Microsoft Wordなどのオフィスソフトではなかなかきれいな数式が書けません.数式がたくさん出てくる文書を書くにはTeXを使うのが一番ですが, WordやPowerPointしか使えない場合もありますし,ちょっとした文書を書くときには広く普及しているMicrosoft製品はやはり便利です. Microsoft製のオフィスソフトのメニューから, TeX(VTeX)の数式を利用できるEquation Magicというソフトがあります.機能制限版のEquation Magic Liteは無償で配布されているので試してみるといいと思います. - http://www.micropress-inc.com/eqmlite.htm からダウンロードし,インストールします.インストール後に再起動が必要になります. Windowsに「mv」で始まる名前のTrueTypeフォントが9個インストールされ,数式にはそのフォントが使われます.これらのフォントはTeXの標準数式フォントであるComputer Modernとほぼ同じです. WordやPowerPointの文書で数式を入れたいところにカーソルを置き,「挿入」メニュー → 「オブジェクト」を選びます. #ref(fig1.png,nolink) 「オブジェクトの挿入」ダイアログが現れるのでEquation Magicを選びます. #ref(fig2.png,nolink) Equation Magic Liteが立ち上がるので,ここで数式を入力します.アイコンをクリックして視覚的に入力することもできますし,画面下のウィンドウでTeXの命令を直接書くこともできます. #ref(fig3.png,nolink) 無償版にはいくつかの制限があって\begin型の命令は書けないようです.コピーandペーストもできませんし,長い数式も書けません.ここでは $\displaystyle V=2\pi\int_0^ry^2\,dx$ という命令を書きました.数式が出力されているウィンドウをクリックすると Wordの画面に戻り,数式が挿入されています.出力はつぎのようになります. #ref(fig4.png,nolink) おなじ数式をMicrosoft Office付属の数式エディタ3.0で書いたのが下のものです. #ref(fig5.png,nolink) どちらが読みやすいかは主観的な問題なのですが,やはりTeXのものが読みやすいと思うんですがどうでしょうか.