物理のかぎしっぽ 査読/正方行列の三連続積の展開(クロメル著)/2

読みました。

メッセージ

ブラケット表記は、ただかっこいいからではなくて、双対ベクトルを明示的に示せるという利点があるわけですから、それをきちんと書けばいいと思います。(量子力学がそんなに好きでない私にとっては、ブラとケットは全然かっこよくないです。) 

また、ブラケットは本質的にベクトルの内積ですが、ブラとケットを縦ベクトルと横ベクトルに対応させるのは、ベクトルの内積を行列の積と見立てた場合に可能な対応であって、別に高校で習うように縦ベクトルと縦ベクトル、横ベクトルと横ベクトルでも内積は定義できるのですから、縦とか横ということよりは、双対ベクトルであるという点が重要だと思います。(この認識を持った上で、ベクトルを縦とか横に書くのは見やすくて分かりやすいという利点があるわけですが。)

本稿の趣旨は、二次のテンソルを行列表記した場合、「各成分がベクトルであるベクトルとして書ける」ということ、三次のテンソルなら、「各成分が行列であるベクトルとして書ける」ということ(もしくは、二重にベクトルが入れ子になっていると見ても良い。以下、高次テンソルについては同様)、という点にあるのだと思います。つまり、テンソルをpartition matrix として見るということですね。その点をもう少し平易に表現したらもっとメッセージが伝わると思います。

例えば、ダイアディックというのは物理でした使わないし、とても古臭い表現に思います。まぁ、物理くさいと思うのは、私があまり物理に慣れてないせいかも知れませんが。この記事のカテゴリーはどこですか?

そのうち線形代数というカテゴリーを作ろうと思ってるので、線形代数にして頂いても良いです。

「ひとつ注意しておくと,これは組になるベクトルと行列要素の位置を実際に展開してみて確認しておくことをお勧めします.」この文はちょっと変だと思います。

返答

  • 査読ありがとうございます^^

一つよく分からなかったのは、Johさんはブラケット記法で書くことには抵抗を感じていますか?この記事は、双対ベクトルを持ち出す利点もないと思いますし、双対ベクトルには触れないつもりでした。だって、本来の双対ベクトルには、ダイアド積という概念はありましたっけ?書く順序で積の種類(スカラー積、ダイアド積、テンソル積)が変わるのは、量子力学のブラケット記法独特のものだと思っています。でも、かといってダイアドをベクトルを間に何も入れず並べて書くという通常の記法は、少し印象が薄いかなと思ったので、ブラケット記法を使ってみました。「明示的に示せるという利点」とはそのことでしょうか。

>テンソルをpartition matrix として見る

これは、言う方がいいと思いました。どうやって言うか少し考えてみます。

>ダイアディックは、〜とても古臭い表現に思います。

それを言っちゃあ、おしまいですよ(笑) 僕としては逆の発想で、ダイアドを身近なものに感じられるように、こうしていろいろな例を挙げていくのもいいかなと思っています。

カテゴリーは、物理数学のつもりです(個人的には「小ネタ」という気軽に読めるカテゴリーが作れたら最高なのですが、いくつか集まったら申請してみようかな。)。「線形代数」に分類するのは、線形代数のカテゴリーができてからにしようと思います。線形代数のカテゴリーにこの記事だけというのは、少し気が引けます (^^; -- クロメル 2007-10-05 (金) 10:45:16

  • ダイアド積っていうのは、単に二次のテンソル積のことですよね。「本来の双対ベクトル」という意味が分かりませんが、どんなベクトルにでもテンソル積は普通に定義できると思います。というか、テンソル空間はベクトル空間の直積として定義されるわけですから当然ですよね。二次のテンソル積は、ベクトルを二つ並べて書くだけでいいんじゃないでしょうか?(これがダイアドってこと?) 三次以上のテンソル積は、添え字を使えば別に問題なく表せると思います。ベクトルの縦横は、転置の記号を使えば表せるし、別にブラケット記号独特とは思わないのですが。それでも、ブラケット記法の方がいいと思う人は使えばいいと思います。以上は私の感想です。クロメルさんは、ブラケット表記の利点が分かってらっしゃるんですし、ブラケット表示が便利だと思う理由があるんでしょうから、それをちゃんと分かりやすく書いたらどうでしょうか? 私が一番引っかかったのは「かっこいいから」という文です。少なくとも、私は量子力学(およびその世界の用語)に不慣れなので、なんだか置いてけ堀を食らった気分になります。 -- Joh 2007-10-06 (土) 00:13:55
  • 僕にとっては、テンソルの知識よりも量子力学の知識の方が親しみがあるためこの様な書き方になったのだと思います。ちらっと、「一形式×(狭義の)ベクトル」というテンソル積は一次変換になる。ということを聞いたことがあったので、ダイアドにはならないのかなと思ってしまっていました。これが今回の双対ベクトルの議論を一番ややこしくしてしまったと思います。

みんなに抵抗なく読んでいただけるのが一番ですから、近いうちに「ケット×ブラ」を「ベクトルの並置」の形式に置き換えようと思います。ただ一つ言っておきたいことは、別にダイアドをブラケット記法で書いた深い意味というのは本当になくて、ブラケットの知識がない人でもこの記事の中に記号の定義というものを書いておいたため、読めるようにしておいたつもりです。その証拠に、おそらくこの記事はブラケット記法から普通のダイアド(ベクトルの並置)に書き換えるだけで成立するだろうと思います。例えるなら、ベクトルを書く際に上に矢印を書くか、太字で(ボールド体で)書くか位の違いしかないってことです。 -- クロメル 2007-10-08 (月) 19:42:10


 
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