物理のかぎしっぽ 記事ソース/エネルギーの変換と保存

記事ソース/エネルギーの変換と保存

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記事ソースの内容

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エネルギーの変換と保存
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電動と自走式車椅子の相違点
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自走式の車椅子は、私自身の筋力のエネルギーによって運動エネルギーを生み出している。
そして車椅子の運動エネルギーは転がり摩擦によって熱エネルギーへと変換される。
高低差のないところで移動していて、
位置エネルギーを無視するとエネルギーの保存という観点から見た場合、
筋力のエネルギーは主に私自身の体温の熱エネルギーと環境の道路とタイヤの温度上昇のエネルギーに変わっていて、
ほかの細かい要素をすべてもれなく考慮した場合、形は変われど、厳密に保存されている。
ただこの考察では大まかにしかいえず、
アデノシン3リン酸(ATP)の化学エネルギーから車椅子の運動エネルギー、
そして熱エネルギーと形を変えているといっても良い。またこの逆をたどってみても良い。
体の化学エネルギーの元ATPは酸素と糖、タンパク質、脂肪の代謝によって得られる。
これらは何から来たのかというと植物や動物から来ている。動物は草食肉食問わず、
結局は植物の化学エネルギーで生きている。
では植物の化学エネルギーのもとは何かというと光合成の太陽エネルギーになる。
酸素も光合成由来である。こうして自走式の車椅子のエネルギーをたどることができる。

エネルギーをかんがえる
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では電動式の車椅子はというと、電池で動いている。
最近ノーベル賞でも話題になったリチウムイオン電池やニッケル水素電池で動いている。
これらは充電可能なので、二次電池と言われている。つまり発電所の電気エネルギーである。
火力、水力、原子力、地熱、風力、太陽電池、波力などがある。
火力、原子力、地熱は水を熱で水蒸気に変え、その膨張力でタービンを回し、
電磁誘導で電気エネルギーに変える。太陽電池は唯一、光エネルギーを直接、電気エネルギーに変える。
これは太陽エネルギー由来である。火力は化石燃料の化学エネルギー由来で、
昔の生き物から石油、石炭はできているといわれている。
つまりこれらも太陽エネルギーである。原子力はウランであり、太陽由来ではない。
地熱も太陽ではない。地球のマントルの熱で駆動している。
波力、風力、水力は海に降り注いだ太陽熱で水蒸気が生まれ、熱で上昇し雲になり、位置エネルギーを得る。
それが雨になり、ダムに集められ、位置エネルギーから電気エネルギーに変わる。
これも太陽エネルギーだが、その一部は地球の自転の運動エネルギー由来のものも含まれている。
では太陽エネルギーは何かというと、核融合のエネルギーである。
ビッグバンで生じたといわれる水素、ヘリウムが反応しているのである。
電動車椅子はでは何かというと、太陽もしくは地球のエネルギー→電池の化学エネルギー→運動エネルギー→熱エネルギーとなる。
すべてのものが太陽光、乗り物、発電すべてのテーマにつながり、エネルギーの保存と密接にリンクしている。

車椅子のエコ化は可能か
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エコロジーについてであるが、高級なエネルギーと低級なエネルギーという概念がある。
高級なものには電気エネルギー、光エネルギー、中級に運動エネルギー、位置エネルギー、化学エネルギー、核エネルギー。
低級なものに熱エネルギーがある。高級なものから低級なものを生み出すのは簡単である。
しかしエネルギーを昇格させようとすると、工夫や特別な機構が必要になる。
ガソリンから車を動かすとき、何パーセントを運動エネルギーに変えられるか、
石油を燃やすとき、何パーセントを電気エネルギーに変えられるかなどがエコロジー的に重要になってくる。
この何パーセントから漏れたエネルギーが低級なエネルギー、つまり熱エネルギーである。
なるべく熱を出さないで、何かのエネルギーを熱以外のエネルギーに変えられること。
これがエコロジーではないかと思う。エコロジーとは日本語で「環境に配慮した」という意味で使われがちだが、
本来の意味は「生態系の学問(生態学)」ではないかと考える。熱エネルギーは熱・拡散方程式に従い、
最終的には一様な熱の分布に落ち着く。この際、エントロピーの総和が正味で増大する。
エントロピー増大則は時間の不可逆性とも言い換えられる。
もし熱に偏りがあり、温度差があるなら熱機関や熱電素子で電気が取り出せたり、運動エネルギーが取り出せる。
エントロピーは複合系では一部で大きく増加すればほかの部分では減少が許される。
その減少とは偏りが生まれ、つまり秩序の生成が起き、生物が生まれ、豊かな構造が想像される。
大きい増加とは太陽の核融合反応のことで、減少とは地球の生態系である。
エントロピーが増大した極限は熱的死と言われ、何も変化がなくなってしまう。
つまり私たちは地球上で熱的死に近づくのを遅くしようとして、
それに関する学問をエコロジーと呼んでいるのではないだろうか。

この記事はクロメルさんのご指導を経て執筆することが出来ました。クロメルさんのご厚意に心から感謝致します。
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@@reference: 小池康郎,文系人のためのエネルギー入門,勁草書房,2011,p1-p244,432660235X@@

@@author:きり@@
@@accept:2019-12-09@@
@@category:物理学@@
@@id:energyT&C@@
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