============================================================ JAGUAR XJ-S ============================================================ かさ、さかさま、片翼の堕天使、アンバランスなイキモノ、 野放しのまま生きる。 白いビニール傘で二人腕を組み、JAGUAR XJ-Sに乗り込むキミ。 パワーブロックは雨に濡れ、ガソリンはそのままキミの殺意と化した。 アクセルを踏むごとにレブカウンターには情欲が浮かんでは消え、 トリップメーターには孤独までのディスタンスが刻まれた。 欲望は乱雑に後部座席へ放りだされ、 僕たちは時間を歪めて貪りあった。 革張りのシートが行方のない愛を吸い込み、 オルガスムスに到達したとき、キミは憎しみをあらわにした。 僕たちは摩耗したタイヤで旅を続けているだけだった。 入り口は在っても出口は無かった。 HATE YOU… キミは愛していたんじゃない。 いつだって愛を試していたんだ。 @@author:きり@@ @@accept:2019-12-12@@ @@category:現代詩@@ @@id:JAGUAR@@