物理のかぎしっぽ 記事ソース/収束因子を使ったフーリエ変換の拡張の例

記事ソース/収束因子を使ったフーリエ変換の拡張の例

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記事ソースの内容

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収束因子を使ったフーリエ変換の拡張の例
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物理学では数学的には少し怪しい操作をして、
有用な結果を得られる事があります。
その一つが収束因子を使ったフーリエ変換です。

1のフーリエ変換
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まずは普通にフーリエ変換をしてみましょう。
すると、 $\mathcal{F[1]}$ は、

<tex>
\mathcal{F}[1] &= \int_{-\infty}^{\infty} 1 e^{-ikx} dx \\
&= \left[ \dfrac{e^{-ikx}}{-ik} \right]_{-\infty}^{\infty} \tag{##}
</tex>

となります。 $\lim_{x \to \pm \infty}e^{-ikx}$ が収束しないので、
この値は定まりません。

ここで、正の微小量 $\alpha(>0)$ を用いて、 $e^{-\alpha |x|}$ を積分核 $e^{-ikx}$ に追加して
みましょう。 $\lim_{x \to \pm \infty}e^{-ikx- \alpha |x| } = 0 $ です。

<tex>
\mathcal{F}[1] &= \lim_{\alpha \to 0} \int_{-\infty}^{\infty} 1 e^{-ikx-\alpha |x|} dx \\
&= \lim_{\alpha \to 0}  \int_{-\infty}^{0} 1 e^{-ikx + \alpha x} dx + \int_{0}^{\infty} 1 e^{-ikx - \alpha x} dx \\
&= \lim_{\alpha \to 0}  \left[ \dfrac{e^{-ikx + \alpha x}}{-ik + \alpha} \right]_{-\infty}^{0} \\
&+ \lim_{\alpha \to 0}  \left[ \dfrac{e^{-ikx - \alpha x}}{-ik - \alpha} \right]_{0}^{\infty} \\
&= \lim_{\alpha \to 0}  \dfrac{1}{-ik + \alpha} - \dfrac{1}{-ik - \alpha} \\
&= \lim_{\alpha \to 0}  2\dfrac{\alpha}{k^2 + \alpha^2} \tag{##}
</tex>

ここで、 $k=\alpha \tan \theta$ と変数変換してこれを $k : -\infty \to \infty$ で積分すると、

<tex>
\lim_{\alpha \to 0} \int_{-\infty}^\infty 2\dfrac{\alpha}{k^2 + \alpha^2} dk &= 2\pi \tag{##}
</tex>

となります。ここで、式 $(2)$ の正体は何かと言うと、 $2 \pi \delta(k)$ なのです。
ここで $\delta(k)$ はディラックのデルタ関数です。

このイメージを簡単に述べておくと、積分値が $\pi$ である
関数 $\dfrac{1}{k^2+1}$ を横に微小量 $\alpha$ 倍して $\dfrac{1}{(k/\alpha)^2+1}$ となり、
それでは曲線下の面積が $\alpha \pi$ になってしまうので、
こんどは縦方向に $1/\alpha$ 倍します。すると、 $\alpha \to 0$ の極限で
これは $\pi \delta(k)$ になります。つまり、

<tex>
\mathcal{F}[1] &= \lim_{\alpha \to 0} \int_{-\infty}^{\infty} e^{-ikx-\alpha |x|} dx \\
&= \lim_{\alpha \to 0} 2 \dfrac{\alpha}{k^2 + \alpha^2} \\
&= 2\pi \delta(k) \tag{##}
</tex>

です。

xのフーリエ変換
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今度は $x$ のフーリエ変換を求めます。
今回この記事を書いた動機はこれを言いたかったからです。

<tex>
\mathcal{F}[x] &= \lim_{\alpha \to 0} \int_{-\infty}^{\infty} x e^{-ikx-\alpha |x|} dx \\
&= \lim_{\alpha \to 0}  \int_{-\infty}^{0} x e^{-ikx + \alpha x} dx + \int_{0}^{\infty} x e^{-ikx - \alpha x} dx \\
&= \lim_{\alpha \to 0}  \left[ \dfrac{xe^{-ikx + \alpha x}}{-ik + \alpha} \right]_{-\infty}^{0} \\
&+ \lim_{\alpha \to 0}  \left[ \dfrac{xe^{-ikx - \alpha x}}{-ik - \alpha} \right]_{0}^{\infty} \\
&- \int_{-\infty}^{0} \dfrac{e^{-ikx + \alpha x}}{-ik + \alpha} dx \\ 
&- \int_{0}^{\infty} \dfrac{e^{-ikx - \alpha x}}{-ik + \alpha} dx \\
&= \lim_{\alpha \to 0} \dfrac{-1}{(-ik+\alpha)^2} + \dfrac{1}{(-ik-\alpha)^2} \\
&= \lim_{\alpha \to 0} \dfrac{-4i \alpha k}{(k^2 + \alpha^2)^2} \tag{##}
</tex>

これは奇関数です。よって単純に積分してもゼロになります。
原点に局在する奇関数、何かピンときませんか?

そうです。これは $\dfrac{d}{dk}\delta(k)$ に関係します。

<tex>\dfrac{d}{dk}(2 \pi \delta(k)) 
&= \lim_{\alpha \to 0} 2 \dfrac{d}{dk}\left( \dfrac{\alpha}{k^2+\alpha^2} \right) \\
&= \lim_{\alpha \to 0} 2 \dfrac{-2k \alpha}{(k^2+\alpha^2)^2} \\
&= \lim_{\alpha \to 0} \dfrac{-4 \alpha k}{(k^2 + \alpha^2)^2} \\
&= (1/i) \mathcal{F}[x]
</tex>

よって、

<tex>
\mathcal{F}[x] = 2 \pi i \dfrac{d \delta(k)}{dk}
</tex>

と云う訳です。これは 超関数の意味_ での $x$ のフーリエ変換に一致していますね。

それでは今日はこの辺で、お疲れ様でした。

.. _超関数の意味: http://hooktail.sub.jp/mathInPhys/distribution/

@@author:クロメル@@
@@accept:2018-01-10@@
@@category:フーリエ解析@@
@@id:shusokuinshi@@
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