物理のかぎしっぽ :記事ソース/コリオリの力 のバックアップソース(No.10)
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コリオリの力
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天気予報などで衛星から撮影した台風の映像が写ることがあります。台風は渦を巻いています。また、日本近海には黒潮という大きな海の流が存在しており、温かい南の海から豊富な栄養原を運んできてくれます。黒潮も、地球規模でみると大きな渦を巻いています。台風の渦、黒潮の渦、これらを結ぶキーワードが「コリオリの力」と呼ばれるもので、地球上を動く物体に働く力です [*]_ 。

.. image:: ForceDeCoriolis-1.jpg

.. [*]
   ぼくはこの「コリオリの力」がどうしてもよくわからず、長い間コンプレックスを持っていました。
   が、しばらく時間を空けて考えてみたら「あ、そんなことか」と理解できるようになりました。
   勉強というのは、こういうことの繰り返しなのかもしれません。

マンガ的にみてみよう
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コリオリの力が発生する前提条件は、回転運動している系にいることです。「系」という言葉を想像しにくければ「なんか全体的な場所みたいな感じ」と捉えておけばいいでしょう。いま、一つの系として、回転している大きな円盤を考えてみます。さて、回転円盤の上で動く物体のがどのような運動をするのかを調べてみましょう。ここでは、ピッチャーがキャッチャーに向かってボールを投げる様子を考えます。まずは、4コマ漫画をご覧ください。

.. image:: ForceDeCoriolis-2.png
   :alt: なげます。くるくる。スルー。ちゃんととってよ(怒)。

円盤の中心にいるピッチャー(ねこ大王)は、キャッチャー(うしがら太郎)に向かってまっすぐボールを投げたハズなのに、
うしがら太郎はボールを取ることができませんでした。うしがら太郎がボールを避けたわけではないのです。円盤が回転していたので、円盤ごと動いてしまったのです。今度はこの様子を上から眺めてみましょう。

.. image:: ForceDeCoriolis-3.png
   :alt: 1,2,3,4

ではつぎに、円盤の上に立っているねこ大王の立場から同じ動きを観察します。

ボールが斜めに進んでいるように見えます。まっすぐ投げたのにボールは斜めに進んでしまったのです。ということは、ボールの進行方向がかわったのです。と、いうことはボールには力が働いたことになりますね。この力こそが「コリオリの力」です。

円盤の外から見ている人にとっては、ボールはあくまでまっすぐ飛んでいるのであって、動いているのはねこ大王たちだと思うでしょう。ねこ大王たちが「円盤の上に乗っている」と認識しているのであれば、動いたのは自分達だね、と理解できてボールがうしがら太郎のミットに収まらなかったことに疑問を抱かないでしょう。

しかし、回転円盤がとてつもなく大きくて、自分達がそのようなものに乗っていると認識していないのであれば「ボールが曲がった」と不思議に思うのです。たとえば、ぼくたちは地球という回転物体の上に乗って動いているのですが、普段は誰も自分が動いていることを意識してはいません。このような場合、ボールが曲がるのは(自分達が動いているからではなく)「コリオリの力」が働いたからだと考える方が便利なのです。


数式として表してみよう
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コリオリの力の基本的な性質は上で書きました。台風が渦巻く理由等は、一通り説明できます。ですがもっと詳しいことを知りたければ、たとえば時速100kmで投げたボールに働くコリオリの力はどの程度なのか、などは具体的な数値を知るにはもう少し詳しい情報が要ります。数値を扱って詳しい予測をするには、数式の理解が欠かせません。コリオリの力を含んだ運動方程式を導きましょう。

回転座標系
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@@author:崎間@@
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