記事ソース/夏目漱石『こころ』森鴎外『舞姫』の主人公たちの問題点
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夏目漱石『こころ』森鴎外『舞姫』の主人公たちの問題点
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こころの目指したもの
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「こころ」は師弟の物語である。故郷では病に倒れた父が息子...
息子である私は大学をようやく卒業し、とある海岸で人生にお...
しかしこの先生は喪に服したような生き方をしており、どうも...
なぜ先生が人生を楽しまないのかその秘密を暴くべく先生を次...
この師弟愛は現代ではわかりづらいもので、
当時でも恋愛の代わりにこの私という青年は師を求めたのだろ...
同志愛の究極といったものだろうが、先生ならば人生の茫漠と...
主人公は先生を慕ったのだろうと感じた。しかし先生は何の仕...
主人公にも卒業したのち、親の財産をあてにできるのかと問う...
また何になりたいという野心も描かれていない。そのぼんやり...
この時代は明治のさなかであり、
森鴎外と夏目漱石は明治維新が終わってから誕生した明治精神...
よってこの二つの物語では国家に必要とされる有用な人材とい...
恋愛よりも無論、有意義な人材と生きるべく奨励されているよ...
またその葛藤が文章にあふれているように思う。まして明治は...
士農工商制度もまだ風化してはおらず、軍人の妻というものの...
「私はどこから来てどこへ行くのか?」こういう問いに答える...
僕らが知っているのは他人が生まれ死ぬことであって、自己自...
こういうものが「こころ」の主人公の底辺に流れていたような...
舞姫をふりかえって
--------------------------
「舞姫」も同様で、明治とは狭義には江戸幕府が崩壊し、
天皇を中心とした明治維新が起こっての時代背景があるのだ。
「こころ」の私の父親の天皇崩御や乃木大将の殉死とともに気...
「舞姫」の主人公の法学部を目指して、
法律辞典とならねばならぬ国の改革を任された人員としての気...
おそらく今のように自由意志で生きられるはずもなく、身分違...
はたまた自分の望む職業に就くことも難しかったのだろうと思...
ましてや恋愛に対して自由行動を起こせるはずもなかった。
今のように愛のために何もかも投げ出して生きられる時代でな...
またこの2つに共通しているのは、立身出世を重んじ、内なる...
ちなみに殉死とは他者の死を自分の死の唯一の理由とする没我...
「こころ」の先生の自殺はこれとは対峙している。自由と独立...
一方「舞姫」の主人公は友達の讒言で陥れられるが帰東するた...
舞姫の私はどこまでいっても愛には生きられず、その理由は立...
「こころ」の先生の場合は友達を裏切ってしまったという懺悔...
ここだけは生き方が対峙しているような気がした。
先生は何に対しても屈服することは嫌だったろうに、
乃木大将の殉死をきっかけに今まで生きて来た理由を改めて問...
自らの命を絶つ以外、自分を許す方法がなかったのだと思う。...
儒教の考え方も強く、目上の者を重んじ、没快楽の方向へ進む...
おそらく性も抑圧されていたのだろうと思われた。
主人公たちが守りたかったもの
---------------------------------------
この二つの作品には独特な翳と寂寞感がとうとうと脈打ってい...
人は何を信じて生きてゆけばいいのか?最愛の人ですら裏切り...
そこまでして主人公たちが守りたかったものは何なのか?とい...
しかし自殺は自らが唯一行える人間が生命を抹殺しうる行為で...
先生は自殺を行うことで自らを許せたかもしれないが、
舞姫の主人公である私は罪を背負い続けて生き抜いたことにな...
否、先生だって妻に本音を言わなかったことこそが懺悔だった...
となるとこの2つの作品に流れるテーマは懺悔なのだろうか?
よって舞姫のエリスの結末には大変なショックを受け、狂女が...
この二つの作品を読み返すことによって、懺悔、自殺、責任、...
しかし先生も舞姫の私も時代に殺されてしまった訳ではないと...
いつの時代にも生きていていい理由はあったと思うのだ。
これが大東亜戦争やナチスの被害ということになってくるとま...
人間の尊厳というものを殉死という形で補おうとした人もいる...
先生も太田も大きな十字架を背負って生きていったのだろうか?
私は女性としてエリスや太田の母や先生の奧さんに想いを寄せ...
まとめにかえて
-------------------------
これらの時代は明治である。明治といえば天皇制や時代が大き...
明治に生きた男たちということを主題とすると、
舞姫もこころも読み手の私には捉えきれていないのかもしれな...
人はなんのために生き、なにに死にゆくのか?
@@reference: 夏目漱石, こころ,新潮文庫,2004,p1-p384,41010...
@@reference: 森鴎外, 現代語訳舞姫,筑摩書房,2006,p1-p206,4...
@@author:きり@@
@@accept:2019-12-10@@
@@category:文学@@
@@id:soseki&ogai@@
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夏目漱石『こころ』森鴎外『舞姫』の主人公たちの問題点
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こころの目指したもの
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「こころ」は師弟の物語である。故郷では病に倒れた父が息子...
息子である私は大学をようやく卒業し、とある海岸で人生にお...
しかしこの先生は喪に服したような生き方をしており、どうも...
なぜ先生が人生を楽しまないのかその秘密を暴くべく先生を次...
この師弟愛は現代ではわかりづらいもので、
当時でも恋愛の代わりにこの私という青年は師を求めたのだろ...
同志愛の究極といったものだろうが、先生ならば人生の茫漠と...
主人公は先生を慕ったのだろうと感じた。しかし先生は何の仕...
主人公にも卒業したのち、親の財産をあてにできるのかと問う...
また何になりたいという野心も描かれていない。そのぼんやり...
この時代は明治のさなかであり、
森鴎外と夏目漱石は明治維新が終わってから誕生した明治精神...
よってこの二つの物語では国家に必要とされる有用な人材とい...
恋愛よりも無論、有意義な人材と生きるべく奨励されているよ...
またその葛藤が文章にあふれているように思う。まして明治は...
士農工商制度もまだ風化してはおらず、軍人の妻というものの...
「私はどこから来てどこへ行くのか?」こういう問いに答える...
僕らが知っているのは他人が生まれ死ぬことであって、自己自...
こういうものが「こころ」の主人公の底辺に流れていたような...
舞姫をふりかえって
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「舞姫」も同様で、明治とは狭義には江戸幕府が崩壊し、
天皇を中心とした明治維新が起こっての時代背景があるのだ。
「こころ」の私の父親の天皇崩御や乃木大将の殉死とともに気...
「舞姫」の主人公の法学部を目指して、
法律辞典とならねばならぬ国の改革を任された人員としての気...
おそらく今のように自由意志で生きられるはずもなく、身分違...
はたまた自分の望む職業に就くことも難しかったのだろうと思...
ましてや恋愛に対して自由行動を起こせるはずもなかった。
今のように愛のために何もかも投げ出して生きられる時代でな...
またこの2つに共通しているのは、立身出世を重んじ、内なる...
ちなみに殉死とは他者の死を自分の死の唯一の理由とする没我...
「こころ」の先生の自殺はこれとは対峙している。自由と独立...
一方「舞姫」の主人公は友達の讒言で陥れられるが帰東するた...
舞姫の私はどこまでいっても愛には生きられず、その理由は立...
「こころ」の先生の場合は友達を裏切ってしまったという懺悔...
ここだけは生き方が対峙しているような気がした。
先生は何に対しても屈服することは嫌だったろうに、
乃木大将の殉死をきっかけに今まで生きて来た理由を改めて問...
自らの命を絶つ以外、自分を許す方法がなかったのだと思う。...
儒教の考え方も強く、目上の者を重んじ、没快楽の方向へ進む...
おそらく性も抑圧されていたのだろうと思われた。
主人公たちが守りたかったもの
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この二つの作品には独特な翳と寂寞感がとうとうと脈打ってい...
人は何を信じて生きてゆけばいいのか?最愛の人ですら裏切り...
そこまでして主人公たちが守りたかったものは何なのか?とい...
しかし自殺は自らが唯一行える人間が生命を抹殺しうる行為で...
先生は自殺を行うことで自らを許せたかもしれないが、
舞姫の主人公である私は罪を背負い続けて生き抜いたことにな...
否、先生だって妻に本音を言わなかったことこそが懺悔だった...
となるとこの2つの作品に流れるテーマは懺悔なのだろうか?
よって舞姫のエリスの結末には大変なショックを受け、狂女が...
この二つの作品を読み返すことによって、懺悔、自殺、責任、...
しかし先生も舞姫の私も時代に殺されてしまった訳ではないと...
いつの時代にも生きていていい理由はあったと思うのだ。
これが大東亜戦争やナチスの被害ということになってくるとま...
人間の尊厳というものを殉死という形で補おうとした人もいる...
先生も太田も大きな十字架を背負って生きていったのだろうか?
私は女性としてエリスや太田の母や先生の奧さんに想いを寄せ...
まとめにかえて
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これらの時代は明治である。明治といえば天皇制や時代が大き...
明治に生きた男たちということを主題とすると、
舞姫もこころも読み手の私には捉えきれていないのかもしれな...
人はなんのために生き、なにに死にゆくのか?
@@reference: 夏目漱石, こころ,新潮文庫,2004,p1-p384,41010...
@@reference: 森鴎外, 現代語訳舞姫,筑摩書房,2006,p1-p206,4...
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