物理のかぎしっぽ 査読/真性・外因性半導体(導入編)(篠原・トミー 共著)/2 のバックアップソース(No.16)
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-ページ: [[査読/真性・外因性半導体(導入編)(篠原・トミー 共著)]]
-投稿者: [[nemo]]
-カテゴリー: エントリー
-状態: 独り言
-投稿日: 2005-12-22 (木) 02:35:01

** メッセージ [#n12cbf52]
スッと読むことが出来ました。
わかりやすかったです。

質問なのですが
真性半導体は"高い抵抗率"を持つと書かれているように
電気を流さなさそうです。
絶縁体のように感じます(図からも)がこいつも半導体なのでしょうか?

ちょっと名前で不思議に思いました。


コラムも興味を誘いますね♪
良いと思います。

** 返答 [#t95678aa]
-読んでいただきありがとうございます!えと、実は半導体と絶縁体を明確に区別することはできません。バンド構造の違いにより、「金属」と、「半導体・絶縁体」を区別することはできるのですが、半導体と絶縁体は基本的に同じバンド構造をしているため、その純粋な物質はどちらも高い抵抗率を持ちます。使用用途の違いにより、「半導体」と「絶縁体」という呼び方を換えているのでしょう。 -- [[篠原]] &new{2005-12-22 (木) 09:14:57};
-そうなのですか?バンドに電子が満タンなのかそうではないのかの違いがあると思っていました。ちなみに明確ではない区別はどんなのでしょう? -- [[nemo]] &new{2005-12-23 (金) 01:52:09};
-明確ではない区別とは「バンドギャップ」で分ける方法です。半導体としてみなされる物質のバンドギャップは比較的小さく、絶縁体としてみなされる物質のバンドギャップは比較的大きいです。代表的な半導体物質のバンドギャップの例を挙げると、シリコンは1.12[eV]、ゲルマニウムは0.66[eV]、ガリウムヒ素は1.42[eV]です。この値が小さいために、温度が上昇すると価電子帯の電子が導電帯に励起しやすい、すなわちキャリアができやすいのです。だから、半導体として用いることができるのです。 -- [[トミー]] &new{2005-12-23 (金) 10:37:22};
-ところがやっかいなことに、近年「ワイドバンドギャップ」を持つ物質たるものが半導体として注目されているのです。昔はバンドギャップが3.0[eV]などというと絶縁体だと思われていたのに、最近では半導体としてその応用が期待されています。だからバンドギャップでは正確に半導体と絶縁体を区別することはできないのです。目安にはなる、くらいに思っていただければ良いと思います。 -- [[トミー]] &new{2005-12-23 (金) 10:38:36};
-そのような半導体があるのですか?聞いたことがあるようなないような・・・。なるほど、よくわかりました。 :)  -- [[nemo]] &new{2005-12-24 (土) 14:03:23};
-ワイドバンドギャップといったり、ワイドギャップと呼ばれている半導体です。バンドギャップが広いため、熱による価電子帯から伝導帯への励起が少なく、高温下(400〜500K以上)で動作するデバイスへの応用が期待されています。青色LEDで世間を騒がせたGaNをはじめ、SiC、ダイヤモンドなどがこれに該当します。私が最も研究したい分野であり、大変面白い研究がたくさんなされているので、いつになるかはわかりませんが、そのうち記事したいと思っています :)  -- [[篠原]] &new{2005-12-24 (土) 22:22:07};
-注釈を追加しました。 -- [[篠原]] &new{2005-12-26 (月) 12:01:05};

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