物理のかぎしっぽ PukiWikiの使い方 のバックアップの現在との差分(No.18)

 *PukiWikiの使い方 [#o5b7d475]
 [[かぎマニュアルズ]] >
 #rst2hooktail_source
 #執筆中/行列式の導出/ソース
 ============================================================
 行列式の導出
 ============================================================
 
 #contents
 行列式の定義を見ると,どうしてこのような式を考え付いたのか想像しにくいですね.
 行列式を使わずに連立1次方程式を解いて,行列式の導出を試みましょう.
 
 この,物理のかぎプロジェクトホームページは,PukiWikiというプログラムを利用した,誰でも編集可能なホームページです(感覚的には,ホームページというよりも掲示板に近いですね).閲覧者は,特にHTMLに関する知識を要せず,Wikiごとに定められた [[整形ルール]] にしたがってページを更新することができます.
 
 詳しい説明は [[整形ルール]] の通りですが,ここではごく簡単に,使い方を説明します.
 
 
 *Wikiとは [#jeaf2865]
 3元連立1次方程式
 ============================================================
 
 このPukiWikiというものは,Wikiクローンと呼ばれています.Wiki は Ward Cunningham という人が作った WikiWikiWeb というものがはじまりだそうです.それが日本語化されたものの,いろいろな Wiki の内の一つが PukiWiki です.日本語で使える Wiki は他にもいくつかありますが,それぞれの [[整形ルール]] は統一されておらず,微妙に異なっています.
 一般の場合は式が複雑で考えにくいので,まず
 
 <tex>
 a_1 x + b_1 y + c_1 z = d_1 \\
 a_2 x + b_2 y + c_2 z = d_2 \\
 a_3 x + b_3 y + c_3 z = d_3
 </tex>
 
 *ページ編集の基本 [#t70fc828]
 について考えましょう.$x$を求めるために
 
 ページを編集する基本は,まずページ上部にある「編集」
 #ref(fig1.png)
 をクリックすることです.それによって,内容を追加したり削除したりできますし,人がどのようにページを記述しているのか知ることができます.
 <tex>
 a_i x + b_i y + c_i z = d_i
 </tex>
 
 の辺々に $\pm b_j c_k (i \neq j \neq k \neq i)$ をかけた
 
 **ページの作成 [#fe42db4c]
 <tex>
 \pm (a_i b_j c_k x + b_i b_j c_k y + c_i b_j c_k z) = \pm d_i b_j c_k
 </tex>
 
 新しくページを作成するには
 に対して,例えば
 
 +既存ページにリンクを張ってから作成
 +「新規」をクリックして作成
 <tex>
 + a_1 b_2 c_3 x + b_1 b_2 c_3 y + c_1 b_2 c_3 z = + d_1 b_2 c_3 \\
 - a_2 b_1 c_3 x - b_2 b_1 c_3 y - c_2 b_1 c_3 z = - d_2 b_1 c_3
 </tex>
 
 の二通りがあります.「新規」から作成しても,既存ページからリンクを張らなければそのページにたどり着けませんので,「既存ページにリンクを張ってから作成」の方法をお薦めします.
 を辺々加算すると$y$の係数が
 
 ***既存ページにリンクを張る [#kb5d4d9c]
 <tex>
 (b_1 b_2 - b_2 b_1) c_3 = 0
 </tex>
 
 既存ページにリンクを張りたい場合
 となります.また,
 
  [[リンクを張りたいページ名]]
 <tex>
 + a_1 b_2 c_3 x + b_1 b_2 c_3 y + c_1 b_2 c_3 z = + d_1 b_2 c_3 \\
 - a_3 b_2 c_1 x - b_3 b_2 c_1 y - c_3 b_2 c_1 z = - d_3 b_2 c_1
 </tex>
 
 というふうに,ページ名を [[ と ]] で括って記述します.括ったページ名が既に存在する場合はそのページへリンクが張られます.存在しない場合は,括ったページ名の最後に「?」が付きます.
 を加算すると$z$の係数が 0 になります.$y$の係数には$b_i b_j$が,$z$の係数には
 $c_i c_k$が含まれているのがポイントで,$s_{ijk} = - s_{jik}$ならば
 
 ***リンクから作成 [#y8ddd41e]
 <tex>
 (s_{ijk} b_i b_j - s_{jik} b_j b_i) c_k y = 0
 </tex>
 
 上の手順で付いた「?」をクリックすれば,そのページを編集する画面になります.
 $s_{ijk} = - s_{kji}$ならば
 
 <tex>
 (s_{ijk} c_i c_k - s_{kji} c_k c_i) b_j z = 0
 </tex>
 
 *ページの削除 [#d5ef9b83]
 となるので,$s_{123} = 1$を初期値として符号$s_{ijk}$を$s_{ijk} = - s{jik} = - s_{kji}$ 
 によって順次定めると
 
 ページを削除するボタンはありません.削除するには「編集」をクリックし,そこに書いてある内容をすべて削除し,「ページの更新」をします.すべて選択する場合,[Ctrl-a] を押すか,右クリックのメニューから「すべて選択」を選ぶのが簡単かつ確実です.
 <tex>
 + a_1 b_2 c_3 x + b_1 b_2 c_3 y + c_1 b_2 c_3 z = + d_1 b_2 c_3 \\
 - a_1 b_3 c_2 x - b_1 b_3 c_2 y - c_1 b_3 c_2 z = - d_1 b_3 c_2 \\
 + a_2 b_3 c_1 x + b_2 b_3 c_1 y + c_2 b_3 c_1 z = + d_2 b_3 c_1 \\
 - a_2 b_1 c_3 x - b_2 b_1 c_3 y - c_2 b_1 c_3 z = - d_2 b_1 c_3 \\
 + a_3 b_1 c_2 x + b_3 b_1 c_2 y + c_3 b_1 c_2 z = + d_3 b_1 c_2 \\
 - a_3 b_2 c_1 x - b_3 b_2 c_1 y - c_3 b_2 c_1 z = - d_3 b_2 c_1 
 </tex>
 
 が得られ,総和をとると$y$,$z$の係数がいずれも 0 になることが分かります.
 
 *本文の書き方 [#la3d1fa6]
 
 [[整形ルール]] をご覧ください
 
 
 *コメントフォームの付け方 [#bfdf6376]
 置換による表現
 ============================================================
 
 ページにコメントを入力してもらいたい場合,
 集合$\{1, 2, \cdots , n\}$に対する1対1写像を置換といい,とくに
 $\{1, 2, \cdots , n\}$の任意の2数だけを交換する置換を互換といいます.
 $i$と$j$を交換する互換$\sigma$は
 
  #comment
 <tex>
 \sigma(i) = j,~~ \sigma(j) = i,~~\sigma(k) = k (k \neq i, j)
 </tex>
 
 という記述をコメントして欲しい場所に書きます.新しいコメントが上に並ぶようにしたい(コメントフォームの下に並べたい)場合,
 ですが,これを$(i~~j)$とかきます.任意の置換は互換の繰り返し(合成写像)で
 表現できます.表現の仕方はいろいろありますが,置換を表現するのに必要な互換
 の数は偶数か奇数かは変わりません.互換の数が偶数の置換を偶置換,奇数の置換を
 奇置換といい,置換の符号を
 
  #comment(below)
 <tex>
 {\rm sgn}(偶置換) = 1 ,~~ {\rm sgn}(奇置換) = -1
 </tex>
 
 と書きます.
 で定めます.$s_{ijk}$の$i, j, k$は互いに異なるので,置換$\sigma$を用いて
 
 <tex>
 i = \sigma(1), j = \sigma(2), k = \sigma(3)
 </tex>
 
 *フェイスマーク [#l67c9edb]
 と表現でき,置換を用いると$n$元連立1次方程式への拡張が容易になります.
 
 文字だけでのやりとりま難しいものです.ニュアンスが伝わらないことで,思わぬ誤解を招くこともあるかもしれません.そんな誤解を防ぐため,顔文字が用いられます.この PukiWiki では :) などの画像を使うことができます.これをフェイスマークといいます. :) を表示するには
 一般化準備として,まず
 
  これ :) がフェイスマーク
 <tex>
 s_{ijk} b_j c_k (a_i x + b_i y + c_i z) = s_{ijk} d_i b_j c_k
 </tex>
 
 のように,特定の記号を記述します.この表示は
 を置換を用いて書き換えましょう.$s_{ijk} = {\rm sgn}(\sigma) = s_\sigma$とし
 
 これ :) がフェイスマーク
 <tex>
 i = \sigma(1), j = \sigma(2), k = \sigma(3) \\
 a_i = a_{i1}, b_i = a_{i2}, c_i = a_{i3} \\
 x = x_1, y = x_2, z = x_3
 </tex>
 
 となります.このとき,フェイスマーク記号の両側に半角スペースを入れるのを忘れないでください.フェイスマークとその記号の一覧を以下に示します.
 を代入した
 
 |~フェイスマーク|~そのための記号|
 | :)|&nbsp;:)|
 | (^^;|&nbsp;(^^;|
 | :D|&nbsp;:D|
 | :p|&nbsp;:p|
 | :d|&nbsp;:d|
 | XD|&nbsp;XD|
 |~|&nbsp;X(|
 | ;)|&nbsp;;)|
 | ;(|&nbsp;;(|
 |~|&nbsp;:(|
 <tex>
 s_\sigma a_{\sigma(2)2} a_{\sigma(3)3} \sum_{k=1}^3 a_{\sigma(1)k} x_k
 = s_\sigma d_{\sigma(1)} a_{\sigma(2)2} a_{\sigma(3)3}
 </tex>
 
 場合に応じて,使い分けてみてください ;)
 が$x_1$を求める式であることに注意.$x_2$を求めるときの式は
 
 <tex>
 s_\sigma a_{\sigma(2)1} a_{\sigma(3)3} \sum_{k=1}^3 a_{\sigma(1)k} x_k
 = s_\sigma d_{\sigma(1)} a_{\sigma(2)1} a_{\sigma(3)3}
 </tex>
 
 #br
 #br
 #topicpath
 あるいは$\sigma$を変更した
 
 <tex>
 s_\sigma a_{\sigma(1)1} a_{\sigma(3)3} \sum_{k=1}^3 a_{\sigma(2)k} x_k
 = s_\sigma d_{\sigma(2)} a_{\sigma(1)1} a_{\sigma(3)3}
 </tex>
 
 であり,$x_j$を求める式は
 
 <tex>
 s_\sigma \sum_{k=1}^3 a_{\sigma(j)k} x_k \prod_{I \neq j} a_{\sigma(i)i}
 = s_\sigma d_{\sigma(j)} \prod_{i \neq j} a_{\sigma(i)i}
 </tex>
 
 です.上式の 3 を$n$で置換し,$\sigma$の定義域を${1, \cdots , n}$と考えれば,
 そのまま一般の場合に適用できます.
 
 
 
 
 
 一般化
 ============================================================
 
 3 を$n$で置換し,$\sigma$の定義域を${1, \cdots , n}$と考えても$x_j$を同じ式で
 求められることを確かめましょう.
 
 <tex>
 \sum_{k=1}^n a_{\sigma(j)k} x_k s_\sigma \prod_{i \neq j} a_{\sigma(i) i}
 = d_{\sigma(j)} s_\sigma \prod_{i \neq j} a_{\sigma(i) i}
 </tex>
 
 の$\sigma$についての総和をとると,$x_i~(i \neq j)$の係数は
 
 <tex>
 \sum_\sigma s_\sigma a_{\sigma(j) k} a_{\sigma(k) k}
 \prod_{i \neq j, k} a_{\sigma(i) i} = 0
 </tex>
 
 となります.ここで$i \neq j$は$i \in \{1, \cdots , n\} - \{j\}$,$ i \neq j, k $は
 $i \in \{1, \cdots , n\} - \{j, k\}$を意味します.上式が成立することは
 $\sigma'(j) <  \sigma'(k)$である任意の置換$\sigma'$に対して置換
 $\sigma''(j) = (j k) \sigma'$が存在して,
 
 <tex>
 s_{\sigma'} a_{\sigma'(j)k} a_{\sigma'(k)k} 
 + s_{\sigma''} a_{\sigma''(j)k} a_{\sigma''(k)k} = 0 \\
 a_{\sigma'(i)i} = a_{\sigma''(i)i} (i \neq j, k)
 </tex>
 
 となることで証明できます.
 
 
 
 
 
 補遺
 ============================================================
 
 (1) 発見的に考えるには対象を簡単化して見易い記号を使うこと.最初から
 
 <tex>
 a_{i1} x_1 + a_{i2} x_2 + \cdots + a_{in} x_n = d_i
 </tex>
 
 で考えようとすると無用な複雑さで思考が妨げられます.
 
 (2)「3元連立1次方程式」では$a_i x + b_i y + c_i z = d_i$ に $\pm b_j c_k$ を
 天下り的にかけましたが,
 
 <tex>
 a_1 x + b_1 y + c_1 z = d_1 \\
 a_2 x + b_2 y + c_2 z = d_2
 </tex>
 
 から$z$を消去すると
 
 <tex>
 (c_1 a_2 ?c_2 a_1) x + (c_1 b_2 ? c_2 b_1) y = c_1 d_2 ? c_2 d_1
 </tex>
 
 が得られ,同様に
 
 <tex>
 (c_2 a_3 ?c_3 a_2) x + (c_2 b_3 ? c_3 b_2) y = c_2 d_3 ? c_3 d_2 \\
 (c_3 a_1 ?c_1 a_3) x + (c_3 b_1 ? c_1 b_3) y = c_3 d_1 ? c_1 d_3
 </tex>
 
 も成立するので,$y$の係数に注目して
 
 <tex>
 \begin{array}{rrrrr}
 b_3 (c_1 b_2 ? c_2 b_1) & = & b_2 b_3 c_1 & - b_3 b_1 c_2 & \\
 b_1 (c_2 b_3 ? c_3 b_2) & = & & b_3 b_1 c_2 & - b_1 b_2 c_3 \\
 b_2 (c_3 b_1 ? c_1 b_3) & = & - b_2 b_3 c_1 & & + b_1 b_2 c_3 \\
 \end{array}
 </tex>
 
 から,加重加算によって$y$の係数を にできることが分かります.行列式で表すと
 
 <tex>
 - b_1 \left| \begin{array}{cc} b_2 & c_2 \\ b_3 & c_3 \end{array} \right| 
 + b_2 \left| \begin{array}{cc} b_1 & c_1 \\ b_3 & c_3 \end{array} \right|
 - b_3 \left| \begin{array}{cc} b_1 & c_1 \\ b_2 & c_2 \end{array} \right|
 = 0
 </tex>
 
 です.
 
 (3) 連立1次方程式
 
 <tex>
 \sum_{k=1}^n a_{ik} x_k = d_i
 </tex>
 
 の解$x_j$は
 
 <tex>
 \sum_{k=1}^n a_{\sigma(j)k} x_k s_\sigma \prod_{i \neq j} a_{\sigma(i)i}
 = d_{\sigma(j) s_\sigma \prod_{i \neq j} a_{\sigma(i)i}
 </tex>
 
 <tex>
 \sum_\sigma s_\sigma a_{\sigma(j)k} a_{\sigma(k)k} \prod_{i \neq j} a_{\sigma(i)i} 
 = 0 
 </tex>
 
 <tex>
 \left( \sum_\sigma s_\sigma \prod_{i=1}^n \right) x_j
 = \sum_\sigma s_\sigma d_{\sigma(j)} \prod_{i=1}^n \right) x_j
 </tex>
 
 から$x_j$の係数が0でなければ一意に定まります.
 
 $a_{ik}$を$(i,k)$要素とする$n$次正方行列$A$の行列式は
 
 <tex>
 |A| = \sum_\sigma {\rm sgn}(\sigma) \prod_{i=1}^n a_{\sigma(i) i}
 </tex>
 
 で定義されるので,$x_j$の係数が$a_{ik}$を$(i, k)$要素とする$n$次正方行列$A$の
 行列式であり,上式右辺は行列$A$の$(I, j) (I = 1, \cdots , n)$要素を$d_i$で置換した
 行列の行列式になっていることを確かめられます.
 
 
 
 
 あとがき
 ============================================================
 
 
 
 
 
 
 @@reference: @@
 @@reference: @@
 
 @@author: pulsar@@
 @@accept: 執筆中@@
 @@category: 初等代数@@
 
トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Modified by 物理のかぎプロジェクト PukiWiki 1.4.6 Copyright © 2001-2005 PukiWiki Developers Team. License is GPL.
Based on "PukiWiki" 1.3 by yu-ji Powered by PHP 5.3.29 HTML convert time to 0.024 sec.