物理のかぎしっぽ 記事ソース/物理学入門第2章解答集(1) のバックアップの現在との差分(No.2)

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 物理学入門第2章解答集
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 【問題】2.1 A4の紙の縦、横それぞれの長さを求めよ。
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 A0のサイズがl0=1/2 1/4≒0.841[m]
 √2l0=1.189[m2]であるため、これをもとに計算すると297mm×210mmとなる。
 
 【問題】2.2 時速252kmの列車のスピードをMKS実用単位で表せ。
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 秒速70m/s
 
 【問題】2.3 ある停まっている自動車のアクセルを踏んで一様に加速すると10秒後には時速63[km]になった。
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 加速度を[MKS]単位で表せ。またこの加速度は重力の加速度の何分の一か。
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 63 [km/h] = 63000 [m/h] = 63000/3600 [m/s] = 17.5 [m/s]
 
 10秒間でこれだけの速度変化があったので、1秒当たりの速度変化つまり加速度は、
 17.5 [m/s] ÷ 10[s] = 1.75 [m/s^2]ということになる。
 上に書いたように、地球表面での重力速度度は 9.8 [m/s] なので、
 加速度がその何倍になるかを求めればよい。
 
 1.75 [m/s^2] ÷ 9.8 [m/s^2] = 0.1785・・・ ≒ 0.18
 
 何分の1かということであれば、1.75/9.8 = 1/(9.8/1.75) = 1/5.6 ≒ 1/6
 
 【問題】2.4 時速100.8[km]の自動車の速さは何[m]から自然落下した速さに相当するか。
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 100.8 [km/h] = 100800 [m/h] = 100800/60 [m/分] = 1680 [m/分] = 1680/60 [m/s] = 28 [m/s] (i)
 
 1分間に進む距離は1時間に進む距離の 1/60、1秒間に進む距離そのまた1/60 であるから。
 一方、自由落下する物体は、その質量(重さ)によらず、
 すべて1秒ごとに 9.8 [m/s] ずつ速くなるように加速する。
 毎秒 9.8 m/s ずつ加速するので、その加速度は、
 
 9.8 [m/s] / 1[s] = 9.8 [m/s^2] と書く。
 それが重力加速度で、地球の表面ではこの加速度が一様に物体に働くのである。
 地球表面での重力加速度9.80665 [m/s^2] ≒ 9.8 [m/s^2] は物理ではよく使う定数である。 (ii)
 なので自由落下を始めてからt秒後の速度は
 
 v(t) = 9.8t [m/s] になる。 (iii)
 
 従ってt秒後の速度が<1>の 28 [m/s] になるのは v(t) = 9.8t = 28 [m/s]より
 t = 28/9.8 = 2.8571・・・ ≒ 2.86 [s] になる。
 (iii)より、2.86秒後の落下速度がv(2.86) = 9.8 [m/s^2] × 2.86 [s] = 28.028 ≒ 28 [m/s] (iiii)
 
 では、0〜2.86 秒の間にどれだけ落下するかというと、速度が 0 から(iiii)になるまでの平均速度は、
 (0 + 28 [m/s] )/2 = 14 [m/s]
 なので2.86秒間に落下する距離は、この平均速度に時間をかけて
 14 [m/s] × 2.86[s] = 40.04 ≒ 40 [m]ということになる。
 
 【問題】2.5 高さ1.225[m]の机の上を2[m/s]で転がっていたボールが床に落ちたとき、
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 落ちた点は机の端の真下から何[m]のところか。
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 空気の抵抗とか摩擦とか、そういうものは一切考えないとすれば、
 (i) 鉛直方向には重力が働くので重力加速度による等加速度運動
 (ii) 水平方向には何も加速度が働かないので等速運動ということである。
 
 鉛直方向を y 方向とし、落下する下向きを正、机の高さを y=0 [m] とします。
 また、水平方向を x 方向とし机の上をボールが転がっている方向を正とする。
 
 (i) 鉛直方向:机の上から空中に飛び出した瞬間を t=0 とすると、
 落下速度は、重力加速度が 9.8 [m/s^2] なので、Vy(t) = 9.8t
 t 秒間に落下する距離は、0〜9.8t の速さの平均値 4.9t にt秒をかけたもので、y(t) = 4.9t × t = 4.9t^2
 これは「床面」つまり y=1.225 になるのは、1.225 = 4.9t^2
 → t^2 = 1.225/4.9
 → t = √(1.225/4.9) = 0.5 [s] (1)
 つまり飛び出したボールが床に到達するのは t=2 [s] のとき。
 
 (ii) 水平方向ヘはずっと Vx(t) = 2 [m/s] で一定なので、t 秒間に進む距離は、x(t) = 2t [m]
 従ってボールが机を飛び出してから床に着くまでの 0.5 秒間に、水平に進む距離は、x(0.5) = 1 [m]
 
 【問題】2.6 時速144[km]で水平に投げたボールが投げたところから水平距離24[m]のところでは何[cm]落ちるか。
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 (i) 鉛直方向には重力が働くので、重力加速度による等加速度運動
 (ii) 水平方向には何も加速度が働かないので等速運動ということである。
 
 鉛直方向を y 方向とし、落下する下向きを正、投げた高さを y=0 [m] とする。
 また、水平方向を x 方向とし、ボールを投げた方向、投げた位置を x=0 [m] とする。
 
 (i) 鉛直方向:ボールを投げた瞬間を t=0 とすると、落下速度は、重力加速度が 9.8 [m/s^2] なので、Vy(t) = 9.8t
 t 秒間に落下する距離は、0〜9.8t の速さの平均値 4.9t にt秒をかけたもので、y(t) = 4.9t × t = 4.9t^2 (2)
 
 (ii) 水平方向ヘはずっと Vx(t) = 144 [km/h] = 40 [m/s] で一定なので、t 秒間に進む距離はx(t) = 40t [m]
 これが「24 m」になる時間は24 = 40t → t = 24/40 = 0.6 [s]
 (2)より、この間に落下する距離はy(0.6) = 4.9 * 0.6^2 = 1.764 ≒ 1.8 [m] = 180 [cm]
 
 
 【問題】2.7速度49[m/s]で45°で打ち上げた球は、水平距離何[m]のところに落下するか。
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 (1) 鉛直方向には重力が働くので重力加速度による等加速度運動
 (2) 水平方向には何も加速度が働かないので等速運動ということだが、
 前の2つが鉛直方向の初速度ゼロだったのに対し、ここでは斜め上に打ち上げたので、
 鉛直方向の初速度は上向きに 49*sin(45°) = 49/√2
 水平方向の初速度は打ち上げた方向に 49*cos(45°) = 49/√2というところが異なってくる。
 
 (i) 鉛直方向:ボールを投げた瞬間を t=0 とすると、今度は上方向を正として、
 落下速度は重力加速度が -9.8 [m/s^2] なので、Vy(t) = 49/√2 - 9.8t
 t 秒間の高さは、49/√2〜49/√2 - 9.8t の速さの平均値 49/√2 - 4.9t にt秒をかけたもので、
 y(t) = (49/√2)t - 4.9t^2 (3)
 
 再び地面に落下するのは、y(t)=0 になるときなので、(3)より 0 = (49/√2)t - 4.9t^2 = t[(49/√2) - 4.9t]
 t=0 は投げ上げたときなので、再び地面に落下るのは、(49/√2) - 4.9t = 0のときで、
 t = 10/√2 = 5√2 [s] (4)
 
 (ii) 水平方向ヘは、ずっと Vx(t) = 49/√2 [m/s] で一定なので、t 秒間に進む距離は、x(t) = (49/√2)t [m]
 従って、(4)の 5√2 [s] 間に水平に進む距離はx(5√2) = (49/√2) * 5√2 = 245 [m]
 
 考え方として、鉛直方向、水平方向に分けて考える。力、加速度のかかる方向、かからない方向を見定める。
  
 加速度がかかる→等加速度運動 加速度がかからない→等速運動
 
 いずれも加速度から速度を考えるときに、その方向の初速度を考える。
 等加速度運動 その初速度に対して、加速度が速度を増加(加速)または減少(減速)させる。
 等速運動 その初速度のまま一定速度で進む。
 
 あとは、速度から変位(移動距離)を求めるときには、公式を使うか、
 上のように平均速度から求めるようにすると求めやすい。
 
 物理の加速度の公式 VはvelocityのV AはAcceleratorのA TはTimeのTを指している。
 重力加速度の定理として9.8[m/s]は決まった数値であるため憶えてしまうとよい。
 
 
 ほかにも答えの導き方はたくさんありますが、ここでは一例をご紹介しました。
 最後までお読みくださりありがとうございました。
 
 @@reference: 大西直毅,物理学入門,東京大学出版,1996,p1-p53,4130626027@@
 @@author:きり@@
 @@accept:2019-12-06@@
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