記事ソース/中心、中心化群、正規部分群、正規化群
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中心、中心化群、正規部分群、正規化群
=========================================================...
この記事では、群論の「中心」と「中心化群」と「正規化群」、
そしてこれらからは少し異質な「正規部分群」を説明します。
具体例が分かっている時に読めば、上手く整理できる記事とし...
具体例に触れるには、 ときわ台学さん_ が良いと思います。
中心
============
群 $G$ に対して、中心 $Z(G)$ とは次の集合です。
<tex>
Z(G) = \{ a \in G | ag = ga, ^\forall g \in G \} \tag{##}
</tex>
つまり、これは一般に群 $G$ の要素 $g$ は非可換なの
ですが、よく見ると特定の $a \in G $ に対しては、
他の全ての要素 $g$ と可換になっている、そういう元の集合で...
つまり、中心の元を取り出して考えるときに限り、他の元との...
代表的な例としては、単位元 $e$ はどんな群であっても、中心...
以降のものに対して、一番厳しい条件の集合がこの中心です。
中心化群
===================
群 $G$ に対して、中心 $C_G(S)$ とは次の集合です。
<tex>
C_G(S) = \{ a \in G | as = sa, ^\forall s \in S \} \tag{##}
</tex>
ここで、 $S$ は $G$ の部分集合です。部分群である必要はあ...
中心に対する条件は、「全て」の $G$ の要素に対して可換でし...
かなり厳しい条件です。そこで制限を緩めて、 $G$ の部分集合...
というものの集合です。 $G=S$ の時、 $C_G(G)$ は $Z(G)$ に...
正規部分群
======================
群 $G$ に対して、正規部分群 $H$ (決まった記号は無いようで...
<tex>
H = \{ h \in H | aH = Ha, ^\forall a \in G \} \tag{##}
</tex>
これだけ対応が美しくないというか、他とは少し異質だと思い...
なぜなら、他では $a$ の集合なのに、これだけ $h$ の集合に...
次に書く「正規化群 $N_G(S)$ 」を見れば納得されると思いま...
さて、ここでの気持ちは群 $G \ (\ni g_i)$ の部分群 $H \ (\...
一塊と見て、 $g h_1 \neq h_1 g$ かもしれない、
でも、同じ部分群の元に $g h_1 = h_2 g$ を満たす $h_2$ が...
ということです。これによって、群 $G$ は類別されます。直和...
(つまり、直和とは「共通要素を持たない集合同士」の和集合...
<tex>
G = H \oplus g_1 H \oplus g_2 H \oplus g_3 H \cdots \tag{...
</tex>
の様に分解できます。 $H$ の元は $e$ を含んでおり、正規「...
任意の要素の積で閉じており $h_i h_j \in H$ となっています...
す。 $H$ の $e$ 以外の元 $h_i$ を $H$ の構成元に掛けても...
加わる元なく、消える元なく、組み換えが起こります。つまり...
一方、 $g_1 H$ は $e \in H$ ですから、 $g_1e = g_1$ とな...
となります。ここでも、 $g_1 h_1 \neq h_1 g_1$ かもですが...
対して、 $g_1 h_1 = h_2 g_1$ を満たす $h_2$ が存在します...
別の要素 $g_1^\prime$ は $g_1^\prime H$ を作ると $g_1 H$ ...
ここでもまた二集合 $g_1 H, g_1^\prime H$ 間に一対一対応が...
また、今気づきましたが、これ以外は一意に決まるものですが...
正規化群
=================
群 $G$ とその部分集合(これも部分群でなくて良い) $S$ に対...
<tex>
N_G(S) = \{ a \in G | aS = Sa, ^\forall s \in S \} \tag{##}
</tex>
の事です。これは「中心」や「中心化群」と考え方が同じです。
中心化群では、 $S$ の元に対して可換な元の集合でしたが、
今回は「集合」 $S$ に対して可換な集合となります。
つまり、中心化群の $as = sa$ と言う厳しい条件を
緩めて、 $aS = Sa$ で組み換えが起こってもいい。
しかし、 $aS$ の要素は $Sa$ にあるし、 $Sa$ の要素は $aS$...
という条件を満たす $a$ の集合なのです。
対応が美しくないと言ったことが、あらためて実感されることを
指摘しておきましょう。 $C_G(G) = Z(G)$ でしたが、 $N_G(G)...
つまり、 $N_G(G)$ は $G$ を一塊と見て、 $aG=Ga$ を見たす ...
なので、そもそも $G$ は演算で閉じているという群の定義があ...
任意の $a \in G$ を $G$ に演算すると、 $G$ になります。つ...
は $G$ そのものになります。
コメント
================
ちらっと聞いてなるほどと思った話をいくつか最後にしておき...
中心 $Z(G)$ の大きさはどれだけ群の構造が可換であるかを表...
確かに中心が $e$ のみの時は( $e$ 以外には)全く可換と言う...
逆に中心が最大の時、 $G$ の全ての元の時、 $G$ は可換群に...
後、 $Z(G) \subseteq C_G(S) \subseteq N_G(S) $ が言えます...
そして、 wikipedia_ では、「明らかに、 $C_G(S) \subseteq ...
今日はこの辺で、お疲れさまでした。
.. _ときわ台学さん: http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/...
.. _wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5...
@@author:クロメル@@
@@accept:2019-10-31@@
@@category:代数学@@
@@id:nantokakagun@@
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中心、中心化群、正規部分群、正規化群
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この記事では、群論の「中心」と「中心化群」と「正規化群」、
そしてこれらからは少し異質な「正規部分群」を説明します。
具体例が分かっている時に読めば、上手く整理できる記事とし...
具体例に触れるには、 ときわ台学さん_ が良いと思います。
中心
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群 $G$ に対して、中心 $Z(G)$ とは次の集合です。
<tex>
Z(G) = \{ a \in G | ag = ga, ^\forall g \in G \} \tag{##}
</tex>
つまり、これは一般に群 $G$ の要素 $g$ は非可換なの
ですが、よく見ると特定の $a \in G $ に対しては、
他の全ての要素 $g$ と可換になっている、そういう元の集合で...
つまり、中心の元を取り出して考えるときに限り、他の元との...
代表的な例としては、単位元 $e$ はどんな群であっても、中心...
以降のものに対して、一番厳しい条件の集合がこの中心です。
中心化群
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群 $G$ に対して、中心 $C_G(S)$ とは次の集合です。
<tex>
C_G(S) = \{ a \in G | as = sa, ^\forall s \in S \} \tag{##}
</tex>
ここで、 $S$ は $G$ の部分集合です。部分群である必要はあ...
中心に対する条件は、「全て」の $G$ の要素に対して可換でし...
かなり厳しい条件です。そこで制限を緩めて、 $G$ の部分集合...
というものの集合です。 $G=S$ の時、 $C_G(G)$ は $Z(G)$ に...
正規部分群
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群 $G$ に対して、正規部分群 $H$ (決まった記号は無いようで...
<tex>
H = \{ h \in H | aH = Ha, ^\forall a \in G \} \tag{##}
</tex>
これだけ対応が美しくないというか、他とは少し異質だと思い...
なぜなら、他では $a$ の集合なのに、これだけ $h$ の集合に...
次に書く「正規化群 $N_G(S)$ 」を見れば納得されると思いま...
さて、ここでの気持ちは群 $G \ (\ni g_i)$ の部分群 $H \ (\...
一塊と見て、 $g h_1 \neq h_1 g$ かもしれない、
でも、同じ部分群の元に $g h_1 = h_2 g$ を満たす $h_2$ が...
ということです。これによって、群 $G$ は類別されます。直和...
(つまり、直和とは「共通要素を持たない集合同士」の和集合...
<tex>
G = H \oplus g_1 H \oplus g_2 H \oplus g_3 H \cdots \tag{...
</tex>
の様に分解できます。 $H$ の元は $e$ を含んでおり、正規「...
任意の要素の積で閉じており $h_i h_j \in H$ となっています...
す。 $H$ の $e$ 以外の元 $h_i$ を $H$ の構成元に掛けても...
加わる元なく、消える元なく、組み換えが起こります。つまり...
一方、 $g_1 H$ は $e \in H$ ですから、 $g_1e = g_1$ とな...
となります。ここでも、 $g_1 h_1 \neq h_1 g_1$ かもですが...
対して、 $g_1 h_1 = h_2 g_1$ を満たす $h_2$ が存在します...
別の要素 $g_1^\prime$ は $g_1^\prime H$ を作ると $g_1 H$ ...
ここでもまた二集合 $g_1 H, g_1^\prime H$ 間に一対一対応が...
また、今気づきましたが、これ以外は一意に決まるものですが...
正規化群
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群 $G$ とその部分集合(これも部分群でなくて良い) $S$ に対...
<tex>
N_G(S) = \{ a \in G | aS = Sa, ^\forall s \in S \} \tag{##}
</tex>
の事です。これは「中心」や「中心化群」と考え方が同じです。
中心化群では、 $S$ の元に対して可換な元の集合でしたが、
今回は「集合」 $S$ に対して可換な集合となります。
つまり、中心化群の $as = sa$ と言う厳しい条件を
緩めて、 $aS = Sa$ で組み換えが起こってもいい。
しかし、 $aS$ の要素は $Sa$ にあるし、 $Sa$ の要素は $aS$...
という条件を満たす $a$ の集合なのです。
対応が美しくないと言ったことが、あらためて実感されることを
指摘しておきましょう。 $C_G(G) = Z(G)$ でしたが、 $N_G(G)...
つまり、 $N_G(G)$ は $G$ を一塊と見て、 $aG=Ga$ を見たす ...
なので、そもそも $G$ は演算で閉じているという群の定義があ...
任意の $a \in G$ を $G$ に演算すると、 $G$ になります。つ...
は $G$ そのものになります。
コメント
================
ちらっと聞いてなるほどと思った話をいくつか最後にしておき...
中心 $Z(G)$ の大きさはどれだけ群の構造が可換であるかを表...
確かに中心が $e$ のみの時は( $e$ 以外には)全く可換と言う...
逆に中心が最大の時、 $G$ の全ての元の時、 $G$ は可換群に...
後、 $Z(G) \subseteq C_G(S) \subseteq N_G(S) $ が言えます...
そして、 wikipedia_ では、「明らかに、 $C_G(S) \subseteq ...
今日はこの辺で、お疲れさまでした。
.. _ときわ台学さん: http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/...
.. _wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5...
@@author:クロメル@@
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