============================================================ 波の減衰 ============================================================ 波は媒質中を進んでいく時に、高周波ほど早く減衰していきます。 例えば空気中を進む音は、花火など遠くで聞くほど低い音が響きますよね。 それは、次のようなモデル(運動方程式)で理解できます。 m \ddot{x} + \zeta \dot{x} + kx = 0 \tag{##} 第一項は慣性項、第二項はダンピング項(減衰項)、 第三項は復元力の項です。 $m,\zeta,k$ は、それぞれ質量、抵抗、復元力で、すべて正の定数です。 この式に $\dot{x}$ を掛けて $t$ で積分してみます。 \dfrac{m}{2}\dot{x}^2 + \dfrac{k}{2}x^2 = E - \zeta \int^t \dot{x}^2 dt これは、左辺が運動のエネルギーに対し、右辺が抵抗で必ず負になることから、 力学的エネルギーがダンピング項によって、どんどん減衰していく様子を示して います。 $E$ は積分定数で $t=0$ における力学的エネルギーを示します。 ここで、振動を x= A \sin \omega t とすると、 \dot{x}=A \omega \cos \omega t となります。振動の速さの微分には $\omega$ が掛かっていますね。 これは角周波数 $\omega$ が大きいほど、減衰が早いことになります。 以上、簡単ですが、波の減衰についての説明でした。 今日はここまで。 @@author:クロメル@@ @@accept:2011-04-07@@ @@category:力学@@ @@id:waveDamping@@