============================================================ 任意の固有値と固有ベクトルを持つ行列の求め方 ============================================================ 固有値 $\lambda_1,\lambda_2,\cdots$ とそれに対応する 互いに線形独立な固有ベクトル $\bm{v}_1,\bm{v}_2,\cdots$ を持つ 行列 $A$ の作り方を考えます。一見、難しそうですが、 結果は簡単です。 それでは、さっそく求めてみます。 求めるn次正方行列 $A$ に対し、固有値 $\lambda_i \ \ \ (i=1,2,3,\cdots,n) $ を持つ 列ベクトル $\bm{v}_i$ とすると、 A \bm{v}_i = \lambda_i \bm{v}_i \tag{##} が成立します。 すると、n次の正方行列 P=\left( \bm{v}_1\bm{v}_2 \cdots \bm{v}_n \right) \tag{##} 同じく行列 \Lambda = \begin{pmatrix} \lambda_1 & 0 & \cdots & 0 \\ 0 & \lambda_2 & \cdots & 0 \\ \vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\ 0 & 0 & \cdots & \lambda_n \end{pmatrix} \tag{##} として、まとめて表すことができて、 A P = P \Lambda \tag{##} ここで $P$ は、線形独立な列ベクトルからなるので、 逆行列が存在して、 A = P \Lambda P^{-1} \tag{##} と求まりました。これは少し変形してやると、 \Lambda = P^{-1} A P なので、対角化の作業を逆にしたものであることが分かります。 なかなか興味深いです。 それでは、今日はこの辺で。 @@author:クロメル@@ @@accept:2012-07-25@@ @@category:物理数学@@ @@id:designMatrix@@