物理のかぎしっぽ 記事ソース/中心、中心化群、正規部分群、正規化群

記事ソース/中心、中心化群、正規部分群、正規化群

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記事ソースの内容

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中心、中心化群、正規部分群、正規化群
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この記事では、群論の「中心」と「中心化群」と「正規化群」、
そしてこれらからは少し異質な「正規部分群」を説明します。
具体例が分かっている時に読めば、上手く整理できる記事としたいです。
具体例に触れるには、 ときわ台学さん_ が良いと思います。

中心
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群 $G$ に対して、中心 $Z(G)$ とは次の集合です。

<tex>
Z(G) = \{ a \in G | ag = ga, ^\forall g \in G \} \tag{##}
</tex>

つまり、これは一般に群 $G$ の要素 $g$ は非可換なの
ですが、よく見ると特定の $a \in G $ に対しては、
他の全ての要素 $g$ と可換になっている、そういう元の集合です。
つまり、中心の元を取り出して考えるときに限り、他の元との積は可換に見えます。
代表的な例としては、単位元 $e$ はどんな群であっても、中心のメンバーです。
以降のものに対して、一番厳しい条件の集合がこの中心です。

中心化群
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群 $G$ に対して、中心 $C_G(S)$ とは次の集合です。

<tex>
C_G(S) = \{ a \in G | as = sa, ^\forall s \in S \} \tag{##}
</tex>

ここで、 $S$ は $G$ の部分集合です。部分群である必要はありません。
中心に対する条件は、「全て」の $G$ の要素に対して可換でしたから、
かなり厳しい条件です。そこで制限を緩めて、 $G$ の部分集合 $S$ とならば可換です。
というものの集合です。 $G=S$ の時、 $C_G(G)$ は $Z(G)$ に等しくなります。

正規部分群
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群 $G$ に対して、正規部分群 $H$ (決まった記号は無いようですが、大体正規部分群は $H$ で表します。)とは、

<tex>
H = \{ h \in H | aH = Ha, ^\forall a \in G \} \tag{##}
</tex>

これだけ対応が美しくないというか、他とは少し異質だと思います。
なぜなら、他では $a$ の集合なのに、これだけ $h$ の集合になっているからです。
次に書く「正規化群 $N_G(S)$ 」を見れば納得されると思います。

さて、ここでの気持ちは群 $G \ (\ni g_i)$ の部分群 $H \ (\ni h_i)$ を
一塊と見て、 $g h_1 \neq h_1 g$ かもしれない、
でも、同じ部分群の元に $g h_1 = h_2 g$ を満たす $h_2$ が存在している。
ということです。これによって、群 $G$ は類別されます。直和を $\oplus$ とすると、
(つまり、直和とは「共通要素を持たない集合同士」の和集合を取る演算の事)

<tex>
G = H \oplus g_1 H \oplus g_2 H \oplus g_3 H \cdots \tag{##}
</tex>

の様に分解できます。 $H$ の元は $e$ を含んでおり、正規「部分群」と言うだけあって、
任意の要素の積で閉じており $h_i h_j \in H$ となっています。さらには $e$ を含んでいることから、 $e h_i = h_i \in H$ で
す。 $H$ の $e$ 以外の元 $h_i$ を $H$ の構成元に掛けても、やはり $H$ の元になっています。
加わる元なく、消える元なく、組み換えが起こります。つまり、 $H,h_i H$ 間に一対一対応が作れます。

一方、 $g_1 H$ は $e \in H$ ですから、 $g_1e = g_1$ となり、 $g_1 \in g_1 H$ 
となります。ここでも、 $g_1 h_1 \neq h_1 g_1$ かもですが、 $H$ の別の元 $h_2$ に
対して、 $g_1 h_1 = h_2 g_1$ を満たす $h_2$ が存在します。 $g_1 H$ 内の
別の要素 $g_1^\prime$ は $g_1^\prime H$ を作ると $g_1 H$ と同じ集合になり、
ここでもまた二集合 $g_1 H, g_1^\prime H$ 間に一対一対応が作れます。

また、今気づきましたが、これ以外は一意に決まるものですが、正規部分群は大きさの異なる様々な階層の正規部分群が存在する可能性があります。記号が無いのはこの所為だと思います。

正規化群
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群 $G$ とその部分集合(これも部分群でなくて良い) $S$ に対して、正規化群 $N_G(S)$ とは、

<tex>
N_G(S) = \{ a \in G | aS = Sa, ^\forall s \in S \} \tag{##}
</tex>

の事です。これは「中心」や「中心化群」と考え方が同じです。
中心化群では、 $S$ の元に対して可換な元の集合でしたが、
今回は「集合」 $S$ に対して可換な集合となります。
つまり、中心化群の $as = sa$ と言う厳しい条件を
緩めて、 $aS = Sa$ で組み換えが起こってもいい。
しかし、 $aS$ の要素は $Sa$ にあるし、 $Sa$ の要素は $aS$ にある
という条件を満たす $a$ の集合なのです。

対応が美しくないと言ったことが、あらためて実感されることを
指摘しておきましょう。 $C_G(G) = Z(G)$ でしたが、 $N_G(G)$ は $H$ ではなく $G$ であります。
つまり、 $N_G(G)$ は $G$ を一塊と見て、 $aG=Ga$ を見たす $a$ の集合
なので、そもそも $G$ は演算で閉じているという群の定義がありますから、
任意の $a \in G$ を $G$ に演算すると、 $G$ になります。つまり、この場合 $N_G(G)$ 
は $G$ そのものになります。

コメント
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ちらっと聞いてなるほどと思った話をいくつか最後にしておきます。

中心 $Z(G)$ の大きさはどれだけ群の構造が可換であるかを表しているそうです。
確かに中心が $e$ のみの時は( $e$ 以外には)全く可換と言う状態ではなく
逆に中心が最大の時、 $G$ の全ての元の時、 $G$ は可換群になります。

後、 $Z(G) \subseteq C_G(S) \subseteq N_G(S) $ が言えます。また、 $Z(G)$ は必ず正規部分群です。

そして、 wikipedia_ では、「明らかに、 $C_G(S) \subseteq N_G(S)$ である。実は、 $C_G(S)$ は必ず $N_G(S)$ の正規部分群である。」らしいです。参考まで。

今日はこの辺で、お疲れさまでした。

.. _ときわ台学さん: http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/01daisu/000daisu.html
.. _wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%BF%83%E5%8C%96%E7%BE%A4%E3%81%A8%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%8C%96%E7%BE%A4

@@author:クロメル@@
@@accept:2019-10-31@@
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