物理のかぎしっぽ 記事ソース/ルジャンドル陪関数の直交性(拙著、ものにする量子力学の補遺)

記事ソース/ルジャンドル陪関数の直交性(拙著、ものにする量子力学の補遺)

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記事ソースの内容

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ルジャンドル陪関数の直交性(拙著、ものにする量子力学の補遺)
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挨拶
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どうも、クロメルです。拙著、「ものにする量子力学」(おかげさまでぼちぼち売れています。
ご愛顧ありがとうございます。)では、水素原子の波動関数を
ルジャンドル関数、ラゲール多項式、ラゲール陪多項式について、
関数同士が直交していることを利用して、関数を求めていきました。
残念ながら、ルジャンドル陪関数の直交関係は執筆期間内に求められませんでした。
しかし、最近それについて考え直していたら、偶然、直交関係を見出すことができたので、
補遺として、ここに書いていこうと思います。とはいっても、アルフケン物理数学などには、
これは載っているようです (^^; 。

ルジャンドル陪関数
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まず、ルジャンドル陪関数 $P_l^m(x)$ は、ある整数 $l$ と $m$ ただし、$l \geq |m| $ について、
独立変数 $x (-1 \leq x \leq 1) $ の範囲で定義されます。これは、三次元球面の振動を表す
球面調和関数 $Y_l^m(\theta , \phi)$ に関係の深い関数です。

その $P_l^m(x)$ が満たす微分方程式は、

<tex>
\dfrac{d}{dx} \left[ (1-x^2) \dfrac{d P_l^m}{dx} \right] +\left( l(l+1)-\dfrac{m^2}{1-x^2} \right) P_l^m = 0 \tag{##}
</tex>

となります。

さて、前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。ルジャンドル陪関数が満たす直交関係とは、

定理

<tex>
I = \int_{-1}^1 \dfrac{P_l^m P_l^{m^\prime}}{1-x^2} dx = 0 (m \neq m^\prime) \tag{##}
</tex>

です。つまり、 $m \neq m^\prime$ の時、この一種の内積が0になるということです。

証明

式 $(2)$ に $m^2$ を掛けたものを変形していきます。

<tex>
m^2 I 
&= m^2 \int_{-1}^1 \dfrac{P_l^m P_l^{m^\prime}}{1-x^2} dx \\
&= \int_{-1}^1 P_l^{m^\prime} m^2 \dfrac{P_l^m}{1-x^2} dx \\
&= \int_{-1}^1 P_l^{m^\prime} \left( \dfrac{d}{dx}\left[ (1-x^2) \dfrac{d P_l^m}{dx}\right] + l(l+1)P_l^m \right) dx\\
&= \left[ P_l^{m^\prime} (1-x^2) \dfrac{d P_l^m}{dx} \right]_{-1}^1 
+ \int_{-1}^1 \left( - (1-x^2) \dfrac{d P_l^m}{dx} \dfrac{dP_l^{m^\prime}}{dx} + l(l+1)P_l^m P_l^{m^\prime} \right) dx \\
&= - \left[ P_l^{m} (1-x^2) \dfrac{d P_l^{m^\prime}}{dx} \right]_{-1}^1
+ \int_{-1}^1 P_l^{m} \left( \dfrac{d}{dx}\left[ (1-x^2) \dfrac{d P_l^{m^\prime} }{dx}\right] + l(l+1)P_l^{m^\prime} \right) dx \\
&= \int_{-1}^1 P_l^m m^{\prime 2} \dfrac{ P_l^{m^\prime} }{1-x^2} dx \\
&= m^{\prime 2} \int_{-1}^1 \dfrac{P_l^m P_l^{m^\prime}}{1-x^2} dx \\
&= m^{\prime 2} I
\tag{##}
</tex>

これは、

<tex>
(m^2-m^{\prime 2})I=0 \tag{##}
</tex>

を示しています。つまり、 $m \neq m^\prime$ の時、

<tex>
I = 0 \tag{##}
</tex>

と言うわけです。
ここで注意しておきますが、この関係は $m$ と $m^\prime$ の差が奇数の時には奇関数の左右対称な積分となり式 $(2)$ の積分がゼロになるのは当たり前なのですが、差が偶数の時には直交関数系を求める強力な道具になります。この内積の直交性を用いれば、 $ P_l^l = (1-x^2)^{l/2} $ からは、 $P_l^{l-2},P_l^{l-4}, \cdots $ 
が、 $ P_l^{l-1} = x(1-x^2)^{(l-1)/2}$ からは、 $P_l^{l-3},P_l^{l-5}, \cdots $ を求めることができます。
同じ $l$ を持つ、異なる $m$ の関数が次々と求まって行くのです。ただし、全体にかかる因子はこれだけでは決定できません。
それでは今日はこの辺で、お疲れ様でした。

@@author:クロメル@@
@@accept:2013-11-30@@
@@category:量子力学@@
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