============================================================ 一階常微分方程式の基礎知識 ============================================================ 特定の形の常微分方程式を解く時に知っていると便利なことを書きます。 その形とは、 $t$ の関数について、 \frac{df(t)}{dt}=g(t)f(t) \tag{##} というものです。 これは、両辺を $f(t)$ で割ってやると、 \frac{\dot{f}}{f}=g(t) \tag{##} となり、 $C$ を積分定数として両辺の $t$ での不定積分を取って、 ln|f|= \int g(t) dt + C \tag{##} よって、両辺を指数関数の肩に乗せれば、 |f|=exp(\int g(t) dt +C)=C^\prime exp(\int g(t) dt) \tag{##} となります。 特に $g(t)$ が $t$ の冪関数の時、 $C$ を定数として、 \dot{f} = C t^a f \tag{##} この時には、 f(t)= \begin{cases} exp(\dfrac{C t^{a+1}}{a+1}) \ \ \ \ (when \ \ a \neq -1) \\ t^{C} \ \ \ \ (when \ \ a = -1) \end{cases} \tag{##} となります。 ここで、 \lim_{a \to -1} t^{a+1} \to 1\ \ , \ \ \lim_{a \to -1 \pm 0} \frac{1}{a+1} = \pm \infty より、 \lim_{a \to -1 \pm 0 }exp^{\frac{C t^{a+1}}{a+1}} = \infty \ \ \mathrm{or}\ \ 0 \tag{##} となり、極限が $t^C$ にならないことに注意してください。 ちなみに、 $\dot{f}=(t^2 - 2t +3)f$ など、微分して一般の多項式が出てくるものが欲しければ、 例えば、この例だと、 \dot{f} &= \frac{d}{dt} \left( exp(t^3/3) \times exp(-2t^2/2) \times exp(3t) \right) \\ &= \frac{d}{dt}exp(t^3/3-t^2+3t) \\ &= (t^2 -2t +3)f(t) \tag{##} の様に、積を作ることで和が作られます。 二階の微分方程式については、目下勉強中です (^^; 。 それでは、今日はこの辺で。 @@author:クロメル@@ @@accept:2010-10-14@@ @@category:物理数学@@ @@id:ODEIntro@@