時間は, $\frac{(-x)}{v}$ 秒となります. なぜ,マイナスがついているか,分かるでしょうか? 今, $x$ は負です.そのため, $\frac{x}{v}$ は負になってしまい, 「時間が経過している」ということと矛盾してしまいます.それを避けるために, マイナスをつけて,値がプラスになるようにしているのです. $\frac{(-x)}{v}$ 秒前の波源の振動が伝わってきているので, $x<0$ の領域では, <tex> \begin{array}{rl} y(x, t) &= \displaystyle y\left(0, t-\frac{(-x)}{v}\right) \\ &= \displaystyle A\sin 2\pi\frac{\left( t-\frac{(-x)}{v} \right)}{T} \\ &= \displaystyle A\sin 2\pi\frac{\left( t+\frac{x}{v} \right)}{T} \\ \end{array} </tex> となります.少し書き換えてみますと, <tex> \begin{array}{rl} y(x, t) &= \displaystyle A\sin \frac{2\pi}{T}\left(t+\frac{x}{v}\right) \\ &= \displaystyle A\sin 2\pi \left(\frac{t}{T}+\frac{x}{vT}\right) \\ &= \displaystyle A\sin 2\pi \left(\frac{t}{T}+\frac{x}{\lambda}\right)\\ \end{array} </tex> となります. 波源の振動がこれまでと違う場合はどうなるか --------------------------------------------------------------- これまでは,波源の振動を <tex>y(0, t)=A\sin 2\pi \frac{t}{T}</tex> に限ってきました.これは,時刻 $t=0$ に媒質が点 $x=0$ を $y>0$ の方向に向かって通過する振動で, 言ってみれば特殊な場合です.しかし,波源は必ずしもそういった振動であるとは限りません.一般に波源の振動は, <tex>y(0, t)=A\sin \left( 2\pi \frac{t}{T} +\alpha \right)</tex> と表すことができます.この振動では, $y(0, 0)=A\sin \alpha$ となりますね( $\alpha$ を「初期位相」と呼びます). さて,このとき点 $x$ ではどのような振動になるでしょうか.波源の振動が, $x>0$ の領域では $\frac{x}{v}$ 秒だけ遅れて, $x<0$ の領域では $\frac{(-x)}{v}$ だけ遅れて伝わることは, もう分かりますね.したがって, $x<0$ の領域では <tex>y(x, t)=y\left(0, t-\frac{x}{v} \right)= \displaystyle A\sin 2\pi \left(\frac{t}{T}-\frac{x}{\lambda} +\alpha\right)</tex> $x>0$ の領域では <tex>y(x, t)=y\left(0, t-\frac{(-x)}{v} \right)= \displaystyle A\sin 2\pi \left(\frac{t}{T}+\frac{x}{\lambda} +\alpha\right)</tex> となるわけです. 波源が原点以外の点にある場合はどうなるか --------------------------------------------------------------- これまでは,波源が原点にある場合を扱ってきました.では,波源が原点以外の点にある場合は,どうなるのでしょうか. 波源が点 $x_1$ にあって, <tex>y(x_1, t)= \displaystyle A\sin \left( 2\pi \frac{t}{T} +\alpha\right)</tex> という振動をしている場合を考えてみましょう. $x>x_1$ の領域の点 $x$ には,波源の振動が $\frac{x-x_1}{v}$ 秒遅れて伝わってきます. .. image:: tomo-sinwave2-fig2.png したがって, <tex> \begin{array}{rl} y(x, t) &= y\displaystyle \left(x_1, t-\frac{x-x_1}{v}\right) \\ &= \displaystyle A\sin \left( 2\pi \frac{t-\frac{x-x_1}{v}}{T}+\alpha \right)\\ &= \displaystyle A\sin \left( \frac{2\pi}{T}\left(t-\frac{x-x_1}{v}\right) +\alpha \right)\\ &= \displaystyle A\sin \left( 2\pi \left(\frac{t}{T}-\frac{x-x_1}{\lambda}\right) +\alpha \right)\\ \end{array} </tex> と求まります. 問 ~~~~~~~~~ 波源が点 $x_1$ にあって, <tex>y(x_1, t)= \displaystyle A\sin \left( 2\pi \frac{t}{T} +\alpha\right)</tex> という振動をしている場合, $x<x_1$ の領域ではどのような振動になるか. まとめ --------------------------------------------------------------- 波の式を求めるのに考えなければならないことは, - 波源はどこにあるのか - 波源はどのような振動をしているか - 振動の様子を知りたい点には,波源の振動が何秒遅れて伝わってきているか の3つです.・・・と聞いて,「ふむふむ」と思えた人はもう大丈夫です. .. _波の式1: http://www12.plala.or.jp/ksp/wave/sinWave1/index.html @@author: tomo@@ @@accept: 2005-07-10@@ @@category: 波と振動@@ @@information: イラスト:崎間@@ @@id:sinWave2@@ |