物理のかぎしっぽ 査読/上弦の月,下弦の月/記事ソース のバックアップ差分(No.2)

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 上弦の月、下弦の月
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 ここでは「上弦の月」「下弦の月」について解説をします。
 
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 下弦?上弦?
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 次の図を見てみて下さい。どちらが上弦の月で、どちらが下弦の月でしょう?
 
 .. image:: moon.jpg
 
 左が下弦の月で、右が上弦の月?
 
 確かに、月を弓に見立てたときには、左側の月では弦が下にきていて、右側の月では弦が上にきていますね。
 だから左側が下弦の月、右側が上弦の月ということですね。
 
 ファイナルアンサー? 
 
 .. image:: minomonta.jpg
 .. image:: co_minosan2.jpg
 
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 時間を追って見てみると
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 ファイナルアンサーと応える前に、もう少し考えて見ましょう。
 月が出てから沈むまでの様子を、上弦の月、下弦の月について見てみます。
 
 .. image:: moon2.jpg
 
 左側が下弦の月、右側が上弦の月の「月の出」から「月の入り」までを時系列順に並べたものです。
 あれあれ?月の出の直後は、下弦の月の弦が上を向いていて上弦の月の弦が下を向いてしまっていますね。
 しかも南中したときには弦は横を向いてしまっていますよ。
 
 そうなんです、実は「上弦の月」「下弦の月」の定義は「月を弓に見立てたときに、弦が上を向いているか下を向いているか」ではないのです。
 弦が上を向いているか、下を向いているかで分けられるのは月が沈む時間だけなんですね。
 
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 上弦の月、下弦の月とは・・
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 ではいったい「上弦の月」「下弦の月」とはどのようにして決められたのでしょうか。
 
 これには「太陰暦」が関係しています。
 日本では昔、太陽を基準とした暦「太陽暦」ではなく、月を基準とした暦「太陰暦」が用いられていました。
 太陰暦では月を基準としているので、たとえば3月3日というと月が新月から数えて3日目です。
 そしてこのような日には、必ず西空に三日月が見えていました。
 また太陰暦では満月は必ず15日目に東の空から上ります。
 満月の日を「十五夜」とよぶのもここからきています。
 
 さて、このような暦では月の前半を「上」、半ばを「中」、後半を「下」とよんでいました。 [*]_
 上にあたる7日頃と、下にあたる21日頃には月の見かけが半月になり弓を張ったような形になります。
 
 .. image:: moon-bow.png
 
 このように弓を張ったような形に見えるということで、これが「弦」とよばれるようになりました。 [*]_
 
 つまり「上弦の月」「下弦の月」の上下とは「弓に見立てたときの弦が上を向いているか下を向いているか」ではなく、「上に見える弦」なのか「下に見える弦」なのかという時期を表す上下なのです。
 
 .. [*] 現代では「上旬」「中旬」「下旬」とよんでいますよね。
 
 .. [*] もしかすると月の「弦」という言葉が先で、弓の「弦」があとから名づけられたのかもしれませんが。
 
 @@author: CO@@
 @@reference: moon.jaxa.jp/ja/qanda/qanda/qanda035.html@@
 @@reference: koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/reki_doc/doc_0215.htm@@
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