物理のかぎしっぽ FrontPage のバックアップの現在との差分(No.22)

 #rst2hooktail_source
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 国際単位系の分かり難さについて
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 * 物理のかぎプロジェクトWikiへようこそ! [#qb249ac2]
 
 国際単位系(SI)では
 $\unit{J} = \unit{N \cdot m}$ と定めていますが,モーメントには $\unit{J}$ を使いません.
 また, $\unit{Hz} = \unit{1/s} = \unit{Bq}$ で,振動数と放射能の組み立て単位が等しく
 なります.このような分かり難さを減らすための工夫を考えてみましょう.「モーメントの単位は
 $\unit{J/rad}$ でもよい」等の根拠について説明します.
 ここは [[物理のかぎしっぽ:http://hooktail.sub.jp/]] を制作する,物理のかぎプロジェクトの運営拠点です :) 私たちは,初心者に易しく,楽しく,そして深く学ぶことのできる,誰もが欲しいと思っていた物理学ドキュメントをWWW上に構築しようとしています.私たちの活動について詳しくは [[物理のかぎプロジェクトについて:http://hooktail.org/wiki/index.php?%CA%AA%CD%FD%A4%CE%A4%AB%A4%AE%A5%D7%A5%ED%A5%B8%A5%A7%A5%AF%A5%C8%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6]] をご覧ください.
 
 #rawhtml(<form action="http://www.google.com/search"><input type="hidden" name="hl" value="ja"><input type=hidden name=ie value="EUC-JP"><input type="hidden" value="hooktail.org" name="as_sitesearch"><input type="hidden" value="/wiki/" name="q"><p><input type="text" name="q" size="35" maxlength="256" value=""><input type="submit" name="btnG" value="Wiki内検索(Google利用)"></p></form>);
 
 ** ゲストの方へ [#h69bbde9]
 このWikiは,プロジェクトメンバーにのみコメント・編集できるよう認証をかけています.ゲストの方は閲覧のみとなっております.ただし「間違い報告」は,どなたでもコメント・編集できます.査読や記事制作など,プロジェクトの活動に興味をお持ちであれば [[物理のかぎプロジェクトについて:http://hooktail.org/wiki/index.php?%CA%AA%CD%FD%A4%CE%A4%AB%A4%AE%A5%D7%A5%ED%A5%B8%A5%A7%A5%AF%A5%C8%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6]] をご一読になり,同ページのお問い合わせ先までご連絡ください.
 
 ** プロジェクトメンバーの方へ [#u77c7e74]
 
 仕事とモーメント
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 どうもクロメルです。いつかは言わねばと思っていたのですが、現状ではもはや査読機能が機能していません。それでも皆様が記事を公開する事は非常に意義のある事だと思うので、他の方の査読レポートが無くても、僕にメール( &encode_numeric(yshimada@hotmail.com); )を送って下さるか、「査読ページ」の「査読レポートの投稿」の状態を「公開希望」にして書き込んでください。すみませんが、よろしくお願いします。
 
 仕事を力と変位の内積,モーメントを力と変位の外積で定義すると,組立単位が等しくなることは
 避けられません.そこで,力と外積をとるのは変位でなく新しい物理量「回転半径」であると考え,
 支点から力の作用点までの距離が $1\unit{m}$ であるときの回転半径を $1\unit{rm}$ (radius of 
 rotation in meter) とします.また,これに関連して $\unit{rad}$ の定義を
 * 連絡帳 [#bd1058f4]
 #pcomment(below)
 
 <tex>
 \unit{rad} = \frac{\unit{m}}{\unit{rm}}
 </tex>
 //** プロジェクトの概要 [#y0180e22]
 //- [[目指しているもの]]
 //- [[記事制作の流れ]]
 //**開発情報 [#f6e467a5]
 //- [[rst2hooktail:http://hooktail.maxwell.jp/rst2hooktail/index.html]]
 //- [[メンバー専用]] &color(#777){メンバー向け,要認証};
 //- [[かぎマニュアルズ]] &color(#777){記事制作についてのマニュアル};
 //- [[バグ報告]] &color(#777){開発用プログラムのバグを報告};
 //- [[ToDoリスト]] &color(#777){今後,解決すべき課題};
 //- [[進行表]]
 //**記事制作と成果物 [#t85b66ef]
 //- [[公開制作]] &color(#777){原稿ソースを公開し,複数人で執筆};
 //- [[査読]] &color(#777){記事原稿を仮公開,内容のチェック};
 //- [[正式公開記事]] &color(#777){現在正式公開されている記事とその査読記録};
 //**フィードバック [#e90c9000]
 //&size(12){どなたでもご自由にご提案ください!};
 //- [[間違い報告]] &color(#777){現存記事の間違い報告};
 //- [[欲しい記事]] &color(#777){あったらいいなと思われる記事の提案};
 //**etc. [#ac6c2c7e]
 //- [[メンバー情報]]
 //- [[リンク集]]
 
 に変更します.SIの $\unit{m}$ の一部を $\unit{rm}$ で置換することによって変わる点,変わら
 ない点を以下に列挙します.
 
 1. モーメントの単位は $\unit{N \cdot rm} = \unit{N \cdot m / rad} = \unit{J / rad}$ となり,
    仕事の単位 $\unit{N \cdot m} = \unit{J}$ と区別できる.
 2. 角速度の単位は $\unit{rad / s} = \unit{m / rm \cdot s}$ に変わる.
 3. 角運動量の単位を $\unit{kg \cdot rm \cdot rad / s}$ と考えると,
    $\unit{rm \cdot rad} = \unit{m}$ なのでSIと変わらない.
 4. 立体角は回転半径が等しい点の集合(球面)の部分集合の面積なので,単位を
    $\unit{sr} = \frac{\unit{m^2}}{\unit{rm^2}}$ に変更する.
 5. 円や球に関連する量でも(角度と無関係の)長さ,面積,体積には $\unit{rm}$ を使わない.
 
 //** メンバーの方へ [#e7a4bcdd]
 //''[[査読のページ>査読]]はいつものぞくようにしてくださいませ m(__)m''
 
 この結果,モーメント $2\unit{J / rad}$ の偶力で $3\unit{rad}$ 回転させるのに要する仕事は 
 //*** 連絡や雑談 [#m0ed968e]
 //- [[連絡帳]]
 //- [[雑談用掲示板]]
 
 <tex>
 (2\unit{J/rad}) \cdot (3\unit{rad}) = 6\unit{J}
 </tex>
 //*** 企画 [#vfeff687]
 //- [[アンケート1]]
 
 と計算できます.また,回転半径 $2\unit{rm}$ の円周上を等速運動する質点が $3\unit{rad}$ 
 回転したときの移動距離は $(2\unit{rm}) \cdot (3\unit{rad}) = 6\unit{m}$ となります.
 一応つじつまが合っていますが, $\unit{rad}$ を無次元でないとすると
 //*** 全員で取り組むToDo(未解決) [#i8d4203d]
 //「[[ToDoリスト/27]]」,
 //「[[ToDoリスト/52]]」,
 //「[[ToDoリスト/54]]」,
 //「[[ToDoリスト/55]]」,
 //「[[ToDoリスト/56]]」
 
 <tex>
 y = A \sin \left( \omega t + \frac{\pi}{3}\unit{rad} \right)
 </tex>
 #br
 #counter
 
 のように,実用上数式の表示が非常に煩わしくなります(無次元であれば単位不要). 
 $\unit{rm}$ を用いると上記のようになるということを承知の上で $\unit{rm}= \unit{m}$ として 
 SI に従うのが現実的でしょう. $\unit{rad}$ は無次元ですから,回転半径の単位を $\unit{m/rad}$ ,
 モーメントの単位を $\unit{J/rad}$ と表しても差し支えはありません.
 
 
 
 
 無次元の量
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 組立単位の性質上,本質的に $\unit{Hz} = \unit{1/s} = \unit{Bq}$ のような場合が生じることは
 避けられません.上記の力と変位の内積も外積も大きさは力の大きさ,変位の大きさに比例し組立単位が
 等しくなりますが,式が変われば物理的性質が異なっても当然でしょう(前節では苦し紛れに新しい単位 
 $\unit{rm}$ を導入しましたが, $\unit{rm} = \unit{m}$ と考える方が自然です).
 $\unit{rad}$ を $\unit{m/m}$ のように工夫してもディスプレイ画面の縦横比(aspect ratio)も 
 $\unit{m/m}$ です.
 
 
 「倍」が適当な物理量は無次元,比が無次元である二つの物理量は同次元であると考えてると,
 $1\unit{m/m}$ は確かに無次元です.また「1坪」と「 $1\unit{m^2}$ 」は同次元です.
 しかし, $\unit{Hz}$ を「回/秒」, $\unit{Bq}$ を「個/秒」と考えたときの,「1回」や「1個」は
 無次元でしょうか.物理の分野では「値が自然数である量はすべて無次元」として扱われていますが,
 一般には「人/所帯」,「字/行」,「クロックサイクル/命令」のように「SIの無次元量/SIの無次元量」
 でさえ「倍」とは言えない例をいくらでも示すことができます. 
 $\unit{Hz}$ が制定される前は振動数を「サイクル/秒」で表していました.このように表すと周期の単位は
 「秒/サイクル」となり,「振動する回数 × 周期 = 所要時間」の計算が分かりやすくなります.
 せめて値が自然数である量を一括した単位,例えば $\unit{c}$ (count),を設けてほしい思いませんか.
 $\unit{Hz}$ , $\unit{Bq}$ のいずれも $\unit{c/s}$ に縮退しますが, $\unit{1/s}$ よりは親切です.
 
 
 SIで基本単位系の「精選」に拘るのは「より少ない基本単位でより多くの物理量を区別したい」ためです.
 しかし,基本単位のべき乗の積で表された組立単位による物理量の次元とは何でしょうか.
 $\unit{V} = \unit{J / C}$ の右辺は,単に基本単位で表わした式を簡単化したものではなく,単位電荷の
 移動に必要な仕事」を表しています.SIで固有の名称が与えれている単位は基本単位と同等に考え,対応する
 物理量の性質を理解することが大切です.
 物理学の多くの分野では基本単位の $\unit{cd}$ や $\unit{mol}$ は不要です.一方,量子コンピューティング
 の関連分野も対象とするには「ビット」が必要になると思われます.学際的な分野,新しい分野にも柔軟に対応
 するには単一の単位系 SI の洗練より階層構造の単位系を目指す方が現実的ではないでしょうか.オブジェクト
 指向言語のクラスのように単位系を階層構造にすれば,下位クラスの単位系の追加・変更は上位クラスの単位系
 には影響いしないので,「 $\unit{mol}$ を基本単位として認めるか否か」等も大した問題ではなくなるでしょう.
 
 
 
 
 
 あとがき
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 SIに何の疑問も持たないのは問題ですが,本文の主張をそのまま納得するのはそれ以上に問題であるといえます.
 他人の資料を参考にして自分の見解をもつことが大切です.
 
 
 
 @@reference: hooktail.maxwell.jp/kagi/d2b89ba2b80f4f789e24020003801aa7.html,単位のお話(2) 国際単位系,物理のかぎしっぽ@@
 @@reference: hooktail.maxwell.jp/kagi/b458e75b1f00ad260af2a79e05f90974.html,単位のお話(3) 組立単位,物理のかぎしっぽ@@
 
 @@author: pulsar@@
 @@accept: 執筆中@@
 @@category: 力学@@
 
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