物理のかぎしっぽ 公開制作/真性・外因性半導体(上級編)/記事ソース のバックアップ(No.12)

公開制作/真性・外因性半導体(上級編)/記事ソース

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記事ソースの内容

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真性・外因性半導体(上級編)
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導入編、中級編では真性半導体、N形P形半導体の違いについて説明してきましたが、ここではそれらを特徴付ける最も重要なパラメータである「フェルミ準位」について説明します。

まずは金属の話から
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一度、半導体からはなれて、金属の話をすることにしましょう。
`導体・絶縁体・半導体`_ で見たとおり、金属では、あるバンドの中心付近で、電子の詰まった領域と、電子のからの領域が別れているのでしたよね?

.. _導体・絶縁体・半導体: http://www12.plala.or.jp/ksp/solid/differenceOfResistance/


.. image:: shino-PNI-typeSemiconductor-upper-fig1.png

しかし、ある有限の温度(例えば300K、室温)では、実際はきれいに二つの領域に別れているのではなく、グラデーションがかかったように、徐々に電子の密度が変わります。この、グラデーションの部分を拡大してみてみると・・・

.. image:: shino-PNI-typeSemiconductor-upper-fig2.png

こんな感じの図になります。これをグラフにあらわしたのが右側の図です [*]_ 。こんな感じにグラデーションがかかっていることを、覚えて置いてください。

ここで、 $E_F$ という重要なパラメータが出てきます。 $E_F$ は、 *フェルミ準位(フェルミレベル、フェルミエネルギー)* と呼ばれるもので、 *「ちょうど電子が半分だけ詰まったところでのエネルギー」* を指します。
ちなみに、絶対零度( $0K$ )においては、このグラフは( $E<E_F$ )の領域では $1$ 、( $E>E_F$ )の領域では $0$ のステップ関数のようなグラフになります。

つまり、フェルミ準位 $E_F$ は、大雑把に言えば「電子がどこまで詰まっているかを示すエネルギー」と言うことになります。
このフェルミ準位がエネルギー帯の中にあれば、その物質は金属となり、フェルミ準位が禁制帯の中にあれば、その物質は絶縁体や半導体となります。

.. [*] この関数のことを、 *フェルミディラック分布関数* といいます。詳しくは、またの機会に勉強することにしましょう。


真性半導体
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では、半導体の場合のバンド構造と電子の分布も見てみることにしましょう。

.. image:: shino-PNI-typeSemiconductor-upper-fig3.png

金属の場合と同様に、拡大してグラフと一緒に書くと、次の図のようになります。

.. image:: shino-PNI-typeSemiconductor-upper-fig4.png




外因性半導体
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真性半導体に対して、格子欠陥や不純物が存在するために電子あるいは正孔のどちらかが多くなっている半導体を外因性半導体といいます。外因性半導体には、n形半導体とp形半導体の2種類あります。どちらも真性半導体に不純物原子を添加して作ります。


n形半導体
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電子が過剰に存在する半導体をn形半導体といいます。

p形半導体
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正孔が過剰に存在する半導体をp形半導体といいます。


@@author:篠原・トミー@@
@@accept:2005-10-27@@
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