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記事ソース/ラグランジュ微分†これはrst2hooktailの記事ソース保存・変換用です(詳細). コンバート公開・更新メニュー ▼▲記事ソースの内容================================================= ラグランジュ微分(実質微分/水理学的微分) ================================================= ここでは、流体力学が抱える最大の問題、ミレニアム懸賞問題の 一つにも数えられている「ナビエ-ストークス方程式」を 記述する際に非常に重要な概念となる、 ラグランジュ微分(実質微分/水理学的微分)に触れていきたい と思います。 流体粒子の動き ================================================ 著者が土木を専攻しているので、流体の中でも特に水の 挙動について考えていきます (空気等でもアイデアは変わらないと思いますが)。 ある物理量 $u(t, x, y, z)$ が存在し、時刻 $dt$ が経過したとき、 それが $u(t+dt, x+dx, y+dy, z+dz)$ を持つとします。 このとき、その差 $u'$ は次のように定義されます。 <tex> u'=u(t+dt, x+dx, y+dy, z+dz)-u(t, x, y, z) </tex> すると、1次近似までのテイラー展開より <tex> u'=du/dt*dt+du/dx*dx+du/dy*dy+du/dz*dz </tex> (ラウンドが記入できなかったので偏微分を $d$ としていますが ご容赦を) 微小時間に注目すると $x, y, z$ 方向の速度を それぞれ $u, v, w$ とすると <tex> dx=udt, dy=vdy, dz=wdz </tex> より <tex> u'/dt=du/dt+u*du/dx+v*du/dy+w*du/dz </tex> ここで $dt$ を $0$ に近づける時の 左辺の極限値が $Du/Dt$ と定義され、 ラグランジュ微分と呼ばれています。 <tex> Du/Dt:=u'/dt+u*du/dx+v*du/dy+w*du/dz </tex> この微分形式は、流体の物理量が3次元の位置と 時間の4次元の量に依存していることを意味し、 流体中の物質移動などの記述にも用いられています。 さらに特出的なのは、この微分が、現在も未解決とされている 数学史上最大の偏微分方程式、「ナビエ-ストークス方程式」を 構成する重要なコンポーネントになっていることです(本来は 物理量 $u, v, w$ について議論するので、3次元ベクトルの ラグランジュ微分を用いますが)。 あとがき ================================================ かなり雑に、ラグランジュ微分のアイデアを書きました。 重要ではありますが、流体中の物理量が4次元空間に依存している ことをかなり簡単に、そして十分に理解できる範囲で記述した 式であると著者は考えています。 何度も書きますが、ここから派生するNS方程式が 一般解を与えることが証明できれば、 流体の動きを完全に理解することになり、何より賞金100万ドルです。 NS方程式についても書いてみますので、解ける! という方は是非ともクレイ数学研究所へ。 @@author: とり@@ @@accept: 2018-03-28@@ @@category: 流体力学@@ |