物理のかぎしっぽ きり/本棚

きり

きりの本棚

旅するときの必携本

この作者は訳者である村上春樹さんの紹介で日本に登場しました。ウクライナ出身のユダヤ人の女性作家で、人生で三冊しか本を出版していないのに、アメリカでなくてはならない作家としてとても人気だそうです。原文は大変難しい英語だそうで、三冊の本を訳すのに、村上さんは30年の月日を費やしました。超短編から短編まで大骨小骨がそろっており、アイロニカルに満ちたものもあれば、愛や子どもへの愛と視線に満ちたものもあり、心のすき間にスーっと入ってきます。自宅ではない場所で読むとまた醍醐味もひとしお。表紙の絵のエドワード・ホッパーも素晴らしく、いつのまにかペイリー節に毒されてしまうこと間違いありません。

文系人のための物理学必携本

私が物理学の魅力にとりつかれた最初のきっかけの本です。数式も多く当初はアレルギー反応が出ましたが、(笑)読み返すうちに手放せない大切なテクストとなりました。本当に入門中の入門書ですが、文章も読みやすく軽快なテンポで、ユーモアもあり、オススメの書物です。練習問題もあるので、ぜひ頭の体操に取り組んでみるのも一考です。堅苦しく考えずに物理学の世界にぜひ足を踏み入れてください。10代のころに読んでいたらなぁと悔恨の念でいっぱいになります。

人生の必携本

生きている限り人は悩むし人生の岐路にも立たされます。哲学なんて難しそうだしさらさら読む気になれないなと思われるかもしれませんが、この本をぜひ通して三回読んでみてください。本当に面白いから最初、素通りした場所もしっかり頭に入ってきます。 そしていつの間にか哲学的思索が身についてきます。私は気になるところにみんな付箋を貼って、ボロボロになるまで読みました。 まさに私のバイブルです。電車で移動中のとき、待ち合わせのちょっとした合間に息抜きの一冊としても重宝します。

心のすきまの必携本

この本は大学生に一番読まれた本らしいです。私の文学部の主任教授おすすめの一冊でした。外山さんの文体はとにかく句読点の打ち方からして美しい。文体が本当に美しいのです。戸田山和久さんの『論文の教室』も面白いですが、ぜひご存じない方はこの外山さんの本に触れてみてください。私はもっと若い時期からこの人を知っていれば私の文章ももう少し違っただろうなという後悔で胸がいっぱいでした。帯には東大京大で一番読まれている本とありますが、実際大学の図書館でもいつも貸し出し中です。肩のこらない内容なので、ちょっとしたときにページを開いて頂けたらなと思います。

墓場まで持って行きたい必携本

なにをあろう私が一番好きなアメリカの作家です。この作者は1970年代のビート族に属していて、(ヒッピー文化と似ています)いろんな作家に多大な影響を与えています。ブローティガンの作品はどれも素晴らしいのですが、この本が代表作なのでここではこの作品のリンクにとどめます。訳者の藤本和子さんは恋人だったとかいろいろ噂があったそうです。最後はヘミングウェイのような悲しい死に方だったけれど、寓話的でロマンに満ちていて、素直で純粋で、本当に心が洗われるような一面があります。 ペイリーが女性作家での一押しだとしたら、ブローティガンは男性作家の一押しです。ぜひお手にとってみてください。

闘病にかかせない一冊

難治性の精神疾患を診察し続けた治療者の記録です。国立精神・神経センターを経て、東大病院を定年退官するまでの三十年に及ぶ精神科医としての受動的関心の物語で、幼児連続殺人を起こした宮崎勤の臨床の観測も残されています。臨床家を目指す方への必携の論文集であり、統合失調症を理解する上でもはずせない一冊と言えます。

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