=================================== 生物メモランダム =================================== 拮抗筋の制御 -------------------------------  関節にはその関節を曲げる筋と伸ばす筋が対になって存在している。これらの筋は互いに反対の作用を生じるため両者はまとめて拮抗筋とよばれる。拮抗筋とは反対の動きをする筋肉のことである。これらを抑制性神経が制御して、信号を伝えたり伝えないという信号を送ることで関節を伸ばしたり縮めたりしている。 シナプスの可塑性 ---------------------------------- 可塑性とはプラスティシ(プラスティック)という意味であり、プラスティックは暖めると柔らかくなり冷えるとそのままの形に変化する性質がある。ほかにやったことを覚えているという概念でもある。経験した後と前では違う。いったん形を変えたものを元に戻せると言うことを可塑性と言う。シナプスに一過性に与えられた条件により、そのシナプスの伝達特性が長時間にわたって変化する性質をシナプスの可塑性と呼んでいる。 ブレイン・マシン・インターフェイス --------------------------------------------------- 失われた機能を機械によって代替するシステムのことをいう。今では人工内耳や義手義足などサイボーグ技術も発達し、多様化している。ブレイン・マシン・インターフェースは脳波などの脳活動を利用して機械を操作したり、カメラ映像などを脳への直接刺激によって感覚器を介さずに入力することを可能にする。信号源および操作対象である脳と機械を繋ぐ存在。脳波を読み取る脳波センサーや脳波を解析するプログラムなどを総称してBMIと呼ぶ。 ミラーニューロン ----------------------------------------- 1981年にリゾラッティがサルの大脳運動野の活動を記録中にヒトの手の動きに反応する場所を発見。霊長類などの高等動物の脳内で、自ら行動するときと他の個体が行動するのを見ている状態の両方で活動電位を発生させる神経細胞である。他の個体の行動を見てまるで自身が同じ行動を取っている鏡のような反応から名付けられた。 マインドリーディングの歴史について ------------------------------------------- 言葉や表情では判断できない本心を機械を使って判断する試み。特に裁判における証言の信憑性を判断するツールとして、ウソ発見器が登場した。1921年にポリグラフが心拍・呼吸・皮膚の電位をモニターして被験者の証言の妥当性を評価するものとして登場。その後、1924年に脳波が脳の電気活動を記録して、その波形の周波数特性から精神状態を推測できるものとして登場。続いて脳指紋が登場した。脳指紋は過去に見たり聞いたりして記憶したものを再度見聞きしたときに発生するもので、本人の意思によって発生のコントロールはできない。外部からの刺激に対応して脳波で起きる特有の変化であり、画像を見たり単語を聞いたりして、約0.3秒後に現れる電位変化なのでP300という。1977年にはアイオワ州の殺人事件の再審に証拠として採用され、無罪判決に導いた。それから2006年に非侵襲性脳活動イメージングとして、fMRIが登場した。ファンクションMRIは考えていることをMRIとしてスキャニングできるとして、画像で見られるウソ発見器として用いられている。日経サイエンスでも特集が組まれ、映画007を演じたショーン・コネリーにあなたは007ですか?と尋ねたらウソが見つかるかどうかの記事も掲載されていた。 今では消費者の心理を探るマーケティングツールとして、また企業の秘密保持などにも用いられている。 @@author:きり@@ @@accept:2019-12-10@@ @@category:生物@@ @@id:brainscience@@